頂-ITADAKI-メインMC PJさんインタビュー
2017年6月3日、4日におこなわれた野外フェス、頂-ITADAKI-の第1回目からメインMCとして参加されているPJさんに、スタッフ、ダギリがインタビューをさせていただきました。
みんな主役なんで、そういう影のパワーの人たちの気持ちも背負ってやってますね
ダ:今回京都のスタジオラグのウェブマガジン「スタジオラグへおこしやす」の記事としてインタビューをさせていただくということになっております。
お時間作っていただき本当にありがとうございます。
P:よろしくお願いします。
ダ:まずはPJさんに関してですが。
10年間MCをしていただいているのですが、MCとして心がけていることとかこだわっていることとかございますか?
P:自分の個人的な気持ちとしてはMCで参加するなんて恐れ多い感じというか、恐縮するような感じで始まったんですけど。
MCでやって演奏をしない年はなくて、要はMCもそうなんけどレゲエコーナーで自分のバンドだったり、ジャマイカのアーティスト呼んでスペシャルバンドを組んだりっていう感じで参加させてもらってきたました。
音楽をプレイしててそれで誘われるように「MCもやんない?」みたいな感じで始まったんだよね。
10年も経つと免疫力も付いてきてなんか、自分なりに頂の思い入れみたいなのがすごく出てきて、まぁ出てきてもなんか大したMCはできないんだけど。
もちろん頂の音楽もそうなんだけど、頂ってやっぱ好きで出てるアーティスト以外のボランティアだったり、お店の出店だったり、核にするといろんなポジションがあって。
それが10年経ってわかるぐらい隅々までいろんなポジションが、こんなポジションもあったんだみたいな感じや発見があったりして。
そういうのを感じながら、そういう人たちにも伝えたい。
そういう人たちもいるんだよっていうのを、次の人に伝えたいみたいな気持ちが湧いてきてて。
今はなんかもちろんその、アーティストの延長でMCやってきたんだけど、なんか同じぐらいの感じでMCも自分の中でポジションとしてすごいある感じになってて。
そういう感じで参加させてもらってます。
なんか自分なりに見えない影の力持ちを紹介してみたいという気持ちがあって、みんなから廃油とかを集める人がいて、寄付してくれる人がいて、それをまとめる人がいて、その廃油を使って演奏する人がいて、みたいな。
みんな主役なんで、そういう影のパワーの人たちの気持ちも背負ってやってますね。
勝手にね。
みんなでやってる気持ちでMCとしてステージにあがる。
そういうチャンスがあるポジションなんで、それをやれるという代表として、言えることを言う、伝えられることを伝えて、感じることを感じさせたい、みたいな気持ちで自分なりにやっています。
どんだけシンプルに気持ちを伝えて、言葉で伝えきらなくても次の音につなげる
ダ:特にMCすることにあたって苦労することとか、苦労してるなってこととかありますか?
P:短い時間でそれを細かく説明すればキリがないぐらい、やっぱり影のポジションの人たちがいっぱいいるんだけど。
でもなんかなんていうのかな、頂のいい所って、MCでも頭から出てきて各バンドの前に必ずMCが入ってっていうのじゃないのがすごい素敵だなぁって思ってて。
なんかそうなると、ラジオっぽくなりすぎちゃったり、せっかくのバンドの流れとかを断ち切っちゃう、盛り上がりを切っちゃうっていう感じがあると思うんですね。
そういう風にはしたくないよねっていうのを僕とかアーティストの人たちとか、スタッフの意見も含めて話してて。
一応大まかにあの流れ的にはド頭と、真ん中と、キャンドルステージの前と。
それで最後に挨拶するっていう4つのツボみたいなのがあって、そこでどんだけシンプルに気持ちを伝えて、言葉で伝えきらなくても次の音につなげるみたいな、パイプみたいなもんですよね。
その役をどんだけできるかなみたいな感じで、自分なりに考えながらやらせてもらってるんですけど。
なんかこう、昔のロックフェスティバルみたいなMCとか入んないで、例えばバンドが終わって次のバンドがセッティングして、ジャカジャカ音鳴らしてバランスとってリハーサルして、じゃあいくよーみたいな。
そんな流れとかもやっぱ空気みたいな感じで、大事だと思ってて。
なんかMCでただ隙間を埋めるんじゃなくて、そういうバンドのチューニングとかセッティングの余韻っていうのかな。
その感覚みたいなのを壊さず味わいながら、ツボで大事なことを伝えられればなって思ってやってるんですけどね。
意味わかりますかね、言ってること(笑)。
ダ:大丈夫です、わかりますよ(笑)。
本当に音楽だけじゃなく色んな強者たちが集まってる
ダ:頂の特徴みたいなのがすごいあると思うんですけど。
特に他のフェスと違うって所とかどう思っていらっしゃいますか?
P:とにかく他のフェスっていうのは今は色々あるから一概には言えないんですけど、僕は参加したフェスの中では一番、なんていうのかな……。
音楽好きも音楽を知らない人も、音楽好きの親も、音楽好きのおじいちゃんおばあちゃんなんかも、来やすいイベントなんじゃないかなぁって思ってて。
んで、そういうイベントも他にあるのかもしれないし、俺が知らないだけかもしれないけど、なんかそれを社長含めスタッフが気遣って、そこをどんなジャンルの人が来てもそんな世代の人が来ても楽しめるように考えているイベントなんじゃないかなっていう風には感じてます。
ダ:そうですね。
空気感というか、そういうのはすごいありますよね。
お客さんの雰囲気とかも変わってくると思うんですけど、いろんなお客さんもいらっしゃいますし、特徴的なイベントっていうのもあるので、ステージ上から見るお客さんの違いというか、頂にくる人ってなんか違うなっていう、そういう雰囲気の違いってあったりしますか?
P:どうなんだろうね、とにかくなんていうのかな……、結構誰々が出るとこういう人たちが固まってそういうファンが集まって、そのライブが終わるといなくなって、次のバンドのファンが来るみたいな、なんかそういうイメージが他のイベントとか見てるとすごくあるんだけど。
なんかそうじゃない。
もちろん、誰々を目当てに来るみたいなきっかけがある中で、全体を遠くで見てようがご飯食べながら見てようが、友達と話しながら見てようが、真ん前で見てようが、全体で楽しめるお客さんが多いんじゃないかな?
やっぱり音だけじゃないっていう。
そこに来てる人たちが作ってる雰囲気を楽しんでるお客さんとか、それこそ出店のファンのお客さんとかがこの場に来て、年に一度のお店だって言って楽しんでくれたり。
本当に音楽だけじゃなく色んな強者たちが集まってる所で、お店にしても食事にしても。
その強者たちが集まってる中で、みんながそれぞれを認め合って、楽しんでる雰囲気がいいんじゃないかな。
他のイベントとはそういった骨格が違うんじゃないかな。
ハートを開いて全てを受け入れられる気持ちで来てくれるっていうのを一番願います
ダ:新しく来るお客さんに対してとか、頂についてわからない状態の方とかもいらっしゃると思うんですけども。
そういう方に向かって、頂のここは楽しんでほしいとか、こういう所を楽しんだら頂を楽しめるってことはありますかね?
P:んー、そうですねー。
やっぱり今言ったようなことで楽しんでもらえたらいいかなって思うんだけど。
それも説明が必要ないぐらいなんだけど。
頂に来て心を開く準備とか、あの場に足を運んでくれれば自然にそういう風になっていくイベントなんじゃないかな。
ダ:楽しむ気持ちさえあれば、楽しめる場所が転がっているという感じですね。
P:そうだね。
まず野外って空の下で圧迫感がないじゃない、クラブとかで見る感じと違って。
だから、その時点でやっぱり自分でチョイスできる幅があるんですよね。
例えば500人ぐらいの箱に行って、色んなバンドがでてたら窮屈だと思うんですけど。
スペース的に自分で場所・距離・楽しみ方を選べる中で、それを10回繰り返すことによって、そこがいいよねとか、そこを楽しもうよっていう人が増えてきているというか、土台ができてる感じがするから。
だからこそ心を開いて来てくれれば、きっと自然に自分の気持ちいい場所だったりタイミングを導かれる所へ導かれるというか、味わえる感じになっていると思うんで。
なんかうまく説明できないんだけど。
とにかく、やっぱりハートを開いて全てを受け入れられる気持ちで来てくれるっていうのを一番願います。
そういう気持ちで来てくれたら絶対楽しめるんじゃないかなぁって。
10回参加させてもらってそういう気がしてます。
そんなのも感じさせないぐらい最高のライブしたい
ダ:それでは少しだけ、アーティストとしてのことをお聞きしますね。
今年「DUBSENSEMANIA」の再開ということでのイベント参加になるわけですが、今回のその再開についての思い入れというかその辺はどうお考えでしょうか?
P:そうですね。
とにかく今日のライブでも話してたんですけど、11年ぶりの復活という感じで11年も経ってんのかって思うくらい、今年で頂が10周年で、頂が始まる1年前に休止してたのかーみたいな。
そう思わないくらい、頂ってどっから始まったのかなって話になっちゃうくらいなんだけど。
要は頂っていうのがあって、その前に浜石祭りってのがあってそこも含めてだし。
もっというと、その野外イベントをやる前にBONBON-BASHっていうライブハウスをみんなやってて。
そこで僕たち、メジャーデビューさせてもらった時とか、ツアー回る時とか静岡に来る時にBONBON-BASHっていう感じでやらしてもらってて。
すごい、そこで育てられたとこだったんで。
まぁ色々タイミング的にね、もっと続けてたらきっとそういう箱でやってて、BONBON-BASHもその箱もやめて野外でやろうみたいに進展していく中で、俺たちも続けてたらずっと1回目からやってたんだろうけど。
でもまあその前に休止することになって。
だから頂はそういう意味じゃ今回初めて「ダブセン」としては出るんだけど、でも初めてじゃないし。
頂が始まる前のルーツがあって、このイベントに繫がる前のBONBON-BASHの努力とか積み重ねがあっての今だと思うから。
そういう意味じゃなんかこう……ね。
まぁ僕はMCでずっと参加させてもらってるんだけど、初めてじゃない感じなのに「ダブセン」としては初めてということなんで、すごい不思議な気持ちなんだけどね。
初めてじゃない感覚で、初めて「ダブセン」として今年出させてもらう、ドキドキワクワクしている感じですね。
とういうか頂に出ようって復活したんじゃなくて、うちの場合は。
頂をやる前のBONBON-BASHのみんなが「ダブセン」を育ててくれて、いつか頂にも出てよってラブコール送ってくれてて、でもそれになかなか応えられなかったんだけど。
10周年にしてそれぞれの重い腰が小野さんにこのツボで感謝を届けにいこうよって。
この先俺たち続けていくのかわからないし。
それはともかく、今回は祝いに行こうよって気持ちで再結成させてもらって演らせてもらう感じで。
とにかく純粋に頂に出るし、11年ぶりにライブを演るっていう。
ドキドキワクワクさせてもらってるって感じですね。
きっと来る人は多分「ダブセン」を知らない人が多いし、BONBON-BASHの人が呼んでくれたとか結構内々な感じもあると思うんで。
来てるお客さんからしたらそんなの知らないし関係ないと思うから、そんなのも感じさせないぐらい最高のライブしたいとは思ってるんですけどね。
ダ:それでは今回の再結成にあたり、DUBSENSEMANIAのこんな所を見て欲しいとか、新しくなった所とかこうゆう所に注目して欲しいみたいな所はありますか?
P:特にこう新曲を作って演るわけではなくて、ここが新しくなったんだよねーとかっていう企画はないんですよね、ぶっちゃけ。
だけどなんか曲ってやっぱり生きてるし、CDでもそうだし。
いい感じに盛り上げたいなとは思ってます。
ポジティブにバイブスを発信できればなって思ってます
それでは最後になりますが、MCとしても意気込みとアーティストとしての意気込みなどをお聞きしてもよろしいでしょうか
P:そうですねー。
とにかく思い出とか振り返れば色々あるんですけど、この先も今までに感じたことのない頂というか、バイブスを感じたい探したいって感じでやりたいから。
とにかくそれを探しに行く感じで楽しもうかなって思ってます。
それはMCでもライブでもどっちでも思ってます。
さっきも言ったんだけど、アーティストの延長でMCも頼まれてやってるような気持ちがあるんだけど、10年やっていく中でMCの額みたいなのができてきてて。
どっちでもポジティブにバイブスを発信できればなって思ってます。
ダ:色々深いところまでお話いただいてありがとうございます。
P:いえ、本当にちゃんと答えられてるかわかりませんけど。
ダ:いえいえとんでもないです。
貴重なお話をたくさん聞けたと思っています。
お忙しい所、お時間を作っていただき、今回は本当にありがとうございました。
当日、MCも演奏も楽しみにしています。