慈愛LOVEにまつわるエピソード

2010年10月、京都から発信した「慈愛LOVE」が、ゆっくりとしたテンポで人から人へと広がりをみせています。このコーナーでは、これまでにいただいた感想やエピソードを随時ご紹介していきます。

エピソード3: 坂井昇氏(日本画家)アルバム「慈愛 LOVE」に想う

坂井昇氏(日本画家)
アルバム「慈愛 LOVE」に想う

人生において、音楽で衝撃を受けたことが何度かあります。
「THE BEATLES」は、若き日の私を新たな世界に導いてくれました。そして多くの若者たちと同じく私も彼らの音楽に浸りきったものです。

その後、日本画の道に進むことを決め、絵画研究のために渡欧したとき、ふと立ち寄った教会で聞いた教会音楽の美しさに、またもや大きな衝撃をうけました。
色鮮やかなステンドグラスの輝き、整然と立ち並ぶ列柱の荘厳な姿、そこに響くパイプオルガンの音色と聖歌隊のうたごえに知らないうちに涙が溢れていました。
音楽というものがこのように大きく人の心を揺り動かすものであることを知るきっかけとなりました。

時がすぎ、日本画の道に思い悩んでいた京都で、教王護国寺(通称
東寺)に立体曼荼羅の諸像を見に出かけた折、何かの法要があり、大勢の僧侶たちによる「声明」を聴く機会に恵まれました。人間としての根底から湧き上がる魂の祈りに、曼荼羅の世界が私のなかでめくるめくような感覚に大きな感銘を受けました。

河上ひかるさんのプロデュースによる「慈愛LOVE」には、日本に生きることの誇りと新たな心の揺らぎを感じました。山下洋輔さん、日野皓正さん、安達久美さん各々のライヴは聴かせていただいておりますが、演奏とお経が自我をまもりつつ、他を生かし、聴く者に新たな音楽としての融合性を感じさせると思います

このアルバムで心の安らぎと魂の揺さぶりを感じたことは大きな喜びであり、このような作品を世に出されたことに賞賛の拍手とおおきな感謝をおくります。
アルバム「慈愛LOVE」は、いま試練と課題を与えられている日本人の心を癒し、魂を昇華させ、さらなる飛躍へ向かう勇気を与えてくれるものと信じます。

日本画家 坂井 昇

略歴