オーケストラで演奏される楽器一覧。種類別に紹介
オーケストラの演奏って実際に聴きにいったことがありますか?
きっと音源を耳にしたことがある方は多いと思うのですが、実際にホールで演奏を聴いたことがある方は多くはないかもしれません。
しかし、きっと誰しもオーケストラの演奏の映像は観たことがあるのではないでしょうか?
たくさんの弦楽器や管楽器が並んでいて圧巻ですよね。
そこでこの記事では、オーケストラで演奏されている楽器を一挙に紹介していきますね!
弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器、その他の編入楽器と各セクションに分けて紹介いたしますので、詳細を知りたい楽器があればぜひじっくりとご覧ください。
弦楽器(1〜10)
バイオリン

オーケストラの楽器と言われて多くの方が最初にイメージするであろう弦楽器。
バイオリン属に分類される弦楽器の中でもっとも高音域を出せる楽器で、その音色はクラシックのみならずロックやポップスなどのポピュラーミュージックでも耳にすることが増えてきましたよね。
独特の姿勢から弓を使って弾く優雅な姿は、まさにクラシックそのものと感じている方も多いのではないでしょうか。
繊細かつ透明感のある音色が心地いい、誰もが憧れる歴史ある楽器です。
チェロ

宮沢賢治の作品『セロ弾きのゴーシュ』でもおなじみのチェロはクラシックの中でも重要な楽器のひとつです。
オーケストラでの合奏にはなくてはならない弦楽器で、弦楽四重奏などの重奏の中では低音部を担当しています。
ポップスやロックなどで用いられることもあり、注目すべき楽器だと思います!
座って演奏することが多く大きな楽器なのでオーケストラでも目が行きがちですよね。
大きいながらも繊細な音色が美しいので、ぜひパッヘルベルの『カノン チェロ4重奏』を聴いてみてくださいね!
コントラバス

大型の弦楽器コントラバスはオーケストラでもインパクト大なので、見たことがある方も多いと思います。
4~5本の弦を持つ楽器でバスやベースと呼ばれることもあります。
ウッドベースとも呼ばれており、フォークミュージックやカントリーなどで用いられることも多い楽器ですよね!
太くて低い音が特徴的で、チェロの最も低い音よりも1オクターブ低い音まで奏でられるそうです。
サン・サーンス作曲の『動物の謝肉祭より 象』などコントラバスが主体の楽曲もありますので、ぜひ気になった方はその深い音色に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
ビオラ

バイオリンよりも少し大きめで低めの音色を特徴とする弦楽器がビオラです。
バイオリンに比べ音域を5度下げているため、低音を出す必要があり大きく厚めのある構造になっています。
弦はバイオリンよりも長く太い一方、弓は一般的に少し短く重くなります。
ブラームスの『ビオラ・ソナタ第1番・第2番』やシューマンの『おとぎの絵本』などビオラが活躍する楽曲も多いので、気になった方はぜひ美しいビオラの音色を堪能してみてくださいね!
木管楽器(1〜10)
イングリッシュホルン

こちらのイングリッシュホルンは、音色を聴いての通りオーボエと非常に似た楽器です。
オーボエと違うところは、オーボエより5度低く、ベルの部分が球状になっていることでしょう。
この球状の構造により、オーボエよりやわらかい音が出ます。
そしてオーボエに似ているのにイングリッシュホルンという名前なのが不思議ですが、もともと角度のある楽器ということでコール・アングルと呼ばれていたのが、アングルの部分をイギリスのと誤解されてこのような名前になっていったそうです。
クラリネット

童謡の『クラリネットをこわしちゃった』など小さなころから親しみのある木管楽器がクラリネットですよね!
吹奏楽でも人気の楽器です。
竹が原料のリード1枚を振動させて音を出すのが特徴で、怪しげな雰囲気を演出する低い音から細く鋭い高音までコロコロと違った表情を見せてくれる興味深い楽器のひとつでもあります。
クラシック音楽の他にもジャズなどにも用いられていますので、チェックしてみてください。
吹奏楽でクラリネットを演奏したいと思っている方はぜひ注目してみてくださいね。
ファゴット

見た目のインパクトや独特の音色でオーケストラに花をそえる木管楽器がファゴットです。
フランス式とドイツ式の2種類があり、語源は古いフランス語の「薪の束」を意味するそうです。
幅広い音域を奏でられるとともに、低音域でも歯切れがよい音を出せるため安定感がありますよね!
歌うように演奏されるとも言われ、ベートーベン作曲の『交響曲第4番』などでも存在感を放っています!
ファゴットが気になる方はファゴットのために作曲された作品もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
コントラファゴット

コントラファゴットともコントラバスーンともいわれるこちらの楽器はファゴットより1オクターブ低い音が出ます。
どの管楽器にも共通して言えることですが、低い音が出る楽器は息の量がたくさんいるため、演奏上の体力的負担は大きいかもしれません。
そして、その低さゆえに目立ったソロなどもあまりない楽器です。
低くても大きい音を出せるよう17世紀中ごろに開発されてから何度か改良が加えられ、現在の形になっています。
ふくよかな低音は魅力的ですよね。
ピッコロ

イタリア語で小さいを意味するピッコロはその名の通りフルートを小さくした楽器です。
フルート奏者が持ち替えでピッコロを吹くことも多いです。
フルートよりピッチが定まりにくく、吹き口もキーの感覚も狭いので、演奏するのはフルートよりむずかしいともいわれています。
その高くかわいらしい音色から、オーケストラの曲などでソロを受け持つことも多く、動画の曲をはじめとして、ピッコロが印象的な曲は多いです。
フルート

オーケストラの中で華やかさNo.1と言ったらフルートではないでしょうか。
銀色の横笛は優雅で女性のあこがれでもあり、フルート奏者には女性が多いイメージがありますよね!
もともとは横ではなく縦笛のことをフルートと呼んでいたそうですが、17世紀後半にフランス貴族が横笛に改良し高い人気を博したそうです。
鳥のさえずりのような音色が特徴的で、サン・サーンス『動物の謝肉祭より 大きな鳥籠』など鳥にちなんだ楽曲に用いられることが多いですね。
現在ではクラシック音楽だけではなくジャズやロックなど多ジャンルで使用されることもあるので、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!
オーボエ

オーボエは、パッと見の外見がクラリネットにも似ているので、詳しくない方には見分けが付かないかもしれませんね。
しかし、両者は音色の違いのほかにも、音を奏でる仕組みで大きく違う点があります。
それは、クラリネットがシングルリードであることに対して、オーボエはダブルリードであること。
ダブルリードはその名の通り2枚のリードを震わせることで音を出しており、軽やかで丸みのある音色が特徴です。
3オクターブの広い音域が出せる楽器なので、ぜひオーボエの音色を体験してほしいです!
ベートーベン作曲の『交響曲第3番 英雄』、『第5番 運命』など有名な楽曲でもオーボエは活躍しています。
オーボエのソロは聴きごたえがありますので、まだ聴いたことがない方はオーボエの魅力を発見してみてはいかがでしょうか。
金管楽器(1〜10)
ホルン

狩りの際に使われた角笛がもととなったと考えられているホルン。
やわらかい音色が特徴で、金管楽器ですが木管楽器とも相性が良いです。
木管五重奏に金管楽器であるはずのホルンが入っているのもうなずけますよね。
同じ金管楽器でもトランペットとトロンボーンは教会で使用されたという歴史があり、ホルンのほうはそうではなかったので、庶民的な楽器というイメージもあるようです。
音の柔らかさの秘密はベルが後ろを向いていることにもあります。
もしベルが前を向いていたら、もう少し荒々しい音が出たでしょう。
トランペット

トランペットといえば、オーケストラでも花形楽器の一つではないでしょうか。
ファンファーレ部分などにも使われる華やかで明るく美しい音色は、聴く人を楽しい気分にさせてくれます。
マウスピースと本体からなり、唇を振動させて音を出します。
バルブというボタン状のキーを押すことによって管の長さを変え、音の高さを変えています。
トランペットのもととなった楽器はバルブがなく、自然倍音しか出せませんでした。
バルブは1810年ころに発明され、それによって複雑な演奏が可能になったのです。
チューバ

1820年ころ金管楽器にバルブという装置が発明され、それによっていろいろな楽器がうまれました。
チューバもその一つで、この楽器は珍しく生まれた日がわかっており、1835年9月12日なんだそうです。
チューバがうまれる前は長くて大きいオフィクレイドやセルパンという楽器が使われていました。
チューバの誕生によりずいぶん扱いやすくなったのではないでしょうか。
とはいえ、金管楽器の中では最も低い音が出るので、大きさも重さも相当なものです。
トロンボーン

起源はトランペットと同じといわれるトロンボーン。
トランペットのようなバルブではなくスライドと呼ばれる管を伸ばしたり縮めたりして音程を変えます。
そのスライドによって音程がはっきりしない場合もありますが、グリッサンドすることによって独特のニュアンスがつけられるともいえるでしょう。
神の楽器といわれ、教会でよく使われていたトロンボーンですがベートーベンが初めて交響曲に使って以来、オーケストラでも使われるようになりました。
打楽器(1〜10)
ティンパニ

ティンパニといえば、オーケストラの打楽器の中では花形の楽器の一つではないでしょうか。
半円状の胴に皮を張り、その皮の張り具合をペダルで調整することで音程を変えられます。
小太鼓や大太鼓と比べ、はっきり音程のある有音程の打楽器です。
現在のティンパニのルーツはメソポタミア文明で使われていたリリスという楽器にあるといわれ、紀元前2000年くらいからあったそうです。
その後、トルコの軍隊などを経て、オーケストラで使われるように変化していきました。
バスドラム

筒状の胴の両面に皮を張り、その片面をたたくバスドラム。
大太鼓の名前でも親しまれており、オーケストラ以外では野球の応援団がよくたたいている、といえばイメージしやすいのではないでしょうか。
ピッチがわかりにくいほど低い音が出て、それがオーケストラサウンドにビート感をもたらしてくれます。
動画のように、たたくばちをかえたり、枠部分をたたくことによって、さまざまな音色が出せます。
思ったより奥深いバスドラム、好きな人はハマりそうですよね。
シンバル

オーケストラにおけるシンバルといえば、休みが長くここぞというところの1打のみ、といったイメージが強かったりしますが、オーケストラには欠かせない楽器ですよね。
このシンバルに似た楽器はユーラシア大陸全体で幅広く見られ、さまざまな名前で呼ばれています。
一枚だけをつるして演奏するサスペンドシンバルと、持ち手がついており2枚一組で使うクラッシュシンバルがあります。
クラッシュシンバルは重いので、吹奏楽などでは慣れが必要かもしれません。
編入楽器(1〜10)
ハープ

ハープというと優雅な楽器の代表といった感じがしますが、こちらの楽器の原型は紀元前4000年のエジプトや紀元前3000年のメソポタミアのものといわれており、同じような仕組みのものが世界中で見られる楽器です。
オーケストラでよく使われるのはダブル・アクション・ペダル・ハープというもので、見ての通り、運ぶのも大変で一人での運搬はよほど工夫しないと無理そうです。
しかしその何とも言えない音色はこの楽器ならではで、すばらしいですよね。
ピアノ

オーケストラにピアノというパートはあったっけ、と思う方も多いかもしれません。
ピアノやチェンバロは昔オーケストラに入っていたのですが、管楽器がたくさんオケに入ることにより和音を弾く必要がなくなり、ピアノを使わないオケが増えてきました。
20世紀になってから違った意味でピアノを使う曲が増え、再びピアノ入りのオーケストラの曲も増えてきました。
動画のようなピアノ協奏曲などを聴くと、ピアノとオーケストラの共演といった形でピアノという楽器は魅力があるなと感じてしまいます。
おわりに
オーケストラで演奏されている楽器を一挙に紹介しました。
弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器、その他の楽器と、それぞれのセクションごとにまとめて紹介したので、それぞれの楽器のことがさらによくわかったと思います。
オーケストラの演奏を観たり聴いたりして気になっていた楽器が見つかっていればうれしいです。