【ランク別】オーディオインターフェイスの選び方。おすすめ機種
パソコンを使った音楽制作(DTM)やライブでは必須なオーディオインターフェイス。
ものによってはピュアオーディオファンにも愛用されているようなものもあります。
今回はそんなオーディオインターフェイスを値段帯別、手にするべき人やランク別に分けてご紹介します。
ランク1:入門向け(~3万円)
リーズナブルな価格で入門向け、手軽な持ち運び用、および手軽なサブオーディオインターフェイスにオススメな製品群です。
Steinberg|UR22mkⅡ(接続方式:USB)
とにかく安い、1万円くらいです。
まともなオーディオインターフェイスの最安商品ではないかと思います。
オーディオインターフェイスはわりと値段に機能が比例しますので、あくまで1万と考えておいた方が良いです。
こちらは新型のMK2も発売されており、こちらは次のQUAD CAPTUREと性能が肉薄しています。
Roland|Rubix22(接続方式:USB)
上記のUR22と並んで2大入門向けオーディオインターフェイス。
Rubix22は安定性もありますし、バスパワー駆動もしますので、サブオーディオインターフェイスや持ち運び、ライブ用オーディオインターフェイスにもオススメできます。
長い間使えるかと思いますし、最初に手にする入門オーディオインターフェイスは個人的にはこちらをオススメします。
歌ってみたをしている方の定番モデルかもしれませんね。
番外編:Apogee|ONE for Mac(接続方式:USB)
3万少し超えるのですが持ち運び用のオーディオインターフェイスにオススメの製品。
最近、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデューサーでも有名な中田ヤスタカはメインのDTMシステムをMacbook Proに変更し、さらに持ち運び用にはこのApogee ONEを使用するようにされています。
中田ヤスタカさんいわく、コレ自体が簡易的なマイクになるようなので出先でデモ用に簡単に録ったりと重宝するようです。
あくまで持ち運び用と割り切った方が良さそうです。
次世代編:M-AUDIO|M-TRACK 2×2(接続方式:USB type-C、Thunderbolt3)
Macbookユーザーなら、誰もが頭を抱える、接続方式。
最新のMacには従来のUSB端子がありません……。
アダプターを使い、プラグを変換?
そうした場合、音質劣化はどうなるの?
1万円前後でその悩みを解決する製品がリリースされています。
USB type-C(Thunderbolt3)接続に対応した機種です。
何といっても、一番の驚きはその値段ですね。
音質は可もなく不可もなく、しかしこの値段にしては素晴らしいパフォーマンスだと思います。
初心者の方で、type-C接続で頭を悩まされている方は、ぜひご検討ください。
ランク2:中級者用~コンパクトなサブ用(6万前後~10万)
この価格帯になると、手軽かつ本格的な制作をしている方が買っている印象です。
あとハーフサイズが中心なので、本格的かつコンパクトなシステム構築や、ライブでパソコンを使って高品質な音を出したいという方にオススメ。
Apogee|Duet for iPad and Mac(接続方式:USB)
プロも愛用しているApogee製オーディオインターフェイス。
6万くらいの価格、スタイリッシュで見た目もかっこいいです。
コンパクトバスパワー駆動もするので、ライブでMacbookと合わせて使用するにもかなり使えます。
わたくしも一時期使っていました。
少し不満があるとすれば、Duetに関して入出力がタコ足のようになっているのですが、少し汚くなりやすいところ。
あとはミキサー機能のMaestro 2が少し使いにくい……。
レコーディングのモニターの返しにコンプやリバーブを掛けたりも(Apogeeのミキサー機能では)できませんので、そこが許容できるかがApogeeを使うかのポイントになってくるかと思います。
音に関しては全く申し分なしで最高です。
RME|Babyface Pro(接続方式:USB)
Apogeeと並んでRMEはプロも愛用されている2大トップ。
全く味付けのないモニターサウンドは、ピュアな音を求めるオーディオファンにもかなり人気でオススメです。
MOTU|UltraLite mk3 Hybrid(接続方式:USB、FireWire)
以前はMOTUのオーディオインターフェイスをよく耳にしていましたが……。
最近あまり耳にしません。
見た目も各社どんどんスタイリッシュになっているところ、少し足踏みしている印象があるのですがその辺はどうなのでしょうかね?
Roland|OCTA CAPTURE(接続方式:USB)
ドラマーに超絶オススメなオーディオインターフェイス
品質も良く、ドラム録りに必要な8個のマイクプリが載っていて5万前後という値段の製品は他にはありません。
QUAD CAPTUREなど、大人気のシリーズなので安心感がありますね。
なんと言っても本機のイチオシポイントはオート・センス機能。
事前に演奏を流しておくと各チャンネルが自動的に最適な音量のレベルに設定してくれます。
ドラム録りだとかチャンネル数が多くなるとこの辺りの設定などが大変になってきますので、こういう機能はかなり捗りそうですね。
スタジオで生録りする場合なんかでも時間は限られていますし。
ランク3:中級~上級者向け(10万~15万前後)
この価格帯になると、普通に雑誌とかでもプロの機材の中に見る事ができますし、本格的な製作をしている個人の機材の中でも頻繁に見かけます。
ハーフラックサイズの一番上位です。
あくまでコンパクトなハーフラックサイズなので、入出力など、その辺が問題なければといった感じです。
Universal Audio|Apollo Twin MkⅡ(接続方式:USB type-C、Thunderbolt3)
人気のUniversal Audio製オーディオインターフェイスApollo Twin MkII。
なんといってもUAD-2と合わさった製品なので、プラグインの中で最も評判の高いUAプラグインを使用できるだけでなく、レコーディングではUAプラグインで掛け録りをおこなうことができるので、高価で場所を取る実機のコンプやプリアンプなどを購入する必要がありません。
こちらの製品は接続対応の製品です。
これまでのUSB接続やFireWire接続と比べ、理論上、何倍か高速でデータを転送することができます。
それは高音質に繋がるということです。
あの中田ヤスタカもメインのシステムをMacbook Pro + Apollo Twinに変更しており、一時期話題になりました。
モニターの音がモニターライクではなく、少し味付けがあるという意見もありますが、レコーディングを多用する方(ドラム以外)には特にオススメできます。
中田ヤスタカさんはNEUMANN U87aiのマイクをそのままApollo Twinにつなぎ、UAプラグインのNEVE 1073プリアンプや1176コンプを使用しボーカル録りを行っているようです。
Apogee|Quartet(接続方式:USB)
Apogee Duetとラックタイプの中間のような形状の本機。
ハーフラックサイズでApogeeを狙っている場合はQuartetが良いかと思います。
RME|Fireface UCX(接続方式:USB、FireWire)
14万くらいの価格です。
わたくしも愛用していますが、このオーディオインターフェイスはプロアマを問わず、本当に使用している方が多いです。
RMEのインターフェイスは堅牢な設計、絶対的な安定性、全く味付けのないモニターサウンド、使いやすく高機能なミキサー機能(Totalmix)と、かなりオススメの機能が詰まった製品です。
入出力数とヘッドホンアウト数(1つ)が問題なければ、何も不満の出てこない製品になるかと思います。
(結構熱くなる事を除けば)
ランク4:中級~コンポーザー~上級者(20万以上)
ここからはハーフラックサイズではなく、通常のラックサイズのオーディオインターフェイスになってきます。
Universal Audio|Apollo8(接続方式:USB type-C、Thunderbolt3)
上記のTwinでご紹介したApolloのメインオーディオインターフェイス。
こちらの製品は購入特典としてプラグインを1つもらえるというサービスをしばしば行っていますので、Neve 1073のプリアンプ辺りをゲットすればレコーディングには何の不足も無くなるかと思います。
(購入時には1176コンプなどいくつかのプラグインがすでにバンドルされています)
https://twitter.com/akajin_nakajin/status/716560611522387968
Apollo 8はミュージシャンだけでなく、最近ではデカいライブのPAに高価なレコーディング機材のモデリングをリアルタイムに動かしていくといった用途でも使われ始めているようですね。
ちなみに8点のドラム録りをしたい場合は、プリアンプ追加かApollo 8pモデルを購入する必要あり。
RME|Fireface UFX(接続方式:USB、FireWire)
RMEはやはり絶対的な安心があります。
わたくしも諸事情で1Uラックサイズのオーディオインターフェイスが欲しいのですが、このUFXかUA Apollo 8のどちらかで悩んでいます。
ただ最近レコーディング用に実機のアウトボード機材を購入しましたので、今はUFXが個人的に優勢です。
UCXとは公式では入出力の数の違いだけという事ですが、ハーフラックのUCXなどと比べて、音もこちらの方がバランスも含めて良いみたいですね。
サイズは他の1Uラックサイズのオーディオインターフェイスに比べて奥行きなどコンパクトで軽量。
8点のドラム録りをしたい場合は別途追加のプリアンプなどを追加する必要あり。
Apogee|Ensemble(接続方式:Thunderbolt2)
RMEと並んで、本当にプロでも愛用者が多いです。
モニターの音に関しては、味付け無 RME > Apogee > Apollo 味付け有といった感じのようですね。
音は最高に良いのですが、Apogeeはミキサーソフト(Maestro 2)が少し弱いので、その辺を許容できるかが購入のポイントになってくるかとは思います。
こちらは単体で8つのプリアンプが搭載されていますので、そのまま8点のドラム録りも可能。
最後に
これ以上のランクのオーディオインターフェイスになってくると大規模なスタジオ向けになってきたりと、大抵購入されるモデルはここら辺りまでかと思います。
このような機材は楽器と違い、希少価値の高い素材を使う芸術的なものではありませんので、より値段と機能が比例し、値段が高いものはそれだけの理由があります。
入門オーディオインターフェイスをお探しの方や、機材のランクアップを考えている方はぜひ、ご参考にされてください。