普通の8ビートのリズム1つとっても、一番たくさん叩くのはハイハットなわけです。
「ズッタン・ズズタン」という1小節で考えると、バスドラム3回、スネア2回に対して、ハイハットは8回なわけです。
今回のメインテーマはロック・ポップス系のドラムでリズムを打ち出すもの……そう「ハイハット」です。
(ちなみにジャズドラムだとライドシンバルですね)
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打ち込みドラムをヒントにハイハットについて考える

http://o-dan.net/ja/
のっけから少々蛇足で恐縮ですが、近年は「生ドラムを想定した打ち込みのドラム」、つまり「本当は生身の人間が叩いたテイクを使いたいけど、予算や準備の都合で打ち込みにしたドラム」のテクノロジーも日進月歩で向上してきました。
(TVやDVDなどの映像コンテンツに使われるBGMのドラムも耳をこらして聴いてみると結構あります)
そしてモノによっては楽器をやっている人でさえも何気なくぼんやりと聴いていると「これはどっちだ?」というレベルまで近づいてきたことはまぎれもない事実でしょう。
(実際、楽器をやってない人はだませるレベルだと思います。
ドラマーはだませませんけどね…)
ということで、「ライブはさすがに生身のドラマーが必要だけど、レコーディングはもう生身の人間はいらないんじゃないか?」問題が、だいたい10年位?
前からドラマーの間で議論されるようになり……私も常にこの問題について考えてきました。
しかし、まぁ考え抜いたその結果が「じゃぁレコーディングは打ち込みでいいじゃん」て結論になったら元も子もないわけなので、「人間が叩く良さって何だろう?」ということですね。
人間が叩く良さ=ハイハットの叩き方
もちろんその要因はいろいろと複雑に絡み合っていているのは百も承知で今回言い切ってしまならば
「人間が叩く良さ」=「ハイハットの叩き方」
だと私は思います。
これに関して細かく考えていきたいのですが、アコースティックなジャズドラムと違ってロックやポップス系は少なからずドラムの音をレコーディングした後に「加工」します。
皆さんもドラムを始めて間もないころは、自分でドラムを叩いてみて「あれ、CDの音と違うぞ?」と思ったことはあるのではないでしょうか。
つまり「加工」されるとどうなるか、というとバスドラムやスネアの音は音量・質感ともにある程度毎回同じになります。
そして、バスドラムやスネアドラムに関しては、ロックやポップスでは演奏の時点である程度安定して同じ音を出せる演奏が良い演奏とされることが多いように思います。
しかしハイハットだけはちょっと事情が違ってきます。
というのも、人間が叩いたハイハットをすべて同じ音に加工すると妙に暑苦しい感じになります。
ただしDJの様に1人ですべてのオケを完成させるような人たちはそれぞれの方法論があると思うので、ここではあくまでオーソドックスな話です。
それなので、ハイハットはいくら録音後に加工するといえども、結構その人の叩いた感じがそのまま残ります。
つまり、これを逆に考えると何が言えるか?
というと……
「人間らしいハイハットのニュアンスは打ち込みで再現するのが難しい」
ということなのではないかと思います。
そしてここに「人間がドラムを叩く良さ」が残っているのではないかと思います。
なので、ロックやポップス系のドラムで目指すべきところは
「スネア、バスドラムは安定して同じ音を出し、ハイハットは表現力たっぷりに」
といった感じではないでしょうか。
もちろん、ここまで言い切れるほど簡単な話ではないのですが、今回はハイハットをテーマに書いているのでご了承を。
というわけで、「ハイハット」の大切さをひとしきり書いたところで、次は「実際どうしていくか?」について考えていきたいと思います。
セッティングのコツ
これも人それぞれなわけですが、一応万人向けということで書いていきます。
まず高さですが、(右利きならば)ハイハットの上に右手の手のひらをべたっと置いて、自分の上半身の重さがうまく乗せられそうな高さが良いかと。
そして、下側のハイハットの裏側には小さいねじがついておりますが、これもいろいろな締め具合で試してみてください(ハイハットオープンの音が変わります!
)。
さらに、一番大切なのは、「上側のハイハットを占め過ぎないこと」ですね。
これはシンバルのセッティングにも共通するのですが、ある程度「遊び」がないとハイハットでいろいろな表現ができなくなります。
しかし、上側のハイハットを占め過ぎないと演奏中にネジがよく外れて、左足で開閉ができなくなります。
リハーサル中なら笑ってごまかせても本番でこれが起きると悲劇です。
なので、上側のハイハットをしめるネジの「裏面」はキッチリと閉めなくてはダメなわけです。
ハイハットをどのくらい閉じるべきか?
奏法に関していえば、かなり重要な要素な1つが「ハイハットの開き具合」だと思います。
つまりは「うまい人はハイハットの音の使い方がうまい」ということですね。
で、よくもったいないなと思うのが、「ハイハットを開き過ぎてノイズになっている」場合がYouTubeなどみていて見受けられます。
確かにラウド系の曲のハイハットって刻むときにハーフオープン(半分くらい開いた状態)でやることが多いのですが、ちゃんと一打一打の音が途切れるような開き具合にしないと、「シャーシャーシャー……」というノイズになってしまいます。
そのうえ、ゴリゴリに歪んだギターと一緒に鳴らしたら「音の輪郭のぼやけたノイズ」状態になってしまいます。
かといって左足を踏ん張ってハイハットを閉じすぎると「バフッ」という音がするのです。
つまりハイハットは音の減衰の長さ(サスティーンともいいますね。
要するに音が鳴って消えるまでの時間です)がドラムセットの中では最も自由にコントロールできる楽器なので、結構、ドラムの良し悪しが決まる大事な要素といえます。
それなので自分が演奏する曲は「どのくらいのハイハットの音の長さが曲に合うのか?」を常に考えてみるとグッと表現力が豊かになるのではないかと思います。
これは1曲の中でも、Aメロ、Bメロ、サビ…という部分でも使い分けられます。
曲出しのカウントの大切さ
とはいえ、以上の文面だけでは読者の方には「実際どこから考えていけばいいのやら…」という印象を与えてしまったかもしれません。
そこで最後に1つ実用的なお話を。
それは「曲出しのカウント」です(つまりド頭のカウント)。
私の個人ブログでも書いていますが、「カウント」ってとても大事です。
にわかに信じがたいかもしれませんが、「カウント」にはそのドラマーの技量やらエッセンスが知らず識らずのうちに表れていたりすると思います。
なので、ハイハットでカウントをするときに「その曲(の出だし)にベストなハイハットの音の長さ」についてあれこれ試してみると良いと思います。
その癖がつくと、曲中でも同じことを探り出すと思うので。
最後に
というわけで、ハイハットって結構大切な要素だったということがお分かりいただけたでしょうか。
実はハイハットに関してはまだいろんなお話があるのですが、今回はキリが良いのでこの辺で。
ではでは。
ライタープロフィール
ドラマー
Hazime
ドラム歴20年。
プログレッシヴ・ロックバンドのドラマーやってます。
「セレクトーン」という音楽教室にてドラム講師もやっております。
物理学や心理学をからめてドラムの楽しさを広めていくことをモットーとしています。
ウェブサイト:http://www.drum-lesson.net