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日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽

日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽
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日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽

クラシック音楽、と言われるとやはり誰でも知っている海外の作曲家による作品を思い浮かべますよね。

日常の場面でアレンジを変えて使われることも多いですし、ごく自然に多くの人が一度は耳にしていてすぐに名前を挙げられる作品は多く存在します。

それでは、日本人作曲家によるクラシック音楽の作品で知っているものを挙げてください、と言われてさっと答えられる方は少ないかもしれません。

ここでは日本人の作曲家が手掛けたクラシック音楽に注目、代表的な作品をピックアップしています。

日ごろからクラシック音楽を愛聴されている方々の中でも、あまり日本人の作品は聴いたことがないな、という方にもおすすめです。

日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽(1〜10)

ノヴェンバー・ステップス武満徹

日本が世界に誇る現代音楽家の巨匠、武満徹さんの代表作にして国際的に知られている歴史的な名曲が『ノヴェンバー・ステップス』です。

通常のオーケストラ編成に琵琶奏者と尺八奏者が加わり、西洋音楽と日本の伝統音楽が時間軸も文化もこえて向かい合うエポックメイキング的な作品であり、初演はあのニューヨーク・フィルハーモニックによって実現しました。

もともとはニューヨーク・フィルハーモニック125周年記念の委嘱作品として制作され、タイトルの『ノヴェンバー・ステップス』は初演が1967年11月9日という11月であったこと、作品の音楽的な構造として11の段を持つということに由来しています。

初演の大成功から世界中で演奏され続けている本作ですが、琵琶と尺八のソロ・パートのほとんどを薩摩琵琶演奏家の鶴田錦史さん、尺八奏者の横山勝也さんが演奏し続けたことでも有名ですね。

作曲者の武満さん、そして鶴田さんと横田さんが亡くなられた現代においても、彼らの精神は若い演奏家たちによって受け継がれています。

ピアノ協奏曲矢代秋雄

Akio Yashiro [矢代 秋雄]: Piano Concerto (Hiromi Okada, Yuasa, Ulster Orchestra)
ピアノ協奏曲矢代秋雄

1929年に東京で生まれ、幼いころから西洋音楽に親しみピアノの演奏や作曲などを早熟な才能を発揮していた矢代秋雄さん。

ヨーロッパの偉大な作曲家たちの影響を受けながらも、独自の美学に彩られた作品を生み出した矢代さんは、残念ながら46歳という若さでこの世を去っています。

そんな矢代さんの最高傑作とも言われ、日本人の手によるピアノ協奏曲の傑作と名高い作品が1967年に誕生した『ピアノ協奏曲』です。

初演は1967年の7月、若杉弘さんが指揮を務めたNHK交響楽団とピアニストの中村紘子さんの演奏によって披露されています。

それぞれが違った世界観を持つ全3楽章で構成され、20世紀以降の音楽史にその名を刻む傑作として世界中で演奏されている作品なのですね。

ピアニストに高度なテクニックが求められる作品としても知られており、初演を務めた中村紘子さんの名演はもちろん、他のピアニストやオーケストラによる録音を聴くことで、作品の本質的な魅力が理解できるのではないでしょうか。

SF交響ファンタジー第1番伊福部昭

Akira Ifukube Symphonic Fantasia No. 1 [伊福部昭 SF交響ファンタジー第1番 ]
SF交響ファンタジー第1番伊福部昭

北海道出身の伊福部昭さんは、クラシック音楽と映画音楽の分野で活躍した日本を代表する作曲家です。

伊福部さんの作品は、日本の民族音楽と西洋オーケストラを融合させた独特のスタイルが特徴的です。

本作は、伊福部さんがてがけた東宝特撮映画の音楽を再構成したコンサート用の管弦楽作品で、「ゴジラ」などの映画音楽が凝縮されています。

力強いリズムと印象的な旋律、独特の奏法が織り交ぜられ、怪獣映画の世界観を見事に表現しています。

特撮映画ファンはもちろん、クラシック音楽愛好家にもおすすめの一曲です。

管弦楽のためのラプソディ外山雄三

「管弦楽のためのラプソディ」 外山雄三作曲
管弦楽のためのラプソディ外山雄三

指揮者としても活躍する外山雄三さんが1960年に作曲した管弦楽曲、NHK交響楽団の海外演奏旅行にあたり制作されました。

日本の民謡のフレーズを取り入れた旋律、和太鼓などの日本の伝統楽器が編成に加わっている点など、和の空気を強調した管弦楽曲ですね。

日本の伝統と管弦楽の王道を融合させたようなおもしろい試みの楽曲で、交響曲の楽しさを伝えてくれているようにも思えます。

アクセントとしてポイントで奏でられる和楽器からも曲の世界観をしっかりと伝えてくれます。

日本狂詩曲伊福部昭

クラシック音楽にあまり詳しくないという方であれば、伊福部昭さんの名前は主に映画音楽で目にしているのではないでしょうか。

誰もが一度は耳にしたことのある『ゴジラ』の超有名なテーマ曲を始めとして、数え切れないほどの邦画の劇伴を手掛けた伊福部さんは、映画史においても欠かすことのできない存在ですよね。

とはいえ本稿の趣旨は「クラシック音楽の名曲」ですから、今回はほとんど独学で作曲を勉強したという伊福部さんによる管弦楽曲の名曲『日本狂詩曲』を紹介します。

1935年に書かれたこちらの作品は、伊福部さんによっても初めての管弦楽曲であり、ロシア出身の作曲家であるアレキサンドル・チェレプニンさんが主宰する賞で見事1位に輝き、世界デビューを果たすきっかけとなった記念すべき楽曲でもあるのですね。

当時21歳だった伊福部さんは、北海道庁の森林官として勤務しながら作曲したというのですから驚きです。

打楽器を全面に押し出したアンサンブルが放つ国や文化をこえた祝祭のような力強さと、日本的哀愁を帯びた旋律を聴いていると、何とも言えない郷愁にかられてしまいますね。

序曲 ニ長調山田耕筰

山田耕筰「序曲 ニ長調」(1912)
序曲 ニ長調山田耕筰

日本の近代音楽を代表する作曲家の山田耕筰が手掛けた日本初の本格的なオーケストラ作品です。

1912年、ベルリン留学中に完成させたこの曲は、メンデルスゾーンやシューマンの影響を受けた古典的なソナタ形式で構成されています。

冒頭から弦楽器による明るく力強い主題が奏でられ、豊かな流れと変化をもたらす展開が特徴的です。

わずか3分半ほどの短い作品ですが、日本のクラシック音楽の発展において歴史的な意義を持ちます。

1915年5月に帝国劇場で初演されて以来、日本の音楽界に大きな影響を与え続けています。

クラシック音楽ファンはもちろん、日本の音楽史に興味がある方にもおすすめの一曲です。

イーハトーブ交響曲冨田勲

初音ミク×冨田 勲「銀河鉄道の夜」スペシャルコラボ フルオーケストラ
イーハトーブ交響曲冨田勲

日本を代表する作曲家、冨田勲さんによる壮大な交響曲です。

宮沢賢治の幻想的な文学世界を音楽で表現した本作は、2012年11月に東京オペラシティで初演されました。

オーケストラや合唱団とともに、バーチャルシンガーの初音ミクをソリストに迎えた斬新なアプローチが話題を呼びました。

2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興を願う象徴としても制作され、賢治が生涯をささげた東北の自然があふれる原風景と、人々への愛が込められています。

シンセサイザーと伝統的なオーケストラサウンドが融合した幻想的で壮大な音世界は、クラシック音楽と現代テクノロジーの融合に興味がある方におすすめです。

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