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【印象派の音楽】日本の心を感じるクラシック作品をピックアップ

【印象派の音楽】日本の心を感じるクラシック作品をピックアップ
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【印象派の音楽】日本の心を感じるクラシック作品をピックアップ

19世紀後半、クロード・ドビュッシーやモーリス・ラヴェルを中心とするフランスの作曲家らによって発展した新たなクラシック音楽の流派「印象派」。

印象主義時代に生まれた音楽のなかには、日本や日本の絵画などからインスピレーションを受けて作曲された作品がいくつか存在します。

また、日本人作曲家のなかにも、印象派の面影を感じさせる作品を遺した人物がいます。

そこで今回は、日本と何かしらの関連性がある印象派の作品や、印象派に影響を受けた日本人作曲家の作品をピックアップ!

曲の背景や作曲家と日本のつながりといったエピソードとともにご紹介します。

【印象派の音楽】日本の心を感じるクラシック作品をピックアップ(1〜10)

混声合唱とオーケストラのための「レクイエム」三善晃

Miyoshi: Requiem for Mixed Chorus and Orchestra(1972)/ Kazuki YAMADA / TMSO
混声合唱とオーケストラのための「レクイエム」三善晃

日本を代表する作曲家のひとりである三善晃。

パリ音楽院留学時代の体験が彼の音楽性に大きな影響を与え、独自の作風を確立しました。

彼の代表作の一つである『混声合唱とオーケストラのための「レクイエム」』は、作曲者自身の戦争体験と理不尽な死への問いかけが込められた、反戦をテーマとする力強い作品です。

壮大なスケールと緻密な構成、そして深いメッセージ性を持つ本作は、クラシック音楽ファンのみならず、平和を願うすべての人に聴いていただきたい1曲です。

組曲「鏡」第3曲「洋上の小舟」Maurice Ravel

2014PTNA特級二次 鐵百合奈 ラヴェル:「鏡」より 洋上の小舟
組曲「鏡」第3曲「洋上の小舟」Maurice Ravel

フランスの作曲家モーリス・ラヴェルは、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した印象派音楽の代表的な人物です。

彼の音楽は、その緻密さと完璧なスタイルで知られており、『ボレロ』などの作品で広く親しまれています。

1904年から1905年にかけて作曲された『組曲「鏡」』の第3曲『洋上の小舟』は、海の波の流れや舟の揺れを想起させる美しい音楽です。

ピアノの演奏技術に高い要求がありますが、その美しい響きに魅了されずにはいられません。

海の美しさと神秘を感じたい方、印象派音楽の世界に浸りたい方にオススメの1曲です。

交響詩「海」Claude Debussy

子どものころをフランスのカンヌで過ごしたクロード・ドビュッシーは、「音楽家になっていなかったら船乗りになっていた」と語るほど、生涯にわたって海へのあこがれを抱き続けました。

そのようなドビュッシーが、海の印象を音楽で表現したのが3曲からなる交響詩「海」です。

葛飾北斎の浮世絵が楽譜の表紙になっていることも特徴です。

日本組曲 Op.33Gustav Holst

20世紀初頭に活躍したイギリスの作曲家グスターヴ・ホルストは『組曲「惑星」』で知られていますが、1915年に作曲された『日本組曲 Op.33』も見逃せない作品です。

この組曲は、日本人ダンサーの伊藤道郎からの依頼で作曲され、日本の伝統的な旋律をもとに、ホルスト独自の解釈で音楽が紡ぎ出されています。

プレリュードから4つのダンス、そしてインタールードと続く構成の中で、日本の風景や情景が巧みに描かれています。

特に「狼の踊り」のフィナーレは圧巻で、クラシック音楽ファンのみならず、異文化に興味を持つ方にもオススメの1曲です。

「映像」第2集 第3曲「金色の魚」Claude Debussy

ドビュッシー/映像 第2集 3.金色の魚 /演奏:加納裕生野
「映像」第2集 第3曲「金色の魚」Claude Debussy

フランスの作曲家クロード・ドビュッシーの革新的な作曲技法は、伝統的な和声法や旋法を超え、後世の作曲家たちに大きな影響を与えました。

『映像 第2集』に収められた『金色の魚』は、ドビュッシーが自身の書斎に飾っていた日本の漆器盆に描かれた錦鯉に触発されて作曲されました。

ドビュッシーの音楽は、日本的な感性と共鳴し、演奏者の技術だけでなく感性や想像力をも要求されるため、クラシック音楽愛好家だけでなく、印象派美術や日本文化に興味がある方にもオススメです。

古き日本のパステル画 Op.24 第2曲「聴く者なき琴うた」Marcel Tournier

フランスのハープ奏者、作曲家、そして教育者であったマルセル・トゥルニエ。

彼は、ハープ音楽の可能性を拡大し、レパートリーに多くの貢献をもたらしました。

トゥルニエの作品は、繊細な和声や詩的な表現、そして特定の文化や風景を音楽的に描写する独特の感性が特徴です。

『古き日本のパステル画 Op.24』は、その題名からもわかるように、日本の情景や文化への深い共感が感じられる作品。

印象派の影響を受けたその音楽性は、まるで絵画のように美しい情景を描かせてくれます

パロディ的な4楽章深井史郎

深井史郎: パロディ的な4楽章:生き生きとリズミカルに、ユーモアをもって[ストラヴィンスキーに] [ナクソス・クラシック・キュレーション #コミカル]
パロディ的な4楽章深井史郎

日本のクラシック音楽界に一石を投じた作曲家、深井史郎。

印象派へのオマージュを感じさせる管弦楽曲『パロディ的な4楽章』は、西洋音楽に影響を受けつつも独自の表現を追求した彼の代表作です。

各楽章に登場する作曲家たちの風刺的な「肖像画」は、深井のユーモアあふれる音楽観を反映しています。

一方で、日本人作曲家が西洋音楽を研究することの重要性を説く深いメッセージ性も感じられる本作は、クラシック音楽ファンのみならず、音楽を学ぶ全ての人にオススメできる名曲です。

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