慈愛LOVEにまつわるエピソード

2010年10月、京都から発信した「慈愛LOVE」が、ゆっくりとしたテンポで人から人へと広がりをみせています。このコーナーでは、これまでにいただいた感想やエピソードを随時ご紹介していきます。

エピソード5:岩手県花巻市からの手紙

岩手県花巻市からの手紙

2011年7月11日、一枚の葉書が届きました。
東日本大震災で被災された方からのお手紙でした。
面識はなかったのですが、岩手で最古のジャズ喫茶「クイーン」を営んでいらした方だそうです。
ご本人の了解を得て、この場でご紹介します。


「今日は、あの想い出したくない3.11から4カ月目の日です。全てが流失し、自分のジャズヒストリー48年間の記憶までも波間に消えてしまいました。20000枚に及ぶL.PそしてCD、オーディオ、ピアノや楽器、本や写真、心が折れないわけがありません。70才になってからの再開は困難です。
 たくさんのジャズ関係者、ミュージシャンからの御見舞いや励ましをいただき、ゆっくりゆっくり前に進みたいと思っております。三陸の地から今、この地に被災者としてやっかいになっております。
 数日前、友人があの海辺にあったジャズ喫茶クイーンで買った「慈愛LOVE」のCDの話になりました。何人かの客人達に売ったことを想い出して、この手紙を書いています。Basie(一ノ関のジャズ喫茶)の菅原君からオーディオセットがプレゼントされ、又あの日野、山下さん達を聴きたいと思いました。サンプル、コピーでいいですから送ってくれれば幸いです。お願いします。もとの街にもどるのはいつの日になるかわかりません。ジャズの世界は不思議な世界、この道を歩いてきてよかったと思っております。よろしくお願いします。」

岩手県花巻市 佐々木賢一

本当に辛く悲しい出来事でした。おかけする言葉もありません。
このようなお辛い時期に、「慈愛LOVE」のことを思い出してくださったこと、大変有り難く思いました。
7月13日14日と、ちょうどRAGに日野皓正さんがお越しでしたので、CDに大きなサインをしていただき、また「慈愛LOVE」手ぬぐいにもお客さま、ミュージシャン、スタッフ、いろんな方々に寄せ書きをしていただき、京漬け物を添えてお送りしました。
「ミュージシャン、僧侶、アルバム制作に関わったすべての人々の純粋な情熱で作った“慈愛の塊”を、佐々木さんの胸に向かって力一杯投げ込みます。」と書いて。

こちらが7月24日に届いたお礼の葉書です。


「今日はただ感謝の一日です。
 聴きたかった「慈愛LOVE」のCDを手にしながらたくさんのメッセージを読みながら、涙しています。大分、精神的に余裕が出てきたのかわかりませんが、ようやくジャズが聴けるようになってきました。今週は、一ノ関市「Basie」で、日野さんのライブがあります。会って、お礼を言いたいと思っております。
 先月の末日、坂田明トリオが、流失した何もなくなった店の前で「浜辺の歌」を吹いていたのを、地元テレビのニュースで見ることが出来ました。ミュージシャン達からの熱いエネルギーが、明日への希望になっています。 
 山下さんや日野さん達と同じ70代、もう少しがんばるしかありませんね。 
 今日は美味しいものまでいただき、又々感謝。」

岩手県花巻市 佐々木賢一

実は後で知ったことですが、奥様も津波で亡くされたのだそうです。この悲しみが癒えることはなかなか難しいと思いますが、ご冥福をお祈りし、その悲しみに寄り添っていきたいと思います。
「慈愛LOVE」が、真の癒しになれば幸いです。

義援金ご協力のお願い

<岩手ジャズ喫茶連盟では、大槌町「クイーン」佐々木賢一さん、
釜石市「タウンホール」金野克人さんたちへのJAZZ義援金を受け付けていらっしゃいます。>

【義援金受付口座名】
 岩手銀行 花巻支店 (普)2072876
 岩手ジャズ喫茶連盟 事務局 浅野昌吾

【問合せ先】岩手ジャズ喫茶連盟 事務局 浅野昌吾
 (岩手県花巻市高松2-101)

ご協力よろしくお願いいたします。