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【デビュー30周年】BUCK-TICKの魅力と楽曲に迫る

独自の楽曲とともに時代を渡り歩いてきた日本のロックバンド、BUCK-TICK。

現役バリバリのバンドですが、まだ聴いたことがない方がおられたら、ぜひこの記事を一読してみてください。

それでは魅力と楽曲に迫ってみたいと思います。

おすすめ曲

7. ROMANCE

2005年「十三階は月光」に収録されています。

惡の華以降、長らくゴシック的な路線から離れていたBUCK-TICKが満を持してゴシック路線に傾倒した楽曲であり、ボーカルの櫻井敦司さんがインターネット上で「魔王」と称されるようになったキッカケの曲でもあります。

ひたすらに耽美(たんび)な歌詞でギターもオーソドックスですが、楽曲のもつ雰囲気を十二分に引き出す歌詞とビジュアルでまさしく、後続のビジュアル系に対し、ゴシックとはこういうものだ、という本気を見せつけたように思います。

この曲のゴシックな雰囲気は「十三階は月光」にも受け継がれていて前編に渡りゴシック的でどこかサーカスのような雰囲気を醸し出しています。

このPVの櫻井敦司さんがひたすらに麗しいので必見です。

8. くちづけ

https://www.youtube.com/watch?v=b8X2NXAKteE

2010年「RAZZLE DAZZLE」に収録された楽曲。

アニメ「屍鬼」のOPを飾り、新規ファンを獲得するキッカケになった曲です。

BUCK-TICKらしい耽美(たんび)な世界観をPVでも歌詞でも表現しており、BUCK-TICKの持つ魅力を端的に表現できたナンバーでもあります。

ザクザクしたギターと4つ打ち主体のドラムなど実は今の若手バンドがやりそうなアプローチを5年以上前の2010年に行ったのだから驚きの一言です。

アルバムは全編にわたり踊れるようなテンポの曲が集まっています。

それもそのはず、「RAZZLE DAZZLE」とは「ばか騒ぎ」を意味する英単語ということで、ダンスミュージックを全編に渡って展開した曲だからです。

ちなみに「RAZZLE DAZZLE」のジャケットは宇野亜喜良さんという著名なグラフィックデザイナーの描き下ろしで、詩人で劇作家の寺山修司さんとも仕事をしていたほどの方です。

9. MISS TAKE~僕はミス・テイク~

2012年のアルバム「夢見る宇宙」に収録されています。

楽曲のアプローチ自体はBUCK-TICKの王道ですが、今までより少しストレートに攻めています。

特段、変わったリフもなく、そんなにひねくれた楽曲でもありません。

かなり彼らにしてはシンプルです。

しかし、それ故に非常に完成度が高い楽曲でもあります。

ツインギターでありつつも互いが明確にフレーズをわけずユニゾン的に弾くことでギターサウンド全体に厚みを持たせ、サビをコード弾きから始めることで一気に解放感をプラス、そして珍しくギターソロも入れるという、ロックの王道的な楽曲で個人的にも好みです。

歌詞が楽曲のリリースが東日本大震災後であることも相まって何とも言えない切なさ、そしてその後ろにある決意と強さを感じさせるように思われます。

アルバムには、画家グスタフ・クリムトの作品「金魚」を使用しておりジャケットが目を引きます。

震災後から約1年ということも相まってそこに影響された楽曲が多く、どこか内省的で生々しく、物悲しさと光の両方を感じるアルバムでもあります。

BUCK-TICKでは珍しくシューゲイザー的要素の「夢見る宇宙」という楽曲もあったりします。

10. 形而上 流星

2014年のアルバム「或いはアナーキー」に収録されています。

アルバムのメインテーマが「シュールレアリスム」だったこともあり、コンセプチュアルな内容に仕上がっています。

非常に効果的に使われている電子音、アルペジオと切ない歌声の対比、そしてサビでのボーカルとギターの開放感が楽曲の全編で美しさを付加しているバラードであり、BUCK-TICKらしい死への向き合い方が随所に見られる歌詞との相乗効果は圧巻の一言です。

ライブだと電子音の響き方がどこかスペーシーだったり、ギターとは思えないほどエフェクティブな音を使っていたりとシュールレアリスムというテーマに恥じない、既成概念にとらわれないアレンジをされており、原曲の魅力が十二分に引き出されています。

ライブでもそうなのですがシュールレアリスムというテーマが全編で貫かれた、アルバム「或いはアナーキー」はBUCK-TICKの中でもおそらく最もアーティスティックな作品に仕上がっており、中でも「無題」という楽曲はBUCK-TICKの自由さ、BUCK-TICKというバンドの真髄を垣間見ることができるものになっています。

11. New World

現時点での最新アルバム、2016年の「アトム 未来派 No.9」に収録された楽曲です。

全編を通してまばゆいばかりの前向きさと疾走感、結成30年になるバンドとは思えないほどのみずみずしい楽曲、この年月でなおNew Worldというタイトルが付けられるその姿勢が非常に素晴らしいと感じさせてくれる希望に満ちた曲です。

楽曲自体は、エレクトロニカ的な電子音とギターサウンドのバランスを大事にしている印象で、どちらかが脇役になることなく、主役として使われています。

特にサビの部分においてはむしろギターサウンドより電子音のほうが際立つアレンジがされ、さらに非常に前向きさと力強さを感じる歌詞の表現が多いです。

昔のBUCK-TICKではまずできなかったであろうアプローチや表現は、年月というものの重みというものと進化を止めないバンドの真価を存分に見せつけています。

アルバムに関しては長尺の曲が少ないかわりに、個々の楽曲に多様性を持たせ非常に攻めた楽曲が多い印象です。

「或いはアナーキー」はコンセプトも相まって、非常にアーティスティックでしたが、今作はもう少し自由にさまざまな方向性を持った曲を集めたことが結果的に1つの新たな方向性を持ったような印象です。

PVでは映像をコマ送りにしたり、早送りにしたりとさまざまな加工を施し、要所要所につなぎ合わせることでで楽曲をより魅力的なものにしています。

最後に

ここまで長々と書きましたが、僕がBUCK-TICKが大好きで絞るのは難しかったです。

彼らは過去も最高で、なおかつ「今」が最高のバンドです。

バンドが次々と解散や活動休止になる昨今の厳しい音楽事情の中でBUCK-TICKのような存在はまさに奇跡であり、30年の重みとみずみずしい楽曲の数々は僕を魅了してやまないのです。

そのように思える音楽に、皆さんも出会えることを願っています。

ライタープロフィール

ライター

アセイ

中学二年のとき、LUNA SEAの再結成ライブに衝撃を受け、音楽、特に90年代のV系にのめり込む。

同じ音楽が語れる友達も出来ないままその後大学生になり、スタジアムからライブハウスまで様々な場所に通いつめ、現在に至る。

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