【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~
19世紀後半にフランス・パリで起きた芸術運動「印象派」。
見たものを忠実に再現する写実主義がよしとされていた時代から、より自由な表現方法を求める時代への変化は、クラシック音楽史にも多大な影響を与えました。
そして、この印象派を代表する作曲家として後世に名を残したのが、クロード・ドビュッシーとモーリス・ラヴェル。
今回は、この2人の偉大な作曲家と、印象派の影響を受けたとされている19世紀の作曲家をピックアップし、光や色彩感を重要視した印象派らしさを感じさせる名曲をご紹介していきます!
もくじ
- 【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~
- 小組曲:第1曲「小舟にて」Claude Debussy
- 夢Claude Debussy
- 組曲「鏡」より「洋上の小舟」Maurice Ravel
- 水の戯れMaurice Ravel
- 夢想Claude Debussy
- ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy
- アラベスク 第1番Claude Debussy
- ロマンス Op.24-9Jean Sibelius
- 夜のガスパール 第1曲「オンディーヌ」Maurice Ravel
- 波のアラベスク三善晃
- ピアノソナタ 第2番 嬰ト短調 Op.19「 幻想ソナタ」Aleksandr Skryabin
- 亡き王女のためのパヴァーヌMaurice Ravel
- 映像 第1集 水の反映Claude Debussy
- 9つの前奏曲 Op.1Karol Szymanowski
- 旅の思い出 Op.71 第5曲「ティエラの門」Isaac Albéniz
- ジムノペディ 第1番Erik Satie
- 物語 第8曲「水晶の籠」Jacques Ibert
- ピアノソナタ 変ホ短調Paul Dukas
- 組曲『マ・メール・ロワ』より第3曲「パゴダの女王レドロネット」Maurice Ravel
- 組曲『マ・メール・ロワ』より第4曲「美女と野獣の対話」Maurice Ravel
- 前奏曲集第1集「帆/ヴェール」Claude Debussy
- 子供の領分 第1曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」Claude Debussy
- 小組曲よりⅣ『バレエ』Claude Debussy
- 生まれたばかりの王女のためのパヴァーヌCharles-Henry
- オルゴールCharles-Henry
- 組曲『マ・メール・ロワ』より 第1曲「眠れる森の美女のパヴァーヌ」Maurice Ravel
- 2つのアラベスク 第1番 ホ長調Claude Debussy
- 小組曲 1楽章「小舟にて」Claude Debussy
- 前奏曲集第1集「沈める寺」Claude Debussy
- 映像第2集「そして月は廃寺に落ちる」Claude Debussy
- ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)Éric Satie
- 組曲『マ・メール・ロワ』より第5曲「妖精の園」Maurice Ravel
- ベルガマスク組曲 第4番 パスピエClaude Debussy
- 子供の領分 第4曲「雪は踊っている」Claude Debussy
【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(1〜20)
小組曲:第1曲「小舟にて」NEW!Claude Debussy

暑い夏、心に一服の清涼剤となるような、クロード・ドビュッシーのピアノ連弾作品をご紹介しますね。
1889年2月にドビュッシーと出版社代表によって初めて二人で演奏されたこの作品は、4つの小品から成る組曲の冒頭を飾ります。
まるで水面をゆるやかに進む小舟を思わせる、穏やかで美しい旋律がとっても魅力的です。
歌詞こそありませんが、ベルレーヌの詩にインスピレーションを得ているそうで、月光の下で揺蕩う舟の情景や、遠い時代の優雅な雰囲気が心に広がるようです。
揺らめくピアノの音色が、聴く人を心地よい涼しさで包み込んでくれますね!
本作は管弦楽編曲版も広く知られ、一層豊かな色彩を感じられますし、館内BGMなどで耳にすることもあるかもしれません。
暑さで少しお疲れの時や、静かに心を落ち着けたい時にぜひ聴いてみてください。
ドビュッシーが「重すぎず短すぎない」サロン向けに考えたと言うように、気軽に優雅な気分に浸れることでしょう!
夢NEW!Claude Debussy

1890年にフランスの作曲家クロード・ドビュッシーが作曲したこの楽曲の魅力は、穏やかで幻想的な響きにあります。
A-B-A三部形式で構成され、分散和音による美しい伴奏の上に歌うような旋律が流れていきます。
中間部ではコラール風の和声が現れ、ドラマチックな表情を見せた後、再び静寂へと戻る構成です。
本作は調性が曖昧で、フェードアウトするような柔らかな終結が夢見心地の余韻を残します。
暑い夏の日に心の安らぎを求める方や、印象派音楽の色彩が豊かな響きを楽しみたい方におすすめです。
約4分という演奏時間で気軽に聴けるため、リラックスしたいひと時にぴったりの作品といえるでしょう。
組曲「鏡」より「洋上の小舟」NEW!Maurice Ravel

暑い日に聴きたくなる、モーリス・ラヴェルの涼やかな一曲はいかがでしょうか。
1906年にパリで出版されたピアノ組曲『Miroirs』の第3曲で、画家ポール・ソルドへ献呈された作品です。
広い海原を小舟がゆったり漂う情景が目に浮かび、聴くだけで心が洗われる気分になりますね。
本作の魅力は、きらめくアルペジオによる水の表現。
光を受けて揺れる水面や深い海の静けさを感じさせ、ピアノ一台とは思えないほど表情が豊かです。
140小節で36回も拍子が変わるのも、絶え間ない波の動きを巧みに捉えているからでしょう。
美しい音色で涼みたい方、印象派音楽がお好きな方に、きっと気に入っていただけるはず。
組曲『Miroirs』の他の曲とあわせて楽しむのも良いかもしれませんね。
水の戯れMaurice Ravel

モーリス・ラヴェルの『水の戯れ』は、1902年の初演以来、多くのピアニストに愛されている名曲です。
この作品の魅力は、心地よい水の流れを感じさせるような緩やかな旋律。
フランツ・リストの影響を受けながらも、水彩画のような淡い雰囲気が特徴的なラヴェルらしさを十分に楽しめ、さらに親しみやすさも感じられるこの曲は、印象主義の作品に触れる最初の1曲としてもオススメです。
発表会曲や練習曲として丁寧に取り組めば、演奏する喜びと技術の向上が体感できるでしょう。
夢想Claude Debussy

伝統的な和声法や音階を超えた革新的な作曲技法により、多くの後世の作曲家に影響を与えたクロード・ドビュッシー。
1890年頃に作曲された『夢想』は、平易な楽想とテクスチュアが特徴的なピアノ曲です。
分散和音にのった甘美な旋律とコラール風の中間部から成る、夢幻的な雰囲気ただようこの曲は、ドビュッシーの内面的な感情、特に愛情の複雑さを反映しているとも言われており、かすかな夢を見ているような、透明感のある音楽に仕上がっています。
静かな夜長に、ゆったりと心を委ねてみるのもオススメですよ。
ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy

クロード・ドビュッシーの作品の中でもっとも有名といっても過言ではない、ピアノの名曲『月の光』。
静かな夜の空にぼんやりと浮かぶ月と、その光が降り注ぐ神秘的な空間が目の前に浮かぶ、幻想的で美しい作品です。
ピアノ曲集『ベルガマスク組曲』の中の1曲ですが、単独で演奏されることも多く、この曲に憧れてピアノを習い始める大人の方も多くいらっしゃいます。
テクニック的にはそれほど難しくないものの、曲の世界観を表現するのは至難の業!
月の浮かぶ風景の写真などを見て、具体的なイメージを膨らませて演奏するのもオススメですよ!