ビートルズの歌詞に隠された秘密とは?
ビートルズの楽曲は、当時それまでの音楽界の常識を打ち破る革新的なものでした。
歌詞、メロディー、コード、演奏、アレンジ、レコーディングなど、どれを取っても当時の人々が度肝を抜かれるような手法を駆使し、次々と世の中に送り出してきたのです。
この記事では、彼らのことをよく知らない方々を対象に書いているので、分かりやすい事実に絞ってお話ししたいと思います。
今回は、歌詞について解説したいと思います。
ビートルズの歌詞に隠された秘密
ここではあまり誰も取り上げない歌詞を取り上げてみましょう。
メロディーやコードならともかく、歌詞でそんな革新的なことができたのかと疑問に思われる方もあるかもしれません。
彼らの初期を代表する曲として「She Loves You(シー・ラブズ・ユー)」という名曲があります。
https://www.youtube.com/watch?v=T0YifXhm-Zc
これは、彼らにとって初のミリオンセラーとなった大ヒット曲です。
この曲のタイトルに注目してください。
日本語に訳すと「彼女は君を愛している」となります。
中学生でも分かる簡単な英語ですね。
「え?
このタイトルのどこが革新的なの?」と疑問に思われるかもしれません。
確かに、何の変哲もない言葉です。
しかし、ここに実は重大な秘密が隠されているのです。
それまでのラブソングは「君を愛してる」「私を愛して」といった内容のものがほとんどでした。
現代のアーティスト、例えばテイラー・スウィフト、アブリル・ラビーン、ジャスティン・ビーバーらが歌うラブソングの歌詞を思い出してみてください。
そのまんま当てはまります。
そこには、ほぼ「I」と「You」しか登場しません。
つまり、1人称と2人称なんです。
そりゃ、そうですよね、恋愛は2人だけの問題ですから。
そこでもう1度「シー・ラブズ・ユー」というタイトルに注目してください。
これはラブソングにもかかわらず、She=彼女という3人称が登場するんです。
つまり、どうしても主観的に語りがちな恋愛を第三者の目から客観的に見ているのです。
こんな歌詞はなかなか思い付きません。
現代ですらそうですから、当時の音楽関係者は度肝を抜かれたのではないでしょうか?
歌詞の大まかな意味は「君は彼女に振られたと勝手に思い込んでるみたいだけど、そんなことないよ。
彼女は君を愛してるって言ってるよ。
さあ、さっさと彼女に謝って仲直りしなよ」と友人を励ます内容です。
完全にそれまでのラブソングとは一線を画す内容です。
これは、シングルA面のヒットを狙った楽曲です。
アルバム収録曲なら冒険しても良いでしょうが、ヒットを狙った楽曲にこんな革新的な歌詞を持ってくるなんて、大胆としかいえません。
そしてもう1つ大事なことが。
この楽曲には「Yeah」という歌詞が何度も登場します。
「Yes」の砕けた表現ですが、当時は下層階級の人々が使う下品な表現だとされていました。
この楽曲はジョン・レノンとポール・マッカートニーの共作ですが、ポールが出来上がった曲を父親に聴かせたのです。
父親は曲自体は気に入ってくれたのですが「Yeahは下品だから、Yesに変えなさい」とアドバイスしました。
もちろん、ポールは無視しました。
ビートルズは、この曲で「イェー・イェー」とシャウトしまくったのです。
それが若者たちを熱狂させました。
もっとも、大人からは「イェー・イェー・ソング」と呼ばれ、顰蹙(ひんしゅく)を買いました。
でも、ポールがおとなしく父親のアドバイス通りに「Yes」にしていたら、あれ程の大ヒットはしなかったかもしれません。
今では世界中でこの言葉が使われるようになりました。
みなさんも仲間で集まって楽しいことがあった時に、普通に「イェー!」って言いながらピースサインをしたり、ハイタッチしたりしませんか?
そのキッカケを作ったのが他ならぬビートルズなのです。
ライタープロフィール
ビートルズの熱狂的ファン
和田晋司
大阪府出身 ビートルズのファン歴ウン十年。
色んなものに手を出しましたが、唯一続いている趣味がこれです。
ビートルズの語り部として彼らの偉大さを後世に伝えていきたいと思っています。
ビートルズを誰にでも分かりやすく解説するブログ