【クープランのピアノ曲】バロック時代の名鍵盤奏者が遺した名曲を紹介
1668年に多くの音楽家を輩出した名門「クープラン家」に生まれ、フランスのバロックの発展に貢献したフランソワ・クープラン。
一族のなかでも特に有名であることから「大クープラン」と称されるクープランは、鍵盤を押すことで弦が爪にはじかれ響きが生まれる鍵盤楽器、クラヴサンのための作品を数多く残したことで知られており、その作品たちは現在、バロック音楽を学ぶピアノの愛好家らによって親しまれています。
本記事では、そんなクープランのクラヴサン作品をピックアップ!
ピアノでの演奏動画とともにご紹介していきます!
【クープランのピアノ曲】バロック時代の名鍵盤奏者が遺した名曲を紹介(1〜10)
クラヴサン曲集 第2巻 第6組曲 第5曲「神秘的なバリケード」François Couperin

クープラン家出身の音楽家のなかでも特に偉大な存在として「偉大なるクープラン」と呼ばれ、後世に多大な影響を与えましたバロック時代の作曲家、フランソワ・クープラン。
彼のクラヴサンのための作品集『クラヴサン曲集』の第2巻第6組曲の5曲目は、『神秘的なバリケード』というタイトルで知られています。
「スティル・ブリゼ」と呼ばれる和音を断続的に奏でる奏法を取り入れ、神秘的な雰囲気を醸し出す一方で、絶え間なく変化する旋律、リズム、和声が複雑に絡み合う独特の響きは聴く者を魅了してやみません。
この曲の魅力を存分に味わうためには高度な演奏技術が求められますが、フランス・バロック鍵盤音楽の真髄に触れたい方にはぜひ取り組んでいただきたい作品です。
クラヴサン曲集 第3巻 第14組曲 第1曲「恋のうぐいす」François Couperin

フランソワ・クープランは、バロック時代のフランスを代表する作曲家であり、クラヴサンの名手でもありました。
彼が遺した数々の名曲のなかでも特に人気が高いのが、『クラヴサン曲集 第3巻』に収められた『恋のうぐいす』です。
この作品は、自然界の鳥の鳴き声を巧みに表現しており、うぐいすのさえずりを模倣した美しい旋律が印象的。
クープランならではの繊細で感情豊かな音楽は、恋愛の甘美さや切なさを見事に描き出しています。
本作は、バロック音楽の魅力を存分に味わえる作品であり、クラシック音楽を愛するすべての人にオススメしたい1曲です。
クラヴサン曲集 第1巻 第1組曲 第13曲「ブルボン家の女(ガヴォット)」François Couperin

バロック時代を代表するフランスの作曲家フランソワ・クープラン。
クープラン家のなかでも特に優れた才能を発揮した彼は「偉大なるクープラン」とたたえられています。
『クラヴサン曲集』は、彼の代表作のひとつ。
この曲集のなかでも特に人気が高いのが、第1巻に収められた『ブルボン家の女』の名で親しまれているガヴォットです。
宮廷舞踏の楽しげな雰囲気を感じさせる軽快なリズムと美しい旋律、そして華やかな装飾音符も魅力的な本作は、バロック音楽の入門にふさわしい作品といえるでしょう。
クラヴサン曲集 第3巻 第18組曲 第3曲「修道女モニク」François Couperin

フランス・バロック音楽の重要な作曲家であるフランソワ・クープランは、宮廷音楽だけでなく教会音楽にも貢献しました。
彼の『クラヴサン曲集』には、優雅なスタイルの典型ともいえる名曲が数多く収められています。
なかでも『修道女モニク』は、洗練された装飾や繊細な表現が魅力的な1曲。
複数の解釈が存在するというこの曲のタイトルからは、クープランの機知に富んだ感性がうかがえます。
技術的にはやや難易度が高いものの、バロック音楽の美しさを味わいたい中級者以上のピアノ愛好家にオススメしたい作品です。
クラヴサン曲集 第3巻 第17組曲 第2曲「小さな風車」François Couperin

フランスバロック音楽を代表する作曲家フランソワ・クープラン。
クープランのクラヴサン曲には、聴き手の想像力をかき立てるような詩的なタイトルが付けられています。
クラヴサン曲集第3巻第17組曲の第2曲『小さな風車』も、そんな彼の特徴が表れた曲の一つ。
風車の回転を思わせるような軽快な旋律と、風の吹き抜ける情景が目に浮かぶ繊細な音色が魅力の1曲です。
バロック音楽の洗練された美しさを感じられると同時に、クープランが得意とした感情表現の豊かさも存分に味わえるでしょう。
クラヴサン曲集 第3巻 第14組曲 第7曲「シテール島の鐘」François Couperin

バロック時代に活躍したクープラン音楽家一族のなかでも「クープラン・ル・グラン(偉大なるクープラン)」と称され、鍵盤音楽、室内楽、声楽作品など幅広い領域で才能を発揮したフランソワ・クープラン。
彼が遺したクラヴサン曲集第3巻のなかの1曲『シテール島の鐘』は、洗練された宮廷の趣味や知的生活の質を反映し、独特の響きやリズムで聴く者の想像力を刺激する印象的な作品です。
タイトルだけでも、島で鳴り響く鐘の音を連想させるこの曲、ぜひ実際に聴いて確かめてみてはいかがでしょうか?
クラヴサン曲集 第3巻 第13組曲 第2曲「葦」François Couperin

優雅な装飾音が美しい、バロック時代のフランス音楽を代表する作曲家フランソワ・クープランの『クラヴサン曲集』。
第3巻第13組曲の2曲目に収められ『葦』というタイトルが付けられたこの作品は、静かで詩的な雰囲気に包まれた作品です。
クープランは描写的な題名を使うことで、聴く人の想像力をかき立てるのが得意でした。
この曲のタイトルと曲想からは、誰もが風にそよぐ葦の美しさと、自然の中にたたずむ人の感慨を感じられるはずです。