クラシックの名曲|一度は聴きたいオススメの作品たち
すべての音楽の基礎であるクラシック。
教会で歌われていた聖歌から始まり、多くの作曲家と曲が誕生しました。
日本では音楽の授業で習ったり、いろいろな場面でBGMとして流れたりと、クラシック音楽は現代でも私たちの身近に存在しています。
本記事ではそんなクラシック音楽の中から、どこかで一度は聴いたことがある名曲から、聴いたことないけれど耳に残るような作品まで、幅広くご紹介します。
宗教曲や交響曲、ピアノソロや協奏曲、違う楽器に編曲されたものなど、さまざまな楽器で奏でられているクラシック音楽の名曲を、ぜひお楽しみください!
クラシックの名曲|一度は聴きたいオススメの作品たち(1〜10)
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18Sergei Rachmaninov

1873年ロシアで誕生したセルゲイ・ラフマニノフは作曲家・指揮者をこなす多才なピアニストです。
『ピアノ協奏曲第2番』は聴いたことがあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
2006年に大ヒットしたテレビドラマ「のだめカンタービレ」でもおなじみの曲です。
玉木宏が演じる千秋の演奏がかっこよかったですね。
ラフマニノフはこの作品で成功し作曲家の地位を手にいれました。
1945年のイギリス映画「逢びき」に起用され大ヒットを記録したことでも有名ですね。
映画の内容から『ピアノ協奏曲第2番』は恋愛の曲というイメージが結びつきました。
激しい旋律と甘美な旋律がくりかえされる魅力がたっぷりつまったナンバーです。
疾走感がたっぷりの流れるようなピアノのメロディーもすばらしいですよ。
数あるピアノ協奏曲のなかでも、ラフマニノフは人気の高い作品です。
交響曲第9番ホ短調Op.96「新世界より」Antonín Dvořák

ベートーヴェンの『運命』、シューベルトの『未完成』とともに「3大交響曲」と呼ばれるほどに有名な曲です。
第2楽章の主題が歌詞付きで編曲された『遠き山に日は落ちて』は、クラシック音楽に詳しくない人でも、どこかで一度は聴いたことがあるのではないでしょうか?
この作品のタイトルとなっている「新世界」とは「アメリカ」のことを指し、新世界アメリカへ移住してきたドヴォルザークが、故郷へ向けて書いたのがこの曲なのです。
交響曲 第9番 ニ長調Gustav Mahler

マーラーが死の前年に完成させた、最後の交響曲。
『大地の歌』と未完成に終わった交響曲第10番とともに「告別三部作」と呼ばれています。
第9番にはとりわけ「死」への思いが強く込められています。
第4楽章の最後の5分間に第1バイオリンは『亡き子をしのぶ歌』の第4曲の最後の部分を演奏していますが、この歌曲の作曲後に溺愛していた長女マリアが5歳足らずで亡くなっており、マーラーの死への悲しみがより一層込められていることがわかります。
カノンJohann Pachelbel

1653年生まれのバロック音楽の大家ヨハン・パッヘルベルは、若い頃にシュヴェンマーから音楽教育を受け、後にウィーンでイタリア音楽の影響も受けました。
こちらの曲はそんな彼が残した名曲。
三つのヴァイオリンと通奏低音のために作られ、同じメロディが遅れて入る声部によって模倣される構造により、シンプルながら豊かなハーモニーが生まれています。
穏やかで優雅なメロディは、喜びや平和の感情を呼び起こし、世代を超えて愛されていますね。
結婚式や卒業式など、人生の節目に寄り添う曲としても親しまれており、心に響く音楽を求める方にぴったりの1曲です。
ベルガマスク組曲より第3曲「月の光」Claude Debussy

クロード・ドビュッシーは19世紀後半から20世紀前半に活躍したフランスの作曲家でありピアニストです。
ドビュッシーといえば『月の光』がとても有名ですね。
この曲は「ベルガマスク組曲」の第3曲の作品なんです。
タイトルにふさわしく、聴くと美しい月の光が目に浮かんできます。
皆さまはどのような月の光が見えてきますか。
絵画を音楽で表現された作品のようですね。
独自の作曲法をもち、自由に作曲されたことがドビュッシーの魅力でもあります。
「アラベスク」や「夢」なども人気がありますね。
いずれの作品も細やかで流れるような旋律が美しい作品です。
ピアノの発表会でも人気のあるナンバーですね。
展覧会の絵Modest Mussorgsky

チェコのドヴォルザークのように、ロシアにも「国民楽派」と呼ばれる作曲家たちがいました。
ムソグルスキーもそのひとりです。
「展覧会の絵」は後期ロマン派の有名曲のひとつであると同時に、ロシア音楽の古典にもなっています。
ラ・カンパネラFranz Liszt

ピアノの魔術師ともいわれたフランツ・リストはハンガリー出身のピアニストです。
代表的な作品ともいえるのが『ラ・カンパネラ』です。
鐘の音が遠くから聞こえてくるような旋律が魅力ですね。
一般の人はドから1オクターブ上のドがとどく手のサイズだと思います。
ところがリストはドからいオクターブ上のソまでとどく大きな手だったのです。
この幅は約28センチ、この手があったからこそ『ラ・カンパネラ』というすばらしい作品が完成しました。
1オクターブを右手の親指と小指で連打する奏法がどこまでも続きます。
鐘のなっているイメージが壮大に広がっていき、曲にひきこまれますね。
いざ弾くとなると、難易度の高い曲ですね。
それだけに聴きごたえがありすばらしいナンバーです。
交響曲第5番「運命」Ludwig van Beethoven

クラシック音楽の巨匠ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲した、歴史に大きなインパクトを残した名曲。
冒頭の「ダ・ダ・ダ・ダーン」というモチーフは、世界中の誰もが知っているでしょう。
ベートーヴェンが聴力を失いつつある中で書かれ、1808年12月に初演されました。
全4楽章からなり、暗から明へのドラマティックな変化を通して、苦悩から歓喜への旅路を描いています。
とくに第1楽章の「運命動機」は、全楽章を通じて繰り返され、作品全体に統一感を与えています。
ベートーヴェン自身の内なる闘いと、それを乗り越えていく姿が音楽に反映されているようで、聴く人の心に深く響きますね。
後の作曲感にも大きな影響を与えたこの作品、ぜひ全楽章とおして聴いてみてはいかがでしょうか。
ボレロMaurice Ravel

フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1928年に作曲した管弦楽曲。
スネアドラムの静かな反復音から始まり、たった2つのメロディのみで次第に音量と楽器の数が増えていく独特の構成は、ほかの作品と似ることもない唯一無二な作品です。
フルートやクラリネット、トランペットなど、さまざまな楽器がメロディを奏でながら、約15分かけて壮大なクライマックスへと向かっていきます。
単調なリズムの上に織りなされる美しい旋律と、巧みなオーケストレーションによる色彩豊かな響きが魅力的。
初演時にはバレエ音楽として使用されましたが、コンサートホールでの演奏会用作品としても広く親しまれています。
亡き王女のためのパヴァーヌMaurice Ravel

フランスの作曲家・ピアニストのモーリス・ラヴェルは幼いころからピアノや作曲を学んでいました。
音楽好きの父親の影響を強くうけ、音楽の道に進みます。
『亡き王女のためのパヴァーヌ』は1899年にピアノ曲、1910年に管弦楽曲となった作品です。
パヴァーヌ、聞きなれない言葉ですね。
これは16世紀から17世紀にかけ、ヨーロッパの宮廷で普及していた舞踏のことです。
ゆったりとしたテンポ、美しい旋律、気品にあふれる名曲は演奏会でもよく使用されますね。
ラヴェルといえば「ボレロ」が有名です。
『亡き王女のためのパヴァーヌ』は小編成のオーケストラで演奏される、静かな美しい作品です。
ピアノ演奏もすてきですね、演奏会にもオススメですよ。
クラシックの名曲|一度は聴きたいオススメの作品たち(11〜20)
春の祭典Igor Stravinsky

『火の鳥』と『ペトルーシュカ』と並んで「三大バレエ」と呼ばれているストラヴィンスキーの代表作品であり、20世紀の原始主義を代表する作品。
「原始主義」とは音楽の諸要素の中でもとりわけリズムに工夫を凝らすことで、音楽に内在する原始的なエネルギーや躍動感を引き出そうとすることを指します。
曲の題材が大地に芽吹く春をたたえて太陽の神に生にえを供える原スラヴ人の儀式であること、変拍子とランダムに聞こえるアクセントが絶え間ない緊張感を生み出しているところに、原始主義の特徴を見て捉えられます。
ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23Peter Ilyich Tchaikovsky

ロマン派を代表する作曲家の一人、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが1874年から1875年の冬に作曲した傑作。
冒頭の印象的な旋律は、一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。
変ロ短調で始まる斬新な構成と、劇的なピアノソロが特徴的です。
1875年10月25日のボストンでの初演で大成功を収めましたが、作曲当初は批判を受けていたそう。
壮大な旋律とピアノの華やかな技巧を通じてロシアの風景や民謡の要素を取り入れ、チャイコフスキーの感情を象徴する作品となっています。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、ロシアの文化に触れたい方にもオススメの1曲です。
ヴァイオリン協奏曲集op.8 1-4「四季」Antonio Vivaldi

アントニオ・ヴィヴァルディといえば『ヴァイオリン協奏曲op.8 1-4「四季」』が有名ですよね。
なかでも「春」が人気の高い作品です。
明るく華やかな旋律と少し影のあるような旋律がところどころに現れるヴァイオリン協奏曲ではおなじみの名曲ですね。
日本は四季があるので、春夏秋冬という4曲の作品だと思われています。
これはヴィヴァルディがつけたのではありません、ですが、日本の四季にピッタリあう曲想です。
「夏」は夕立や嵐が目の前に広がるはげしく速い、とてもスピードのある作品です。
バイオリニストにも人気のあるナンバーです。
演奏会にもよく使用されていますね。
主よ、人の望みの喜びよJ.S.Bach

クラシック音楽の巨匠、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの名曲が、今なお人々の心を魅了し続けています。
バロック時代を代表するバッハが1723年に作曲したこちらの曲は、教会カンタータ『心と口と行いと生活で BWV147』の終曲コラール。
美しい旋律と深い信仰心が込められた傑作で、イエスへの愛と信頼を謳う歌詞は、人生の困難や悲しみから守ってくれる存在としてのイエスの姿を描いています。
バッハの巧みな和声と美しいメロディは、宗教を超えて多くの人々の心に普遍的な喜びや平安をもたらしていますね。
ピアノやオーケストラ、合唱などさまざまな演奏形態で親しまれ、結婚式やクリスマスなど、人生の大切な瞬間を彩る曲としても愛されています。
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 二短調 BWV1004より「シャコンヌ」J.S.Bach

バロック時代を代表するドイツの作曲家、ヨハン・セバスティアン・バッハが作曲した無伴奏ヴァイオリンのための傑作。
約15分にわたる大規模な変奏曲で、ヴァイオリン1本で和声や対位法を豊かに表現する技術が要求されます。
バッハの妻マリア・バルバラの死を悼む追悼の意図が込められているという解釈もあり、荘厳な感覚と情緒的な深みを聴き手に与えます。
豊かな和声と対位法を駆使した構造の複雑さが特徴的で、ヴァイオリン独奏曲の名作として高く評価されてきました。
バロック音楽の典型でありながら、内面的な表現やエネルギーも強く感じられる本作は、現代でも深い共感を呼ぶ名曲として愛され続けています。
ブラームスやブゾーニがピアノ独奏用に編曲した楽曲も有名なので、ぜひ聴いてみてくださいね。
交響曲第9番ニ短調 Op.125より第4楽章「歓喜の歌」Ludwig van Beethoven

日本では「第九」の愛称で親しまれていおり、年末近くになると、日本のいたるところで「第九」の演奏会が開かれていますよね。
この曲の歌詞はシラーの詩「歓喜に寄す」が基となっており、日本ではこの合唱部分を「歓喜の歌」とも呼んでいます。
交響曲に声楽が使用された曲は以前にもありましたが、効果的に声楽を使った初めての作品だと言えます。
また声楽だけではなく、シンバルやトライアングルなどのこれまで交響曲では余り使われなかった打楽器も使用されています。
夜想曲Frederic Chopin

ロマン派時代を代表する作曲家フレデリック・ショパンが遺した、全21曲からなるピアノ独奏曲集。
第2番と、遺作である第20番がとても有名です。
1810年生まれのショパンは、わずか7歳で初めての作曲を行うなど、幼少期から音楽の才能を発揮。
20歳から晩年にかけて作曲された本作は、彼の芸術性の深さとピアノ音楽における表現の幅広さを示す傑作といえるでしょう。
夜の静けさや内省的な雰囲気を見事に表現しており、叙情的なメロディと新鮮な和声、自由な発想が特徴的で、聴く者の心に深く響きます。
静かな夜に、ぜひ聴いていただきたい作品です。
バレエ組曲「白鳥の湖」Peter Ilyich Tchaikovsky

ロシアのロマン派を代表する作曲家ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが手掛けた名作バレエ音楽。
哀愁を帯びた美しいメロディと劇的な展開が魅力です。
白鳥に姿を変えられた王女と王子の悲恋を描いた物語は、人々の心に深く響きます。
1877年3月にボリショイ劇場で初演された際は不評でしたが、チャイコフスキーの死後に再評価され、今では世界中で愛される名作となりました。
白鳥のテーマや華麗なワルツなど印象的な旋律の数々は、バレエ音楽の域を超えた芸術性の高さを示しています。
パガニーニの主題による狂詩曲Sergei Rachmaninov

ロシアのロマン派を代表する作曲家セルゲイ・ラフマニノフが手掛けた傑作。
ニコロ・パガニーニの有名な作品をテーマに、ピアノとオーケストラのために書かれました。
1934年11月に初演され、24の変奏からなっています。
とくに印象的なのは第18変奏で、パガニーニの主題を逆転させたラフマニノフらしい哀愁を帯びた美しい旋律が奏でられます。
日本ではBGMなどに起用されることも多いので、このメロディだけを聴いたことがある方も多いかもしれません。
彼自身も「これはエージェントのためだ」と語るほどの人気ぶり。
また、「ディエス・イレ」と呼ばれる中世の聖歌の旋律も組み込まれ、作品全体に神秘的な雰囲気を与えています。
劇的な展開と技巧的な要素が見事に融合した本作、ぜひ聴いてみてください!
ヴォカリーズSergei Rachmaninov

セルゲイ・ラフマニノフの深い情感と技巧が見事に融合した歌曲です。
言葉を持たないこの楽曲は、歌手が選んだ母音で歌われ、多様な編成でアレンジされてきました。
1915年に作曲され、翌年1月にモスクワで初演され、ラフマニノフの繊細な感性を映し出している作品。
聴き手の心をぐっと掴む美しいメロディラインは、言葉を超えた表現力を持ち、聴く人の心に深く響きます。
ロシアの土地や文化、ラフマニノフ自身の経験が色濃く反映された本作は、哀愁を帯びた美しさや内省的な思索を感じさせます。
動画はピアノとチェロのデュオバージョン。
チェロならではの音色も、歌声とは違う魅力が感じられますね。