【ピアノ変奏曲】偉大な作曲家が手掛けた珠玉の名作を一挙紹介!
曲が展開していく中で、テーマがさまざまな変化を遂げていくクラシック作品の形式の一つ「変奏曲」。
名作曲家らが遺した変奏曲は、ピアノ発表会やコンサートで演奏されるだけでなく、ピアノ演奏で必要なあらゆるテクニックが凝縮された教材として、長きにわたりピアノ学習者の間で親しまれています。
本記事では、そんな変奏曲の中でも特に知名度の高いピアノのために作曲された作品をピックアップ!
曲の背景や演奏のポイントをご紹介しますので、変奏曲に興味のある方はぜひ参考にしてください!
【ピアノ変奏曲】偉大な作曲家が手掛けた珠玉の名作を一挙紹介!
変奏曲 Op.41Nikolai Kapustin

ニコライ・カプースチンは、ウクライナ出身のロシアの作曲家兼ピアニストです。
『変奏曲 Op.41』は、ジャズの影響を受けつつクラシックの変奏曲形式を用いたピアノソロ作品で、ジャズの要素を含みながらも、伝統的な変奏曲形式を用いています。
特に終曲は、作品の中でも特にエキサイティングなフィナーレとされています。
カプースチンの作品は技術的に難しく、高速なテンポ、頻繁なシンコペーション、弾きづらいフレージングが特徴ですが、彼の音楽を学び、技術的および解釈上の挑戦を克服することは、演奏技術や作品理解力の向上に大きくプラスにはたらくでしょう。
パガニーニの主題による変奏曲 Op.35Johannes Brahms

ヨハネス・ブラームスは、ドイツロマン派を代表する作曲家で、ハンブルクに生まれ、ウィーンで亡くなりました。
彼は若い頃から音楽の才能を発揮し、ロバート・シューマンに認められたことで名声を確立。
1862年から1863年にかけて作曲された『パガニーニの主題による変奏曲 Op.35』は、バイオリンの奇才、ニコロ・パガニーニの『カプリッチョ第24番 イ短調』を主題とした全28の変奏曲で、深い情緒と超絶技巧が要求される練習曲としても知られています。
ブラームス自身「精巧な指のためのピアノの練習曲」と表現し、情熱的な旋律と華麗なパッセージが織りなす音楽は聴く者を圧倒します。
高度な技巧と音楽性が求められるこの曲は、ピアニストの憧れであり、ピアノコンクールでも頻繁に演奏される名曲となっています。
「うつろな心」による6つの変奏曲 WoO.70Ludwig van Beethoven

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの『「うつろな心」による6つの変奏曲 WoO.70』は、苦悩の中にあったベートーヴェンが作り上げた作品。
イタリアのオペラ作曲家ジョヴァンニ・パイジエッロの作品を変奏曲にしたもので、あの有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれた1802年10月の2週間後に出版されています。
変奏曲は、表現やテクニック、暗譜など、さまざまな要素で苦戦しやすい形式ですが、親しみやすいメロディが耳を心地よくくすぐるこの作品なら、はじめて変奏曲にチャレンジするお子さんでも挑戦しやすいはずです。
フランスの歌 「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲「きらきら星変奏曲」Wolfgang Amadeus Mozart

確かにシンプルなメロディと最低限の左手を合わせたアレンジで、ピアノ初級者の教則本に必ずといっていいほど掲載されている『きらきら星』。
しかし、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの変奏曲、通称『きらきら星変奏曲』は、中級者にとっても難儀なテクニックが詰め込まれたレベルの高い作品として知られています。
親しみのあるメロディが、高度なテクニックや表現力を有するアレンジに変化していく様子を楽しみながら演奏してみてくださいね!
アベック変奏曲 Op.1Robert Schumann

『アベック変奏曲 Op.1』は、ロベルト・シューマンが1829年から1830年にかけて作曲し、作品番号1として出版された初期の重要な作品です。
この曲は、シューマンの架空の友人メタ・アベッグにちなんで名付けられ、テーマとABEGGの音符を用いた5つの変奏から構成されています。
最終楽章では、幻想的なフィナーレの中で架空の人物が音楽的に消失していくという、シューマン独特の物語性が感じられる作品に仕上がりに。
若き才能あふれるシューマンの創造性が発揮された本作は、ピアノを学ぶ過程で挑戦してみたい魅力的な変奏曲といえるでしょう。