【高齢者向け】7月の俳句。夏らしい季語を用いたうつくしい俳句集
7月といえば、七夕や盆踊り、天の川など夏ならではの風物詩が目に浮かびますよね。
俳句にはそうした季語とともに、暑さの中にふと感じる風の涼しさや、夜空を見上げたときの感動がみずみずしく詠まれています。
今回は7月にぴったりの有名な俳句をご紹介します。
情景がすっと浮かんでくるような句ばかりで、読むだけで夏の空気を味わえますよ。
お気に入りの一句や季語を見つけて、ご自身の思い出とともに一句詠んでみてはいかがでしょうか。
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【高齢者向け】7月の俳句。夏らしい季語を用いたうつくしい俳句集(11〜20)
うつくしや 障子の穴の 天の川小林一茶
この句は小林一茶が病床に伏していた七夕の夜に詠んだ句とされています。
自由に外を歩き回ることができなくなった一茶は、ある夜にふと障子の破れた穴から夜空を見上げると、そこには天の川が輝いていました。
障子の穴から見える天の川の美しさに感動したという一茶の姿と、障子の穴という限られた視界から広がる壮大な天の川の対比が、句の魅力を引き立てていますね。
これは、一茶が病に苦しみながらも、わずかな隙間から広い世界の美しさを感じとろうとする姿勢の表れともいえるでしょう。
さらさらと 白雲わたる 芭蕉かな正岡子規
風にそよぐ芭蕉の葉と、軽やかに空を流れるような白い雲の様子を詠んだ句で、のどかな昼下がりの風景が目に浮かびます。
雲は形を変えながら空を移動し、やがて視界から消えていく。
その様子は美しくもはかないものの象徴とも言えます。
こうした時間の流れも感じさせる表現により、子規が見たであろう瞬間的な美しさとともに、時の移り変わりが感じられます。
写真のような風景だけでなく、連続した、流れ時間や移り変わることに着目することで、また違った味わい方を教えてくれる句です。
朝顔の 紺の彼方の 月日かな石田波郷
石田波郷は、昭和を代表する俳人の1人で、人間探求派として知られています。
この句の中にある「紺の彼方」とは、朝顔の色の向こう側という意味ではなく、朝顔の深い青色を眺めていると、その奥に広がる空や過ぎ去った時間が思い浮かぶ、そんな気持ちを表しています。
「月日かな」は時間の流れに対する思いを込めた言葉であり、朝顔を見つめながら「自分もこんな風に時間の中で生きているんだな」と感じる瞬間を表したものです。
戦争の影響を受けた当時、波郷は朝顔の紺色に触発され、過去の思い出と未来への期待を重ね合わせたのかもしれませんね。
時代を考慮することで、また違った味わい方ができますね。
てのひらを かへさばすすむ 踊かな阿波野青畝
夏といえば盆踊り。
旧暦、新暦、どちらの時期にでもマッチするのだから味わい深い行事ですよね。
しずしずと進む踊りの輪、ぱっとてのひらが返ったところから踊りが華やぎだす。
浴衣を着ている小さな子供たちの姿まで目に浮かびます。
足の運び、てのひらの返しにまで視線がいく、クローズアップもまさに俳句の楽しさです。
この句の作者、阿波野青畝さんはその共通のイニシャルから、山口誓子さん、高野素十さん、水原秋桜子さんらとともに「ホトトギスの四S」といわれた存在。
高浜虚子さんに師事しました。
うつし世に 妻はきよけし 夏の月原石鼎
原石鼎は、島根県出身で、明治から昭和にかけて活躍した俳人です。
この句は、夏の月の明るさと、妻の清らかさを重ね合わせた作品です。
「うつし世に」は現世においてという意味を持ち、「妻はきよけし」は、妻は清らかで美しいという意味です。
「夏の月」は季語であり、澄んだ夜空に輝く月の美しさを象徴しています。
石鼎は、自然の美しさと人間の情感を繊細に描く俳人でした。
この句では、妻への深い愛情と、夏の月の静かな輝きが調和しており、穏やかで優しい情景が広がります。



