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【5人目のビートル】ビートルズを完成させた名プロデューサー、ジョージ・マーティン

アーティストが成功を収めるためには、そのアーティスト自身の実力もさることながら、それを支えるスタッフも重要です。

ビートルズには商業面で彼らを支えるブライアン・エプスタインという名マネージャーが存在しました。

そして、音楽面で彼らを支えたのはジョージ・マーティンという名プロデューサーです。

今回は、この人物についてお話します。

ストロベリー・フィールズ・フォーエバー

これもジョンの作品ですが、2つの異なるバージョンでレコーディングされました。

1つは大掛かりなオーケストラを使ったアレンジ、そしてもう1つは穏やかで幻想的なアレンジです。

何とジョンは、マーティンに対し両方を使ってくれと要求しました。

マーティンは、この2つのアレンジはキーもテンポも違うから無理だと答えたのですが、ジョンは、あなたならできるはずだとゆずりませんでした。

この頃はコンピューターのような便利な道具はもちろんありませんから、手作業ではさみを使ってテープをカットしたり、つないだりして見事に幻想的な曲が生まれたのです。

ア・デイ・イン・ザ・ライフ

これはジョンとポールの全く違う作品を合体させたものです。

ジョンの作品からどうやってポールの作品につなぐかが大きな課題でした。

そこで、弦楽四重奏よりもっと大規模なオーケストラをつなぎとして入れることにしました。

マーティンは、24小節のそれぞれの楽器の最も低音から譜面を書き始めました。

例えば、チェロなら低音のCから演奏を開始し、最後の部分では最も高音のEに合わせたのです。

そして、24小節を通して少しずつ音階を上げて頂点に達したところで、突然バシッと切ってしまうという大胆な手法を採用しました。

リスナーは、ジョンの幻想的な歌詞と相まって、壮大なドラマを観ているような異次元の世界へ誘われます。

マーティンの手腕がさえわたった楽曲は、「イン・マイ・ライフ」「キャント・バイ・ミー・ラヴ」「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」「フォー・ノー・ワン」などまだまだたくさんあります。

残念ながら、彼は、2016年にこの世を去りました。

ポールは「もし、5人目のビートルは誰かと問われたら、ジョージだと答える」と語っています。

彼の息子のジャイルズも音楽プロデューサーの道を歩み、偉大な父の背中を追いながら名プロデューサーとして着実に実力を付け、ビートルズの楽曲をリミックスしたコラージュ・アルバム「ラヴ」を2006年にリリースし、翌年グラミー賞を獲得したのです。

ジャイルズは父に「父さんがビートルズを作ったおかげで、世界中の人々がどれだけ幸せになったか想像してみなよ」と話しかけると、ジョージは、「私はただ一生懸命やっただけだよ」と答えました。

どこまでも謙虚な人だったのです。

ライタープロフィール

和田晋司

ビートルズの熱狂的ファン

和田晋司

大阪府出身 ビートルズのファン歴ウン十年。

色んなものに手を出しましたが、唯一続いている趣味がこれです。

ビートルズの語り部として彼らの偉大さを後世に伝えていきたいと思っています。

ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ

ウェブサイト:http://abbeyroad0310.hatenadiary.jp

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