ホールや舞台・会館では、音楽ライブ、各種発表会、講演会などが日々おこなわれています。
今回は、その裏側で管理や監督をされているお仕事を紹介したいと思います。
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もくじ
ホールで働くセクション
ホールでは主に舞台、照明、音響の3セクションが働いています。
舞台・舞台美術

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ホールや会館では、舞台監督がいない時に一番上に立つボス的存在です。
平台や所作台を組んだり、看板やドロップを吊ったり、リノリウムを敷いたり、反響番を組んだり、また、椅子や机、演台、花台、ピアノ、指揮台、譜面台などを出したり、机に白布を巻いたりなどもお仕事です。
主な舞台設備の操作も舞台のお仕事です。
割り幕の操作、緞帳、迫り(せり)、バトン、開演ベル。
そして、音響・照明へのキュー出しやスケジュール伝達、主催者にホールのルールを伝えたり、舞台使用上のスケジュール管理もしています。
主催者に一番近い存在だと思います。
このように、ホールでは仕事量も多く幅も広い舞台は責任も多いと思います。
照明

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催し物や主催者の希望に沿って光を操る、舞台では欠かせない演出の筆頭です。
オペレーターは調光卓の操作。
他にセンターピンの操作、色替え、ネタ替え、スモークマシーンの操作、照明バトンの昇降など催しによって、多くの役割があります。
照明はタイミングを要求されることが多く、本番中はインカムなどで各役割で連絡を取り合っています。
音響

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ホールで重大な役割があります。
それは運営系です。
ステージ上の声などを、舞台事務所やロビー、舞台袖、調光室などにある運営系用のスピーカーから出します。
それを調整室で管理していることが多いので、出勤したらすぐに運営系を生かします。
運営系があるとステージで今何をしているか、何が起こっているかをステージから離れた場所でもリアルタイムでわかります。
音響は、乗り込みと呼ばれる、外部から音響さんが来てオペレートすることもよくあります。
その時の乗り込みさんのケアも大切な仕事です。
参考:コンサートやライブの音響スタッフ・PAエンジニアになる方法
ホールは覚えることがいっぱい!?

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ホールや会館には常設なのでさまざまな装置などがあり、覚えることがたくさんあります。
区分
ホールは主催者がレンタルして使用するので、時間で区切られています。
多くのところでは、朝、昼、夜と3つに分かれています。
【例】
- 朝 9:00~12:00
- 昼 13:00~17:00
- 夜 18:00~22:00
というように分かれています。
その中で、朝のみや、朝~昼、昼~夜、朝~夜などの使い方をします。
地域によって言い方も違ってきますが、朝のみや昼のみのことを1区分や1ステージ、朝~昼、昼~夜を2区分or2ステージ、朝~夜を3区分or3ステージと言ったりもします。
尺貫法(しゃっかんほう)
舞台は尺貫法で寸法をいい表しています。
- 1間(けん)=6尺(1.82m)
- 1尺(しゃく)=10寸(30.3cm)
- 1寸(すん)=10分(3.03cm)
- 1分(ぶ)=10厘(0.303cm)
- 1厘(りん)(0.03cm)
舞台の名称
ホールにはさまざまな幕やバトンがあり、ひとつずつ名称があります。
以下は例図です。
簡易舞台平面図

(1)緞帳(どんちょう)(2)第1一文字幕(3)第1袖幕(4)第1ボーダーライト(5)第1サスペンションライト(6)第1吊物バトン(7)第2一文字幕(8)第2袖幕(9)第2ボーダーライト(10)第2サスペンションライト(11)第2吊物バトン(12)第3一文字幕(13)中割幕(14)第3サスペンションライト(15)第4一文字幕(16)スクリーン(17)第3袖幕(18)アッパーホリゾントライト(19)第3吊物バトン(20)第4吊物バトン(21)大黒幕(22)ホリゾント幕
図では分かりにくいですが、実際に見てみると吊ってあるものも違うのでわかると思います。
ホールも数多くあるので、場所によって得意分野もあったりするので、吊ってあるものも少しずつ違ってきます。
この図では反響版は省いて描いていますが、おおよそこのくらいの数はあると思います。
これらの幕やバトンは舞台袖にある操作盤で操作できる電動のものと、バトンに繋がっている綱を引いて手動で操作するものがあります。
この手動で操作する綱は舞台袖に1カ所に固めてあり、それを”綱元(つなもと)”といいます。
頭上だけでなく、足下にも迫りと呼ばれる舞台の一部を昇降させる機構、舞台の床下を指す奈落と舞台上のすべてのものに名称が付いています。
お仕事をする上での注意
舞台には照明器具や反響板など天井高くにさまざまなものが吊ってあったり、本番中は演出上舞台袖は基本的に暗く、多くの危険も潜んでいます。
ホールによっては、仕込み時にヘルメットの着用を義務付けているところもあります。
注意事項を4つにまとめてみました。
吊りもの、迫り昇降中は絶対に下を通らない
電動のものだと故障、手動のものでも手が滑ってしまったり、他にもワイヤーや綱が切れてしまったり、地震などによって、急に落下してくる可能性がありとても危険です。
吊りもの、迫り操作中、音響はサウンドチェックなど、スピーカーから音を出さない
もし上記のような危険が起こった場合、危険を知らせる声がスピーカーから出ている音にかき消されてしまう恐れがあるため、また、操作の指示などが聞こえづらくなり他のセクションの作業スピードに影響を与える恐れがあるためです。
搬入出など演出以外で迫りを使用する際1人ないし2人は必要
1人は迫りの操作を、もう1人は周りへの注意を行い、事故回避に努めます。
むやみに他のセクションの仕事に手を出さない。
自分の仕事だけを優先させない
各セクションともに、そのセクションのプロが集まって仕事をしているので、例えちょっとしたことでもむやみに手を出さないことは鉄則です。
よく知りもしないで手を出してケガしてしまったら元も子もありません。
2のように自分の仕事だけを優先させないのも鉄則です。
音響だけでなく、音響がサウンドチェックしている時の他のセクションもしかりです。
作業スピードに影響を与え、タイムスケジュールがズレてしまうだけでなく、ズレを修正しようと急いだ結果クオリティが下がってしまったり、さまざまな悪影響を及ぼす恐れがあります。
最後に
ホールでのお仕事について書きましたが、専門外なことも多く、注意事項など危険なことに重点を置いて書きました。
これはホールに限ったことではありません。
全てのセクションがホール以外の全ての仕事でも注意すべき大切なことです。
ホールに関しては、独特のしきたりや覚えることがあって慣れるまでは大変かもしれませんが、伝統芸能からお遊戯会まで、さまざまな催しがあったり、常に3セクションがいるので、専門外の知識も得ることができる仕事場だと思います。
ライタープロフィール
PA・音響
チェックワンえんちゃん
音響フリーランス女子。
専門学校卒業後に所属していた会社(フリーランス集団)が解散後、完全フリーとなり今に至る。
生き抜くために奔走中!