井上章一さんと河上ひかる(じわりん工房)
国際日本文化研究センター教授
井上 章一 様
もくじ
井上山脈
- 井上
これも厚かましい言いようなんですけど、まだ少しずつ技術的には向上してるんですよ。
- ひかる
そうだと思います。ですから、このCDは初めの一歩だと私は思っています。
今回のCD作りはご自分の山場だったと先ほどおっしゃっていましたが、なにも山は一つだけではありません。どうぞ次の高みを目指して。- 井上
そうですか、分かりました。井上山脈みたいに。
- ひかる
はい。井上山脈をどんどん登っていって下さい。
- 井上
も〜、どんどん乗せられて、増長したらいかん、ほんとに。(笑)
これ、余談ですけど、うちの近所にサンマルクというベーカリーレストランがあって、そこにグランドピアノが置いてあるんです。そこでね、ピアニスト公募の掲示をみたんです。オーディションやるって。- ひかる
へ〜。
- 井上
ちょっと色気を示した夫に対して、かみさんは頼むからやめてくれっていうふうに。
- ひかる
すでに言われたんですか?
- 井上
言われました。すぐ近所やしね。近所のおばさん来はるわけですし。
そのとき頭をよぎったのは虚栄心でね。レギュラーベースの仕事になりますから、毎週何曜日の何時から何時までって、拘束されるわけじゃないですか。- ひかる
ええ。
- 井上
例えば研究会に来てくれとか、シンポジウムやるから出てくれという依頼があった時に、「ごめん、その日はステージやらなきゃならないから。」という断り方をする自分に酔えるなあとか思てたんやけど。
- ひかる
「トラが見つかれば行けるけど。」とか言いながら?
いったい井上さんにとってどちらが優先順位高いんですか?シンポジウムで基調講演するのとサンマルクでカクテルピアノ弾くの?- 井上
そら、サンマルクやね。いや、サンマルクにかぎる必要はありません。とにかく、ピアニストとしての依頼があれば、もう研究会どころじゃあないでしょうね(笑)