【高齢者向け】7月の俳句。夏らしい季語を用いたうつくしい俳句集
7月といえば、七夕や盆踊り、天の川など夏ならではの風物詩が目に浮かびますよね。
俳句にはそうした季語とともに、暑さの中にふと感じる風の涼しさや、夜空を見上げたときの感動がみずみずしく詠まれています。
今回は7月にぴったりの有名な俳句をご紹介します。
情景がすっと浮かんでくるような句ばかりで、読むだけで夏の空気を味わえますよ。
お気に入りの一句や季語を見つけて、ご自身の思い出とともに一句詠んでみてはいかがでしょうか。
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【高齢者向け】7月の俳句。夏らしい季語を用いたうつくしい俳句集(11〜20)
紅くして 黒き晩夏の 日が沈む山口誓子
山口誓子は昭和を代表する俳人で、都会的で知的な視点を持ち、自然の一瞬を切り取るのが特徴です。
また、従来の俳句の枠にとらわれず、映画理論を取り入れた連作俳句を試みるなど、革新的な表現を追い求めた人物です。
この句は、沈みゆく太陽が赤く輝きながら、次第に濃い闇へと溶けこんでいく様子を表現しています。
晩夏は夏の終わりを意味する季語であり、夏の名残を惜しむ情感が込められています。
単なる夕焼けの美しさではなく、時間の流れと季節の移り変わりを鋭くとらえた一句です。
白玉の 雫を切って 盛りにけり日野草城
この句は「白玉を洗った水を切って、お皿に盛りつける」といった、シンプルな内容です。
白玉の雫とは、ゆでた白玉を冷水にさらした後に残る水滴のことを指しています。
つるんとした質感を持ち、みずみずしく輝いている水滴を「切って」とあるのは、余分な水分を落とし、美しく盛り付ける動作を表現しています。
俳句という短い言葉から、ひんやりとした白玉の感触、光を反射する水滴の美しさ、それを器に盛ることで生まれる涼しげな夏の風情が伝わってくるようですね。
暑き日を 海にいれたり 最上川松尾芭蕉
俳句といえば松尾芭蕉の名前がまず上がりますよね。
「夏草や兵どもが夢の後」「閑さや岩にしみいる蝉の声」はみなさんご存じの通りの名句。
この句も「五月雨を集めて早し最上川」と並んで有名な一句です。
夏の暑い日差しをたくさん含んだ川の水がごうごうと海へと流れていく様子を詠んだもの。
「~のようだ」のような直喩を使わないまま「日を海に入れる」と詠んだところがこの句のすごさだと思うのですが、あなたはどのように鑑賞しましたか?
荒海や 佐渡に横とう 天の川松尾芭蕉
この句は松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の途中、新潟県の出雲崎で詠んだ句とされています。
日本海の荒々しい波や、佐渡島の上空に広がる天の川の壮大な景色を描いた内容になっています。
佐渡島はかつて流刑地とされ、多くの歴史上の人物が流された場所です。
この島を見ながら、芭蕉は歴史や流された人々について思いをはせたのかもしれませんね。
芭蕉が旅の中で感じた自然の美しさや荒々しさと、人間の歴史が交差する情景が見事に表現された句です。
涼しさの 腹にとほりて 秋ちかし正岡子規
正岡子規は、明治時代に活躍し、近代俳句と近代短歌の父と呼ばれるほどの革新をもたらした重要人物です。
この句の意味は「涼しさが、肌の表面だけでなく、おなか中にまでしみとおってくるほどだ。
もう、秋が近いのだな」という内容です。
空気の変化を体で感じるという表現や、季節の変わり目といった微妙な時期を見いだす感性、ありのまま、見たままのもの、感じたものをそのまま詠むといった、体の感覚と季節の変化をうまく結びつけた句として、正岡子規の写実的な作風が良く表れています。



