【イベールのピアノ曲】20世紀フランスの作曲家が手掛けた珠玉の名作
おしゃれで洗練された作品が高く評価されている、ジャック・イベールさん。
第一次世界大戦で海軍士官として従軍したのち音楽学校を卒業した彼は、ローマ大賞受賞やパリの国立オペラ劇場の監督就任など多くの功績を残し、フランスを代表する作曲家として歴史に名を刻みました。
彼は、フランス政府からの依頼を受け日本の皇紀2600年を祝う『祝典序曲』を作曲しており、日本とゆかりのある作曲家としても知られています。
本記事では、そんなイベールさんの作品のなかからピアノ作品をピックアップ!
作曲の背景や作品の特徴とともにご紹介していきます。
【イベールのピアノ曲】20世紀フランスの作曲家が手掛けた珠玉の名作(1〜10)
6つの小品 第5曲「水上の朝」Jacques Ibert

20世紀を代表するフランスの作曲家、ジャック・イベールさん。
『6つの小品』の第5曲『水上の朝』は、穏やかな水面に朝日が差し込む情景が目に浮かぶような、描写的で感情豊かなスタイルを得意とする彼らしい作品。
優といえるでしょう。
優雅で上品なタッチは、まるで朝の静けさのなかで目覚める自然の息吹のよう!
水彩画のような柔らかい曲調と美しい旋律が癒やしを与えてくれる、ピアノを愛するすべての方にオススメしたい名曲です。
アルベール・ルーセルの名前によるトッカータJacques Ibert

フランスの作曲家ジャック・イベールさんは、多岐にわたるスタイルと表現力で知られています。
1929年に作曲された『アルベール・ルーセルの名前によるトッカータ』は、同僚であり友人でもあったルーセルさんへの敬意を込めた作品です。
技術的な難易度とリズミカルなエネルギーが凝縮されたわずか1分間ほどの短い曲ですが、イベール特有の明快さとフランス音楽のエレガンスが感じられます。
ピアノの響きを存分に楽しみながら、作曲家の思いに寄り添って演奏してみてはいかがでしょうか。
物語 第2曲「小さな白いろば」Jacques Ibert

ジャック・イベールさんは、20世紀のフランスを代表する作曲家のひとり。
海軍士官としての経験を経て、ローマ大賞受賞や国立オペラ劇場監督就任など輝かしい功績を残しました。
『物語』は1922年に発表された10曲の組曲。
そのなかの第2曲『小さな白いろば』は、明るい曲調が印象的な作品で、スタッカートを多用したテクスチャが楽しく軽快な雰囲気を演出します。
イベールさんらしい洗練された音楽性と親しみやすさを兼ね備えた本作は、晴れやかな気分になりたいときにもピッタリの1曲です。
6つの小品 第8曲「水晶の籠」Jacques Ibert

20世紀を代表するフランスの作曲家、ジャック・イベールが作曲した『6つの小品』の第8曲『水晶の籠』は、光を反射してきらめく水晶のイメージを見事に音で表現した作品。
透明感のあるピアノの音色が生み出す美しいハーモニーが、聴く者の心をやさしく包み込みます。
イベールさんはパリ音楽院で学び、ローマ賞を受賞するなど輝かしい功績を残しました。
彼の音楽はクラシカルな伝統に根ざしつつ、インプレッショニスティックで詩的な世界観を織り成します。
本作はまさにイベール作品の特徴を体現した1曲であり、初心者から上級者まで、イベールの音楽の魅力に浸りたい方にピッタリの1曲といえるでしょう。
廃墟の風Jacques Ibert

1890年生まれのフランス人作曲家ジャック・イベールさんは、新古典主義の軽妙で洗練されたスタイルで知られています。
彼の『廃墟の風』は、第一次世界大戦中の影響を受けて作られた短いが感情的な深みを持つピアノ曲です。
聴く者に強烈なビジュアルイメージを喚起し、戦時中の荒廃と失われた平和への憧れを音楽で表現しています。
風が廃墟を通り抜ける様子の描写が見事な本作は、イベール独特の技巧が光る秀作といえるでしょう。
15のイマージュによる小組曲 第8曲「ロマンス」Jacques Ibert

20世紀フランスを代表する作曲家ジャック・イベールさん。
彼の音楽はカラフルで洗練され、ときにウィットに富んだ表現が特徴です。
1943年に作曲されたピアノ組曲『15のイマージュによる小組曲』の第8曲『ロマンス』は、イベールさんの叙情的で優美な一面を感じさせてくれる名曲。
穏やかなメロディが印象的ですが、戦時下に生まれたこの曲からは、作曲家の内なる感情や社会状況も感じられます。
イベールの多彩な音楽性を堪能できる1曲は、クラシック音楽ファンはもちろん、ピアノ愛好家の方にもぜひ聴いていただきたい逸品です。
物語 第1曲「金の亀を使う女」Jacques Ibert

ジャック・イベールさんは、フランスを代表する20世紀の作曲家のひとりです。
彼の音楽は、新古典主義的でありながらお祭り気分に満ちた明るさや洗練されたユーモアに彩られています。
ピアノ曲集『物語』の第1曲『金の亀を使う女』は、幻想的で詩的なイメージを持ち、東洋的な雰囲気も感じさせる楽曲。
視覚的なイメージを音楽で表現する試みとして作曲された作品で、聴く人の想像力をかき立てる要素が豊富に盛り込まれています。
初めて聴く人でも心地よく世界観に浸れる本作は、イベールの音楽世界に触れてみたい方にオススメです。