メンデルスゾーンの名曲|人気のクラシック音楽
ドイツのロマン派を代表する作曲家、メンデルスゾーン。
作曲家だけでなくピアニストや指揮者としても活動しており、幼少期から神童と呼ばれるほど音楽の才能をもっていました。
本記事では、そんなメンデルスゾーンが残した名曲をご紹介します。
メンデルスゾーンがお好きな方も、あまり知らなかった方も、ぜひ一度目をとおしてみてくださいね。
彼の作風の特徴や魅力に気付き、お気に入りの曲が見つかりましたら幸いです。
楽器や歌を奏でられる方は、ぜひ実際に演奏もしてみてください!
メンデルスゾーンの名曲|人気のクラシック音楽(1〜10)
無言歌集 第1巻 Op.19 第3曲『狩りの歌』Felix Mendelssohn

『無言歌集』は、1832年に発表されたピアノ独奏曲で、歌詞のない旋律が歌のように響く作品です。
全8巻48曲からなりますが、その中の本作は狩りの情景を描いた軽快な曲調が特徴的。
活気に満ちたリズムと躍動感のある旋律で、まるで馬に乗って狩りに出かけるような気分を味わえます。
メンデルスゾーンらしい洗練された旋律美が際立っており、クラシック音楽ファンはもちろん、ピアノ演奏を楽しむ方にもオススメ。
当時のサロン音楽の要請に応え、一般のピアニストにも演奏しやすい形で作曲されたという背景も興味深いですね。
真夏の夜の夢 Op.61より『結婚行進曲』Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンの代表作である『真夏の夜の夢』は、シェイクスピアの戯曲のために作曲されました。
その中の一部、『結婚行進曲』は、明るく荘厳な曲調で、祝祭的な雰囲気を持っています。
1858年、イギリスのヴィクトリア女王の長女の結婚式で演奏されたことをきっかけに、結婚式の定番曲として広く親しまれるようになりました。
一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
華やかな管弦楽編成で演奏され、力強いファンファーレ風のモチーフが印象的です。
無言歌集 第5巻 Op.62 第6曲『春の歌』Felix Mendelssohn

『無言歌集』は、ピアノ独奏のための短い作品集で、全8巻48曲からなります。
その中でも第5巻の6曲目『春の歌』は、春の訪れを感じさせる軽やかで喜びに満ちた旋律が特徴的。
軽快で明るい曲調で、自然の美しさや春の息吹を音楽的に描写しています。
ピアノだけでなく、ヴァイオリンやフルートといった他の楽器向けにも編曲され、幅広い演奏形態で楽しまれています。
クラシック音楽が好きな方はもちろん、春の季節に心地よい音楽を聴きたい方にもオススメですよ。
無言歌集 第1巻 Op.19 第1曲『甘い思い出』Felix Mendelssohn

無言歌集8集あるうちの第1集第1曲目です。
メンデルスゾーンの音楽は地に足が着かない、妖精のようにフワリと空中を舞う、漂うような音楽だと言われています。
それはピアノ曲と歌曲に顕著で、まさに本作は淡々と夢の世界で歌われつつ情感がこもっています。
アルぺジオの伴奏のうえに、なんとも甘く切ないメロディが流れてゆく曲調が特徴的。
タイトルは後に出版社が付けたものです。
ファミリーコンサートやミニコンサートにも向いており、聴く人を魅了する作品です。
真夏の夜の夢 Op.21『序曲』Felix Mendelssohn

『真夏の夜の夢』は同名のシェイクスピアの喜劇です。
古代アテネを舞台に、娘を決めた男に嫁がせたがる頑強なお父さん、別に恋人がいる娘、親に従わない娘を処刑しようと画策する父親。
娘の親友とその恋人。
妖精王オベロンは惚れ目薬を使って何とか2組の恋人達をまとめようとドタバタ喜劇が展開し、2組の恋人達は幸福な結婚式を挙げることとなり最後はめでたしめでたしで幕を閉じます。
このドラマに付随する曲をメンデルスゾーンが書きました。
間奏曲、スケルツォなど11曲(12曲)からなる劇の付随音楽で、本作の『序曲』でドラマが始まります。
現在は1964年、フレデリック・アシュトンが振り付けて以来、バレエ作品として上演されています。
全曲を聴くと50分程。
そのうちの冒頭『序曲』を、まずはぜひ聴いてみてください。
交響曲 第4番『イタリア』イ長調 作品90Felix Mendelssohn

多言語を話したメンデルスゾーンが半年間のイタリア旅行中に作曲し始めました。
1831年に着手し1833年に完成。
彼が22〜24歳の時の作品です。
第1楽章イ長調で始まり、第4楽章はイ短調で終わりますが、哀愁のある短調ではなくタランチュラのリズムを取り入れた熱狂的で華やかな終楽章です。
全楽章をとおして明るく生き生きとした躍動感に溢れており、『イタリア』の名に相応しい作品。
演奏時間は約30分です。
ぜひ聴いてみてください!
無言歌集 第2巻 Op.30 第6曲『ヴェネツィアの舟歌 第2 』Felix Mendelssohn

生涯にわたり作曲した無言歌集全8巻の中から、美しい旋律が心に響く1曲をご紹介します。
嬰ヘ短調で書かれた本作は、ゴンドラが水面を優雅に滑るような情景を音楽で描き出しています。
1835年に出版され、メンデルスゾーン自身が「ヴェネツィアの舟歌」と名付けた5曲のうちの1つ。
6/8拍子でゆったりと進行する曲調は、聴く人を温かく包み込みます。
左手の静かな伴奏に乗せて、右手が奏でる美しいメロディラインに耳を傾けてみてください。
弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20Felix Mendelssohn

「この男の子が初見で即興で弾くピアノは当に奇跡だ!」と、ゲーテに神童と言わせしめたメンデルスゾーンは早熟の天才でした。
9歳で作曲家デビューを果たし、12歳で弦楽四重奏曲を、15歳で交響曲第1番を書きました。
本作は16歳のときの作品で、早くも洗練され、完成された美しさがあります。
友人の誕生祝いとして書かれ、少年から青年へと成長している当時のメンデルスゾーンの世界観が投影されています。
4楽章からなり、ヴァイオリン4台、ヴィオラ2台、チェロ2台で構成されていますが、現在では弦楽合奏としてオーケストラでも演奏されることもあります。
演奏時間は約35分。
ぜひ聴いてみてください。
フィンガルの洞窟 Op.26 演奏会用序曲Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンが20歳のときにスコットランドを訪れた際、フィンガルの洞窟に感銘を受けて作曲した序曲が本作です。
洞窟の神秘的な雰囲気や海の動きを見事に描写しており、まるで音楽で風景画を描いているかのよう。
冒頭の主題は洞窟の力強さや美しさを、第2主題は逆巻く波を表現しています。
リヒャルト・ワーグナーも「一流の風景画のような作品」と絶賛したそうです。
自然の情景を音楽で表現したい方にオススメの1曲。
約9分間の演奏時間で、スコットランドの壮大な風景を思い浮かべながら聴いてみてはいかがでしょうか。
ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.49Felix Mendelssohn

このピアノとヴァイオリン、チェロの3重奏曲は、シユーマンが「ベートーヴェンの変ロ長調とニ長調の三重奏曲、シューベルトの変ホ長調三重奏曲が彼らの傑作であるように、これは我々の時代の大家の三重奏曲である。
来たるべき多くの歳月にとって我々の孫や曾孫を喜ばせるであろう非常に優れた作品である。」と、讃えた曲です。
シューマンと奥さんのクララ・シユーマン、メンデルスゾーンは温かな親交がありました。
リプシア音楽学院の創立者、学長でもあったメンデルスゾーンはシューマンよりも1歳年上で、彼らに何かと力添えをしていました。
評論家、演奏興行者(プロデューサー)でもあったメンデルスゾーンはシューマンの交響曲の紹介もしています。
演奏者はボロディン・トリオ第1楽章〜第4楽章演奏時間約31分。
長く感じられたら区切ってお聴きください。
メンデルスゾーンの名曲|人気のクラシック音楽(11〜20)
ロンド・カプリチオーソ Op.14 U 67 ホ長調Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンのピアノ作品の中でも広く親しまれている楽曲の一つです。
1828年から1830年にかけて作曲され、初版は1830年または1831年にロンドンで出版されました。
当初は練習曲として構想されましたが、後に歌のような表情豊かな導入部が加えられ、ピアニストのデルフィーネ・フォン・シャウロスへの贈り物となりました。
テクニック的に最上級の難易度というわけではありませんが、繊細なタッチや幅広い表現力が求められます。
表情をたっぷりつけて、ロマンチックに、情熱的に演奏しましょう。
真夏の夜の夢 Op.61より『スケルツォ』Felix Mendelssohn=Rachmaninoff

『真夏の夜の夢』は、シェイクスピアの戯曲に基づく付随音楽として1843年に作曲されました。
その中の『スケルツォ』は、妖精たちが軽やかに舞い踊る様子を音楽で表現した部分。
独特なリズムと華やかな旋律が印象的ですね。
本作は、その曲をロシア出身の作曲家、ラフマニノフがピアノ独奏用に編曲したものです。
オーケストラの豊かな響きをピアノ一台で再現した技巧的な演奏は、聴く人を幻想的な世界へと誘います。
コンサートなどでも広く演奏されており、ファンタジーな雰囲気や繊細な表現を楽しみたい方にオススメの1曲です。
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64Felix Mendelssohn

クラシック好きには言わずもがなの名曲です。
ここまで流麗な音が出るのかと驚くほど、ヴァイオリンが奏でる際立って美しいメロディが特徴的。
この協奏曲はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調、ブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調と並び賞されています。
メンデルスゾーン晩年時の作品であり、6年かけて作ったこの曲は3つの楽章が間断なく演奏されます。
第1楽章は哀愁のある主題で始まり、ヴァイオリンとオーケストラの対話、メンデルスゾーン指定のカデンツァで締めくくられ、第2楽章は甘美なヴァイオリンのメロディがオーケストラの伴奏に乗って奏でられます。
すぐに第3楽章に突入し、ホ短調からホ長調へ、ヴァイオリンとオーケストラが華麗にフィナーレを締めくくります。
歴史に大きく残した名曲、ぜひ聴いてみてくださいね。
『我が祈りを聞きたまえ、主よ』WoO 15, MWV B49Felix Mendelssohn

本作は1834年に作曲された宗教音楽で、オーケストラと混声合唱のために書かれています。
穏やかで感情的なバラードの曲調で、静けさと安らぎをもたらすメロディが特徴的。
歌詞は神に向けた祈りと助けを求める内容で、敵からの脅威や孤独感、恐れが語られています。
クリスマスシーズンや宗教行事で演奏されることが多く、教会音楽や宗教音楽のコンサートでも人気があります。
普段宗教音楽に触れる機会がない方も、この美しい曲を一度聴いてみてはいかがでしょうか?
6つの歌 Op.34 第2曲「歌の翼に」Felix Mendelssohn

1834年に作曲された『6つの歌 Op.34』の第2曲は、ハイネの詩に基づいた美しい歌曲です。
恋人を理想郷へ誘う幻想的な情景が、優美なメロディーで描かれています。
ガンジス川のほとりで、月明かりに照らされた赤い花々やスイレンの花が咲く庭園。
そこでは、スミレやバラが語り合い、小鹿が耳を傾けています。
この曲は、ロマン派特有の感情豊かな表現が特徴的で、聴く人の心に深い感動を与えます。
日本では、近鉄特急の到着メロディとしても使用されるなど、多くの方に親しまれている1曲です。
オラトリオ『聖パウロ』より第1部 第2曲『主よ、神である主よ』Felix Mendelssohn

オラトリオ『聖パウロ』の1曲が、宗教音楽の名作として知られています。
1836年に完成したこの作品は、使徒パウロの生涯を題材にしています。
神の偉大さや慈愛を讃える荘厳な合唱が印象的で、バッハの影響を受けつつも、メンデルスゾーン独自のロマン主義的感性が光る1曲です。
敬虔な信仰心と音楽的才能が見事に融合した本作は、宗教音楽に興味のある方はもちろん、クラシック音楽ファンにもオススメ。
神聖さと人間性の深い結びつきを感じさせる美しい旋律に、心が洗われる作品です。
チェロ・ソナタ 第2番 ニ長調 Op.58Felix Mendelssohn

本作は、メンデルスゾーンが1843年に作曲した室内楽作品。
初期ロマン派の特徴と古典派の伝統を融合させており、チェロとピアノのための豊かな音楽的テクスチャーが魅力です。
全4楽章からなり、約25分の演奏時間。
特に第3楽章では、チェロのレチタティーヴォ風パッセージがバッハの『クロマチック幻想曲とフーガ』を引用するなど、メンデルスゾーンのバッハへの敬意が表現されています。
情感豊かで技術的にも難易度の高い本作は、チェロ奏者にとって重要なレパートリーとなっており、クラシック音楽ファンの皆さんにもぜひ聴いていただきたい1曲です。
交響曲 第1番 ハ短調 Op.11Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンがわずか15歳で作曲した本作は、彼の才能を存分に発揮した作品です。
全4楽章からなり、古典派の影響を受けつつも、若き天才ならではの独創性が光ります。
第1楽章の力強さ、第2楽章の優雅さ、第3楽章の活気、そして第4楽章の壮大さ。
それぞれの楽章が異なる表情を見せ、聴く人を飽きさせません。
1824年11月、姉の誕生日を祝う場で初演されました。
クラシック音楽を愛する方はもちろん、これから音楽の世界に触れてみたいという方にもオススメの1曲です。
交響曲 第3番『スコットランド』イ短調 Op.56Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンには1番から5番までのよく知られた交響曲がありますが、そのうちの第3番、「スコットランド」です。
1番から5番は順番通りに作曲したのではなく、第3番は最後に作曲されたもので1842年に完成しました。
1829年にスコットランドを訪れたときに作曲し始め、メンデルスゾーンの「荒城の月」とも称される、彼が廃墟の宮殿に立った時にインスピレーションを呼び起こされた曲です。
美しく暗い序奏、続いて騎士たちの馬での行軍、激しい戦いを感じられる第1楽章。
第2楽章ではバグパイプで奏されるかのような楽しく心地よい楽想が特徴的です。
第3楽章は重いマーチ、第4楽章は悲壮と疲労。
しかし最後には晴れやかに終結されます。
オラトリオ『エリヤ』Op.70Felix Mendelssohn

旧約聖書『列王記』に登場する預言者エリヤの生涯を独唱、合唱によって演奏したものです。
『列王記』とは、ダビデの後継者ソロモンに始まるイスラエル王国における歴代の王の治世、イスラエル王国の衰退の物語。
この曲はバロック音楽とオペラが融合した作品として人気が高いオラトリオで、ヘンデルが確立した様式、響きの良い合唱曲を受け継いでいます。
嘆きと苦しみから希望、満ち溢れる歓喜へ、ベートーヴェンの「苦悩を突き抜けて喜びに至れ」に通じる音楽です。
メンデルスゾーンはベートーヴェンを尊敬していました。
第1部と第2部で合わせて2時間10分。
長いので区切りながらお聴きください。
メンデルスゾーンの名曲|人気のクラシック音楽(21〜30)
無言歌集 第5巻 Op62-5 第3曲「ヴェニスの舟歌」Felix Mendelssohn

フェリックス・メンデルスゾーンが残したピアノ小品集、名盤『Lieder ohne Worte』Op. 62に含まれる一曲です。
この楽曲の左手で奏でられる6/8拍子の伴奏は、ヴェネツィアの運河をゴンドラが進む様子を巧みに表しており、右手で歌われるメロディは水面に響く物悲しい歌のようです。
ただ暗いだけでなく、悲しみの中に凛とした気品や優雅さを感じさせるところが本作の魅力です。
1844年に刊行されたこの作品集はクララ・シューマンに献呈されています。
無理に元気を出したくない時、この美しい旋律に身を委ねて、心の深いところまで静かに沈んでいく感覚を味わいたい方におすすめです。
無言歌集 第1巻 Op.19 第2曲 後悔Felix Mendelssohn

『Lieder ohne Worte』第1巻に収められたイ短調の小品は、心に染み入る美しさを持つ作品です。
穏やかなアンダンテのテンポで展開される楽曲は、優しい悲しみを包み込むような旋律と、シンプルながらも効果的な伴奏により、深い情感を表現しています。
1832年にロンドンで出版されたこの作品は、言葉を用いずに音楽だけで感情を伝えることに成功し、ロマン派ピアノ曲の魅力を凝縮しています。
譜面は見た目以上に弾きやすく、シンプルな和声進行で構成されているため、ゆっくり丁寧に練習すれば必ず弾けるようになれます。
穏やかな表情を大切にしながら、素直な気持ちで演奏に取り組みたい方におすすめの一曲です。
3つの幻想曲あるいはカプリース 作品16 第1曲 イ短調/イ長調 MWV U 70Felix Mendelssohn

1829年夏に書かれた情緒が豊かなピアノ小品です。
アンダンテで始まる内省的な旋律と、アレグロ・ヴィヴァーチェの軽快な部分が印象的な楽曲になっています。
冒頭部分は抒情的で優美な表現が求められ、中間部では躍動感のある華やかなパッセージが展開されます。
古典的な構成と、ロマン派らしい感性が見事に調和した本作は、メロディアスな印象も手伝って、親しみやすく弾きやすい作品となっています。
練習を重ねることで必ず演奏できるようになる楽曲なので、ピアノ愛好者の皆様におすすめです。
7つの性格的小品 第5曲 イ長調「真面目に、次第に生気を加え Ernst und mit steigender lebhaftigkeit」フーガ MWV U 60Felix Mendelssohn

イ長調で書かれたこの楽曲は、アルバム『7つの性格的小品』に収録された穏やかで心が落ち着く作品です。
冒頭から真摯な雰囲気を持ちながらも、徐々に活気を帯びていく構成は、まるで朝日が昇っていくような温かさを感じさせます。
1827年に作られた本作は、優美な旋律と巧みな構成が調和した、洗練された作品となっています。
フーガという形式を取り入れながらも、堅苦しさを感じさせない柔らかな表現が魅力です。
小さな波が次第に大きなうねりとなっていくような展開は、聴く人の心を自然につかんでいきます。
技巧的にも難しい部分が少なく、ゆっくりと練習を重ねることで、音楽の素晴らしさを実感できる曲といえるでしょう。
7つの性格的小品 第6曲 ホ短調「憧れに満ちて Sehnsüchtig」アンダンテ MWV U 61Felix Mendelssohn

調べや歌のような美しい旋律が冒頭から展開されるホ短調の小曲は、静かな情熱を秘めた憧れの感情を繊細に描いた作品です。
フェリックス・メンデルスゾーンが18歳頃に書いた本作は、透明感のある音の響きと微細なニュアンスの変化が印象的。
落ち着いたテンポで進行する旋律線は、ロマン派音楽特有の詩情が豊かな表現力に満ちており、1827年頃に作曲された全7曲からなる小品集の中でも人気の高い1曲となっています。
穏やかな雰囲気でありながら、心の奥底に潜む切なさを表現した本作は、ゆったりとしたテンポで演奏できる曲を探している方や、ロマン派音楽の魅力に触れてみたい方におすすめです。
ロンド・カプリチオーソ ホ長調 作品14, MWV U 67 第1番 アンダンテFelix Mendelssohn

優雅で抒情的なアンダンテから始まり、軽快で繊細なプレスト部分へと展開するメンデルスゾーンによる作品は、15歳という若さで原形が作られた傑作です。
アンダンテ部分では透明感のある美しい旋律が歌い上げられ、まるで無言歌のような親しみやすさを感じさせます。
プレスト部分では軽やかなパッセージが躍動感に溢れ、まるで精霊たちが踊るかのような雰囲気を醸し出しています。
本作は難易度の面でも取り組みがしやすく、シンプルな構造と美しい旋律は、クラシック音楽にこれから親しもうとする人にぴったりです。
ゆっくりとしたテンポから練習を始めれば、着実な上達を実感できる素晴らしい作品となっています。
変奏曲 変ホ長調 作品82, MWV U 158 主題 アンダンテ・アッサイ・エスプレッシーボFelix Mendelssohn

主題と5つの変奏から構成された優雅な変奏曲です。
1841年7月に作曲され、ロマン派時代の典型的な特徴を備えながらも、深い感情表現と繊細な音楽性が溢れる1曲となっています。
主題は穏やかで表情が豊かな旋律で始まり、装飾的な第1変奏、和声の変化による第2変奏、活発な第3変奏、静かな第4変奏を経て、第5変奏では主題が再現され、美しい余韻を残して終わります。
親しみやすいメロディと、丁寧な練習で必ず弾けるようになる難易度設定のため、メンデルスゾーンの世界に触れたい方や、ロマン派のピアノ曲に挑戦してみたい方におすすめの作品です。
子供のための6つの小品(クリスマス小品集)作品72 第2曲 変ホ長調 アンダンテ・ソステヌート MWV U 170Felix Mendelssohn

1842年のクリスマスに子供たちへの贈り物として作曲されたメンデルスゾーンのピアノ小品は、穏やかで優しい雰囲気に包まれています。
変ホ長調で書かれた本作は、繊細なタッチと洗練された和声進行が特徴的で、42小節という短い曲ながらも深い音楽性を感じさせます。
ゆったりとした「アンダンテ・ソステヌート」のテンポで、温かな表情を奏でるメロディーは、心を落ち着かせてくれる魅力があります。
6つの小品からなるこの曲集の中でも、とりわけ親しみやすい一曲で、ピアノ学習を始めたばかりの方や、ロマン派音楽に興味のある方にぴったりの作品といえるでしょう。
無言歌集 第1巻 Op.19 第4曲 ないしょの話Felix Mendelssohn

穏やかで優雅な旋律が心に染み入る優しい小品です。
1830年に書かれたこの楽曲は、メロディーが歌うように流れていき、まるで誰かに密かな思いを語りかけているような印象を受けます。
本作は楽譜が読める程度の演奏スキルがあれば十分に取り組める作品で、左手のシンプルな伴奏と右手の表情が豊かな旋律で構成されています。
ゆっくりとしたテンポで物語を紡ぐような雰囲気が魅力的で、歌詞がないにもかかわらず豊かな感情表現が込められています。
ロマン派音楽の優美さを味わいたい方や、表現力を磨きたい方におすすめの一曲です。
穏やかな時間の流れを楽しみながら、じっくりと練習に取り組んでみてはいかがでしょうか。
無言歌集 第2巻 Op.30 第1曲 瞑想Felix Mendelssohn

変ホ長調のゆっくりと穏やかな旋律が印象的な本作は、1835年5月にボンで出版された『無言歌集』の中の一曲です。
静かな瞑想のような雰囲気を持つ本作は、豊かな抒情性とともに、技巧的には比較的平易な作りとなっています。
三部形式で統一感のある構成と、シンプルながらも深い感情表現を持ち合わせており、ピアノ学習者の表現力を養う教材としても重宝されています。
レパートリーの幅を広げたい方や、落ち着いた雰囲気の曲を探している方にぴったりの一曲です。
リヴィア・レーヴによる1986年の録音は、フランスの「ディスク大賞」を受賞しており、繊細な表現で高い評価を得ています。
メンデルスゾーンの名曲|人気のクラシック音楽(31〜40)
無言歌集 第3巻 Op.38 第4曲 希望Felix Mendelssohn

穏やかで親しみやすい旋律が魅力的な一曲です。
アルバム『無言歌集』の中から厳選されたこの楽曲は、イ長調の優美な調べが心に染み入ります。
落ち着いた中にも希望に満ちた雰囲気が漂い、右手の旋律と左手の伴奏が見事に調和しています。
鍵盤の交差も少なく、シンプルな譜面構成なので、ゆっくりと練習を重ねることで確実に弾けるようになれます。
1837年に出版された本作は、家庭での演奏を想定して作られており、繊細な表現力を磨きながら、楽しく練習できる曲となっています。
まずはメロディーラインをしっかりと把握し、徐々に表現力を高めていくことで、豊かな音楽性を身につけられるでしょう。
無言歌集 第4巻 Op.53 第1曲 海辺でFelix Mendelssohn

穏やかな波のうねりと海風のさざめきを思わせる、静かで詩情が豊かなピアノ曲です。
変イ長調で書かれた本作は、1841年にアルバム『無言歌集』第4巻の1曲目として公開された作品です。
透明感のある和音の響きと美しい旋律が織りなす優美な音の世界は、海辺の風景を目の前に広がるかのように感じさせてくれます。
シンプルながらも繊細な表現力が求められる作品ですが、ゆっくりと丁寧に練習を重ねることで、確実に演奏できるようになれます。
リラックスした雰囲気の中で練習したい方や、表現力を磨きたい方にぴったりの一曲といえるでしょう。
無言歌集 第4巻 Op.53 第2曲 浮き雲Felix Mendelssohn

右手がメロディー、左手が伴奏という曲の構成はシンプルながら、流れるような旋律が空に浮かぶ雲を連想させる美しい作品です。
中級程度の難易度とされていますが、ゆっくりと丁寧に練習すれば確実に演奏できるようになれます。
アルバム『無言歌集』に収録された本作は、優雅な雰囲気と詩的な表現が魅力です。
ロマン派らしい感情が豊かな表現と、繊細なタッチが求められますが、1841年に出版されて以来、多くの人々に愛され続けている名曲です。
穏やかなメロディーとリズムで、家庭での演奏にもぴったりな、気持ちを落ち着かせてくれる楽曲といえるでしょう。
無言歌集 第4巻 Op.53 第4曲 心の悲しみFelix Mendelssohn

繊細で内省的な旋律が心に染み入るピアノ小品集『無言歌集』から、アダージョの静かな美しさが印象的な作品です。
ゆったりと流れる旋律には、深い悲しみや憂いが込められており、1841年に出版された本作は穏やかでありながら強い感情表現を内包しています。
右手で奏でられる優美な旋律に合わせ、左手が心臓の鼓動のように穏やかに寄り添っていきます。
落ち着いた雰囲気で演奏できる本作は、ロマン派音楽の魅力を存分に味わいたい方や、感情表現を大切にしたい方におすすめです。
シンプルな構成でありながら、豊かな音楽性を持つ一曲となっています。
ヴェニスの舟唄 Op.57-5Felix Mendelssohn

1842年の作品です。
ベニスのゴンドラの船乗りに身を変えた男が恋人を待ち焦がれて歌う哀愁のある、しかし熱情的な歌です。
トーマス・ムーアの詩。
トーマス・ムーアは1805年にアイルランドに生まれた詩人で「夏の最後の薔薇」(庭の千草)を書いた人です。
ヴェニスの舟唄Venetianisches Gondellied はドイツ語に訳され、「広場に夕風が吹く頃、ニネッタ、貴女は知っている、ここに誰が待っているか」と、始まる詩です。
ペーター・シュライヤーのテノールとウォルター・オルべルツのピアノ伴奏で。
ぺーター・シュライヤーは1935年生まれ、ドイツのテノール歌手、最近では指揮もとります。
オペラ(モーツァルト、ワーグナー、シュトラウスなど)オラトリオ、マタイ受難曲、ドイツ・リート、と幅広く活躍しました。
伴奏のワルター・オルべルツは古典派を得意とする(特にハイドン)ピアニストです。
ピアノソナタ 第3番 変ロ長調 Op.106Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンが18歳の時の作品です。
メンデルスゾーンのソナタの中でも演奏される機会が多く、親しまれています。
メンデルスゾーンは、ベートーヴェンを敬愛していました。
この曲はベートーベンが他界した1827年に作曲されました。
ベートーヴェンのハンマークラヴィア・ソナタと多くの類似点があります。
全4楽章で、どの楽章もすばらしいです。
平均演奏時間は約20分力強く華やかに始まる第1楽章、軽やかに奏されるスケルツォ楽章。
優美な旋律が歌われる第3楽章。
第3楽章から第4楽章へと切れ目なく奏され、柔らかな旋律が甘美で魅力的です。
最後はアルページョで消えるように曲を閉じます。
総じてメンデルスゾーンの曲は短調の曲でも悲壮感や陰鬱さがなく、美しく爽やかで詩情豊か。
ピアノ曲でも同世代のショパンの曲と比べて個性の違いが際立っています。
イルゼ・フォン・アルペンハイムのピアノで約18分お楽しみください。
無言歌集 第2巻 Op.30 第6曲 ヴェネツィアの舟歌 第2Felix Mendelssohn

ドイツが誇る初期ロマン派の巨匠、フェリックス・メンデルスゾーンの魅力が詰まった一曲です。
メンデルスゾーンは1809年2月に生まれ、幼少期からその才能を発揮しました。
本作は彼の代表作「無言歌集」の一つで、ヴェネツィアの情景を音楽で描いています。
穏やかな6/8拍子の中に、ゴンドラの揺れるような静けさと、時折訪れる感情の高まりが巧みに表現されています。
左手の静かな伴奏と右手の印象的なメロディーラインが、聴く人の心に深い余韻を残します。
穏やかな中にも切なさを感じさせる本作は、静かな夜に一人で聴きたい、心に染み入る一曲です。
無言歌集 第1巻 第3番 狩人の歌 Op.19Felix Mendelssohn

力強く躍動感のある旋律が印象的なピアノ曲です。
狩りの情景を巧みに表現した本作は、ホルンの響きを思わせる華やかな音色と、繊細なリズムが特徴的。
1832年に出版されたアルバム『無言歌集 第1巻』に収録され、今なお多くのピアニストに愛され続けています。
音楽の中に描かれた狩りの興奮と高揚感は、聴く人の心を瞬く間に魅了するでしょう。
フェリックス・メンデルスゾーンの豊かな表現力が遺憾なく発揮された本作は、華やかで活気に満ちた演奏を楽しみたい方や、ピアノの多彩な表現力に触れたい方にぴったりの1曲です。
無言歌集 第1巻 Op.19 第1曲 甘い思い出Felix Mendelssohn

なめらかに流れるような16分音符の伴奏と、優美な旋律が実に叙情的で心地良いです。
こちらの『甘い思い出』はフェリックス・メンデルスゾーンの有名なピアノ曲集『無言歌集』の中の1曲で、有名な『春の歌』辺りと比べると知名度は劣るかもしれませんが、メンデルスゾーンの素晴らしいメロディセンスが際立つ作品ですしぜひピアノで美しい演奏に挑戦したいですね。
複雑な展開もなく、全体的にはシンプルな楽曲構成ですし中級者に差し掛かったくらいのピアニストであれば弾くことは可能でしょう。
まずはテンポを落として練習しつつ指定された記号を確実に覚えた上で、淡々と弾くのではなく楽曲の繊細なテーマを際立たせるようなエモーショナルな演奏を心がけてくださいね!
『6つの二重唱曲』Op.63 第4曲『秋の歌』Felix Mendelssohn

「6つの二重唱曲」は1、「わが愛をそそぎ」・2、「渡り鳥の別れ」・3、「挨拶」・4、「秋の歌」・5、「民謡」・6.「すずらんと花たち」の6曲から構成されるデュエット曲で声楽作曲家としてのメンデルスゾーンの才能を知らしめるに十分な作品に仕上がっています。
「秋の歌」はニコラウス・レーナウの詩にメンデルスゾーンが美しいメロディーを付けた作品で、しみじみとした「秋」の情緒を感じさせてくれる名曲です。
ああ、なんて急いで踊りの輪は終わり春は冬に変わるのだろうああ、なんて急いで悲しみの沈黙へとすべての喜びは変わってしまうのだろうすぐに最後の響きが消えすぐに最後の歌い手もいなくなると春のように甘い夢と愛はすぐに消えてゆくただひとつだけ消えないものは憧れ、それは決して褪せないもの歌詞大意です。
ソプラノ;バーバラ・ボニーメゾソプラノ;アンジェリカ・キルヒシュラーゲル
メンデルスゾーンの名曲|人気のクラシック音楽(41〜50)
挨拶 6つの歌から Op.19-aFelix Mendelssohn

私の心を抜け出した心地よい響きが静かに広がる。
響きよ、はるか遠くまで行け、花咲く彼女の家まで響けもし1輪の薔薇に出会ったら告げておくれ、私からの挨拶だと。
という言葉が綴られている詩です。
短くロマンチックなハインリッヒ・ハイネの詩に付した、簡素で優美な曲です。
メッゾソプラノ;エリザベート・クルマン:、ピアニスト:ウォルター・ムーアエリザベート・クルマンはオーストリアの歌手です。
ワーグナーやリストを得意とし、ベートーヴェンの第9、ミサ・ソレムニスなども歌います。
ウォルター・ムーアはアメリカからオーストリアに渡ったピアニストです。
無言歌集 第1巻 Op.19 第6曲『ヴェネツィアの舟歌 第1』Felix Mendelssohn

ドイツロマン派の巨匠が描いたヴェネツィアの情景。
穏やかな波の揺らぎを思わせる8分の6拍子のリズムが心地よく、ゴンドラが静かに水面を進む様子が目に浮かびます。
1830年10月に作曲されたこの曲は、メンデルスゾーン自身が『ヴェネツィアの舟歌』と名付けた珠玉の小品。
左手の柔らかな伴奏と右手の歌うようなメロディが絶妙な調和を生み出し、聴く者を幻想的な世界へと誘います。
技巧的な難しさはそれほど高くありませんが、繊細なタッチと表現力が求められる一曲。
ピアノ愛好家の皆さんにぜひチャレンジしていただきたい名曲です。
無言歌集 第2巻 Op.30 第3曲『慰め』Felix Mendelssohn

ドイツの作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの『無言歌集』は、言葉なしで感情を表現する珠玉のピアノ小品集です。
全8巻48曲からなるこのシリーズの中でも、第2巻に収められた本作は、悲しみの中にある慰めを優しく歌い上げる美しい旋律が印象的。
1830年代に作曲されたこの曲は、メンデルスゾーンの繊細な感性が存分に発揮されています。
柔らかなアルペジオと厚みのある和声が織りなす音の世界は、聴く人の心に寄り添い、深い安らぎをもたらしてくれることでしょう。
クラシック音楽に親しみたい方や、心を癒す音楽をお探しの方におすすめの一曲です。
讃美歌 98番 「天には栄え」Felix Mendelssohn

クリスマスを祝う代表的な賛美歌として知られるこの楽曲は、深い歴史的背景を持っています。
1739年にチャールズ・ウェスレーが作詞し、後にジョージ・ホウィットフィールドが改訂。
メロディは1840年にフェリックス・メンデルスゾーンが作曲したカンタータの一部から採用されました。
1855年にウィリアム・H・カミングズによって現在の形になり、広く普及しました。
本作は、キリストの誕生を通して神と人類の和解、平和と慈悲、そして新たな生命の光がもたらされることを祝福する内容です。
美しいメロディと力強いメッセージは、聖なる夜の雰囲気を高め、聴く者に深い感動を与えます。
クリスマスシーズンには多くの教会で歌われ、世界中のキリスト教徒に愛され続けています。
バイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64Felix Mendelssohn

初期ロマン派を代表する作曲家の一人に、フェリックス・メンデルスゾーンがいます。
彼は古典主義の伝統を尊重しつつ、感情が豊かな作品を多く残しました。
1845年に発表された本作は、ヴァイオリンの高度な技巧と美しい旋律が融合した名曲です。
第1楽章の情熱的な主題や、第2楽章の穏やかなメロディーは、多くの人々の心を捉えます。
メンデルスゾーンならではの繊細さと躍動感が感じられる一曲です。
クラシック音楽に親しみたい方や、ヴァイオリンの魅力を味わいたい方におすすめです。
時代を超えて愛され続けるこの作品は、幅広い層に楽しんでいただけるでしょう。
オルガン・ソナタ 変ロ長調 Op. 65 No. 4 MWV W59 IV. Allegro maestoso e vivaceFelix Mendelssohn

メンデルスゾーンが1845年に作曲したオルガンソナタの最終楽章。
バロック音楽の形式を取り入れつつ、ロマン派特有の表現力豊かな和声と構成美を融合させた壮大な曲です。
フーガを中心に展開される華麗なフィナーレは、荘厳でありながらも躍動感にあふれ、聴く人の心に強烈な印象を残します。
この曲は、イギリスでのオルガン演奏ツアーをきっかけに生まれました。
メンデルスゾーンは1837年以降、イギリスでオルガン音楽の普及に貢献。
その経験が、この作品の誕生につながったのです。
オルガン音楽を愛する方はもちろん、クラシック音楽に興味のある方にもオススメの1曲です。
おおひばり Op.48-4Felix Mendelssohn

お前の歌は何と優しい響き、ひばりよ、私を連れて喜びの中に高く舞い上がる。
お前と共に歌おう、雲を越えて羽ばたき、日に向かって昇って行こう;原詩の訳です。
日本語;おお、ひばり、高くまた軽く(かろく)何をか歌う(うとう)、天の恵み、地の栄、そを讃えて歌い、そを寿ぎ歌う歌っているのは板橋区混成合唱団です。
プロなのかどうか分かりませんが、大変上手ですね。
見事なカノン(追いかけっこ)です。
無伴奏(アカペッラ)で歌われます。
よろしかったら、Lerchengesang Op48-4 Felix Mendelssohnで動画検索なさってみてください。
いくつかありまして、速度もそれぞれ違い、個々の良さがあります。
アヴェ・マリア 8声によるモテット Op.23の2Felix Mendelssohn

アヴェマリアは1820年に作曲されたものと、1830年の混声合唱とオルガンのための「アヴェ・マリア」があります。
これは1830年に作曲された方で、8声による美しい音楽です。
テノールがアヴェマリア、と先ず歌い始め、重唱がそれに続きます。
中間部ではマリアへの嘆願、祈りです。
アヴェマリアとは「こんにちはマリア」あるいは「祝福されてあれ、マリア」という意味です。
曲の作りはアヴェマリア(アンダンテ)サンクタマリア(コンモート動きをもって)アヴェマリア(アンダンテ)。
ロイヤル教会アンサンブルがア・カペッラ(無伴奏)8声で歌っています。
時としてオルガン伴奏、あるいはクラリネット、バスーン、チェロ、コントラバス等が入る場合もあります。
ピアノ三重奏曲 第2番ハ短調 Op.66Felix Mendelssohn

ピアノ三重奏曲第一番と同じく哀愁が漂う曲です。
第一番ほど馴染まれていず、演奏回数は少ないのですが、じっくり聴き込みますと深い味わいのある曲です。
静かに始まり感情の河がうねって流れながら緊迫感が高まって行く情熱的な第1楽章から、晴れやかに澄み渡った空のような第4楽章のフィナーレまで、奥深い1品です。
少々古い1948年の録音。
伝説のヴァイオリニスト、ダビド・オイストラフの演奏でどうぞ。
クヌシェヴィツスキーがチェロを、ピアニストはオ—ボリン。
オイストラフは1955年に来日してセンセーションを巻き起こしたヴァイオリニストで、マイナーな小説ですが井上靖の「黒い蝶」はオイストラフの来日に題材を得た作品です。
演奏時間は29分
厳格な変奏曲 Op.54 U156 ニ短調Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンが1841年に作曲したピアノ独奏曲です。
ウィーンの出版社に依頼され、楽譜の売り上げはベートーヴェン記念像建立資金に充てられたものでした。
ロマン派に属しながら古典的な形式美を残した作風です。
変奏曲作品としてはベートーヴェンやモーツァルトの影響が強く、当時流行していたリストやショパンのヴィルトオーゾ(技巧的な演奏)による華麗な変奏曲とは一線を画しています。
円熟期の最高峰の1作です。
ニ短調のポリフォニックな厳格な主題と17曲の変奏曲で出来ています。
ニ短調を保ち、14曲目のみがニ長調です。
シンコペーションと3連符による主な変奏でドラマティックな、急速なコーダで締めくくられます。
演奏は前山仁美、日本のピアニストです。
演奏時間;約12分