宅録とプロの録音では、いったいどんな違いがあるのでしょうか。
自分の作品とプロの音源を聴き比べて、圧倒的なクオリティの差に愕然とする。
ギターの自宅録音をする人であれば誰もが一度は突き当たる壁ではないでしょうか。
どうしてここまでクオリティに差がつくのか。
今回はギターの自宅録音をレベルアップするために、気をつけたいポイントをまとめてみました。
いずれも少しの工夫や気づきで改善できるものばかりなので、ぜひ意識してみてください。
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宅録とプロの録音の違いとは
上質な録音機材や、エンジニアの腕といった要素はもちろん大きいでしょう。
しかし、実はもっと基本的な部分が原因で、自分の楽曲がアマチュアっぽいサウンドに聞こえてしまっているのかもしれません。
それは、
- ピッチ(音程)が不安定になっていないか
- ノイズが大きくないか
といった、言葉にしてしまえばとても簡単なこと。
「なにを今さらそんな当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、意外にもこれらが本当にしっかりとできている音源はあまり多くないように思います。
それではここから順番にご説明していきます。
ピッチを正確に
プロの音源と比べて、自分の作品がなんとなく素人臭く感じてしまう。
それは、ギターのピッチ(音程)が甘いことが原因かもしれません。
普段の演奏では全く気にならないような音程のズレでも、録音となると大きな違和感を生んでしまうことは少なくありません。
特に、正確無比(せいかくむひ)な音程を刻むソフトシンセや、カラオケと合わせている場合はより顕著でしょう。
皆さん、もちろんギターを録音する前はいつも以上に気合を入れてチューニングされていると思います。
しかしギターというのはもともと、かなりピッチの甘い楽器。
チョーキングしているうちに弦が伸びて音程が下がってしまうこともあれば、開放弦でぴっちり合わせたはずが、特定のフレットだけ音がシャープしている、なんてことも。
ギターソロなど、大事なキメの部分でピッチの甘さが目立つと、どんなに曲が良くてもすべて台なしになってしまう場合もあります。
一度チューナーを付けていろんなフレットを弾いてみて、どれだけピッチがズレているかチェックしてみましょう。
ニュアンスはうまく録れたけれど、音程が甘いかな?
という場合は、プラグインによる音程補正をおこなうのも良いでしょう。
もちろん機械のように完璧な音程にする必要はありませんが、「ギターはちょっとくらい音がズレてるほうが生っぽい」なんて逃げ腰にはならないようにしましょう。
ノイズを防ぐ
録音したトラックを確認していると、「サー」「ジー」というノイズが気になることがあると思います。
無音時などハッキリと聴き取れる箇所は、波形をカットしてしまえば問題ありませんが、こういったノイズは音が鳴っている間も常に乗っているもの。
トラック数が増えれば増えるほど小さなノイズが積み重なって、最終的には音抜けや分離の悪さにつながってしまいます。
実はこのノイズこそ、自宅録音とスタジオレコーディングの間にある、最も大きな差かもしれません。
一口にノイズといっても、電源から来るもの、機器の干渉によるものなど、さまざまな種類があります。
全てのノイズをなくそうとすると非常に厳しいですが、簡単に防げるノイズであれば対策していきたいですね。
例えば、宅録ではパソコンの前に座って演奏することが多いと思いますが、一度パソコン本体やモニターからギターを遠ざけたり近づけたりしてみましょう。
多くの場合は「ジー」っというノイズが増減すると思います。
特にデスクトップパソコンの場合は、電源装置の磁気によって大きなノイズが出ていることが多く、たったこれだけで曲全体の抜けを大きく向上できる場合もあります。
他にも電源アダプターや蛍光灯など、自宅録音は常にノイズの原因になるもので囲まれています。
一度ギターを持って部屋中を動き回り、いろんなノイズをチェックしてみましょう。
音作りを先延ばさない
近年のDTM界は、録音時になるべくエフェクトを通さず、ミックス時に処理する「後がけ」が主流になっていると思います。
ディレイやリバーブなどの空間系エフェクターはもとより、最近ではリアンプという手法が普及したためか、アンプ(シミュレーション)すらも後がけにしてしまう場合も多いようですね。
しかし、後でどうとでもできるからといって、あまり「音作りの先延ばし」をしていると、最終的に個性や面白みのないサウンドになってしまうことが多いように感じます。
なんとなくで録音されたトラックは、なんとなく処理され、なんとなく仕上げられていきます。
録音の段階でサウンドをイメージできなかったトラックは、最後まで明確な音作りが決まらずに終わってしまうことがほとんどです。
また、最近のプラグインは確かに高性能、高解像度ですが、サウンドの厚みや個性・キャラクターという点ではまだまだハードウェアのほうが優秀です。
特にアンプのセッティングは演奏のニュアンスにも影響するので、演奏時に決めておくべきですし、せっかくこだわりのコンパクトエフェクターがあるのなら、どんどん掛け録りしてみるのも良いでしょう。
変な音で録音されてしてしまったことは、誰にでも失敗だとはっきりわかりますが、「音作りの先延ばし」をした結果、つまらない音になってしまった事が失敗だと認知されることはほとんどありません。
やり直しが利かないからこそ、仕上がりを見越した音作りをできるようになりたいですね。
まとめ
今回は自宅録音のクオリティを上げるために注意したいポイントについてお話ししました。
- ピッチを正確に
- 可能な限りノイズを防ぐ
- 音作りを先延ばさない
宅録のレベルアップというとどうしても、プラグインの使い方など、ミックス時の処理ばかりに目が行きがちですが、本当に楽曲のクオリティを決まるのはやはり録音です。
決して「ミックスでなんとかしよう……」なんて考えず、録音したそのままの音でも十分に曲として成立するくらい、完成度の高いサウンドが録れるように意識していきましょう。