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【印象派の音楽】日本の心を感じるクラシック作品をピックアップ

19世紀後半、クロード・ドビュッシーやモーリス・ラヴェルを中心とするフランスの作曲家らによって発展した新たなクラシック音楽の流派「印象派」。

印象主義時代に生まれた音楽のなかには、日本や日本の絵画などからインスピレーションを受けて作曲された作品がいくつか存在します。

また、日本人作曲家のなかにも、印象派の面影を感じさせる作品を遺した人物がいます。

そこで今回は、日本と何かしらの関連性がある印象派の作品や、印象派に影響を受けた日本人作曲家の作品をピックアップ!

曲の背景や作曲家と日本のつながりといったエピソードとともにご紹介します。

【印象派の音楽】日本の心を感じるクラシック作品をピックアップ

古き日本のパステル画 Op.24 第2曲「聴く者なき琴うた」Marcel Tournier

フランスのハープ奏者、作曲家、そして教育者であったマルセル・トゥルニエ。

彼は、ハープ音楽の可能性を拡大し、レパートリーに多くの貢献をもたらしました。

トゥルニエの作品は、繊細な和声や詩的な表現、そして特定の文化や風景を音楽的に描写する独特の感性が特徴です。

『古き日本のパステル画 Op.24』は、その題名からもわかるように、日本の情景や文化への深い共感が感じられる作品。

印象派の影響を受けたその音楽性は、まるで絵画のように美しい情景を描かせてくれます

パロディ的な4楽章深井史郎

深井史郎: パロディ的な4楽章:生き生きとリズミカルに、ユーモアをもって[ストラヴィンスキーに] [ナクソス・クラシック・キュレーション #コミカル]
パロディ的な4楽章深井史郎

日本のクラシック音楽界に一石を投じた作曲家、深井史郎。

印象派へのオマージュを感じさせる管弦楽曲『パロディ的な4楽章』は、西洋音楽に影響を受けつつも独自の表現を追求した彼の代表作です。

各楽章に登場する作曲家たちの風刺的な「肖像画」は、深井のユーモアあふれる音楽観を反映しています。

一方で、日本人作曲家が西洋音楽を研究することの重要性を説く深いメッセージ性も感じられる本作は、クラシック音楽ファンのみならず、音楽を学ぶ全ての人にオススメできる名曲です。

歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」Giacomo Puccini

プッチーニ 《蝶々夫人》 「ある晴れた日に」 マリア・カラス(1)
歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」Giacomo Puccini

イタリアオペラの巨匠ジャコモ・プッチーニの代表作『蝶々夫人』のなかでも特に印象的な、ヒロイン蝶々夫人が歌うソプラノアリア。

プッチーニは日本の音楽を研究し、現地の歌を取り入れるなど細部にまでこだわり抜いてこのオペラをっ作曲しました。

ヒロインが遠くにいる夫の帰りを待ち望む気持ちを歌い上げる楽曲は、彼女の純真な愛と夢への確固たる信念を表現しています。

オペラファンのみならず、日本文化に興味がある方にもぜひ聴いていただきたい名曲です。

春の海宮城道雄

Japanese Koto 春の海/Haru no Umi (Spring Sea) Composer/作曲者 Michio Miyagi/宮城道雄
春の海宮城道雄

日本の伝統音楽に新たな息吹を吹き込んだ作曲家、宮城道雄。

彼が1929年に発表した箏と尺八のための二重奏曲『春の海』は、春の訪れとともに静かに波打つ海を描写しています。

西洋音楽の影響を取り入れつつも、日本の四季の美しさと自然への敬愛にあふれたこの曲は、聴く者に穏やかな気持ちを与えてくれるでしょう。

本作は、日本の音楽教育でも取り上げられる名曲であり、日本人のみならず、世界中の人々に親しまれています。

日本の伝統音楽の魅力を味わいたい方や、心安らぐひとときを過ごしたい方にオススメの1曲です。

ピアノ組曲「白鳳の歌」第3曲「水煙」菅原明朗

2012王子ホール賞/内匠慧: 菅原明朗/水煙-[白鳳の歌]より-
ピアノ組曲「白鳳の歌」第3曲「水煙」菅原明朗

菅原明朗さんは、画学校に通いながら作曲法も学んだ作曲家。

ドイツ系が主流であった日本のクラシック音楽界に、フランス流の新風を吹き込んだことでも知られています。

彼が手掛けた『ピアノ組曲「白鳳の歌」』は、知名度はそれほど高くないものの、水彩画のような淡い色合いを思わせる美しい曲調で親しまれています。

特に、洗練された曲想とピアニスティックな要素が融合した第3曲『水煙』は、演奏会やコンクール曲としてたびたび取り上げられています。

日本組曲 Op.33Gustav Holst

20世紀初頭に活躍したイギリスの作曲家グスターヴ・ホルストは『組曲「惑星」』で知られていますが、1915年に作曲された『日本組曲 Op.33』も見逃せない作品です。

この組曲は、日本人ダンサーの伊藤道郎からの依頼で作曲され、日本の伝統的な旋律をもとに、ホルスト独自の解釈で音楽が紡ぎ出されています。

プレリュードから4つのダンス、そしてインタールードと続く構成の中で、日本の風景や情景が巧みに描かれています。

特に「狼の踊り」のフィナーレは圧巻で、クラシック音楽ファンのみならず、異文化に興味を持つ方にもオススメの1曲です。