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【ドホナーニのピアノ曲】ハンガリーの秀才が手掛けた名曲を一挙紹介

【ドホナーニのピアノ曲】ハンガリーの秀才が手掛けた名曲を一挙紹介
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【ドホナーニのピアノ曲】ハンガリーの秀才が手掛けた名曲を一挙紹介

1877年にハンガリーで生まれ、指揮者、ピアニスト、音楽教師、学校管理者として多忙を極めるなか、精力的に創作活動を続けた作曲家、ドホナーニ・エルネー。

優れたピアニストであったドホナーニは、ピアノテクニックの教則本を出版したことでも知られ、彼が遺したテキストは現在、どのようなレベルのピアノ学習者でも取り組める指練習の教材として親しまれています。

今回は、そんなドホナーニの作品のなかから、ピアノソロ作品やピアノを含む編成で演奏される作品をご紹介します!

【ドホナーニのピアノ曲】ハンガリーの秀才が手掛けた名曲を一挙紹介(1〜10)

3つの小品 Op.23 第1曲「アリア」Dohnányi Ernő

安並 貴史 E.v.ドホナーニ /3つの小品 Op.23より「アリア」
3つの小品 Op.23 第1曲「アリア」Dohnányi Ernő

20世紀初頭のヨーロッパ音楽界に大きな足跡を残したハンガリーの作曲家、ドホナーニ・エルネーの作品は、ロマン主義の影響を受けつつも、洗練された独自の音楽性で知られています。

1913年に発表された『3つの小品』に収められた『アリア』は、叙情的な美しさと技巧的な華やかさを兼ね備えた作品です。

深い感情と繊細な表現力が求められるこの曲は、上級者の腕の見せどころ。

しっとりと歌い上げる旋律は、聴く者の心に深く響くことでしょう。

ピアノの響きを存分に味わいたい方にオススメの1曲です。

4つの狂詩曲 Op.11 第3番 ハ長調Dohnányi Ernő

Dohnányi : Rhapsody Op.11-3 in C major / ドホナーニ:狂詩曲 作品11-3 ハ長調
4つの狂詩曲 Op.11 第3番 ハ長調Dohnányi Ernő

ハンガリー出身の作曲家ドホナーニ・エルネーは、ピアニスト、指揮者としても活躍した、後期ロマン派音楽を代表する人物として知られています。

彼の代表作のひとつ『4つの狂詩曲』は、ヨハネス・ブラームスからの影響とハンガリー風の味わいが融合した魅力的な作品。

なかでも第3番は、スケルツォ的な明るさと活動的な雰囲気が印象的。

高度なテクニックと表現力が求められますが、ドホナーニの幅広い音楽性を味わえる、ピアノ上級者の方にぜひ弾いていただきたい作品です。

6つのピアノ小品 Op.41 第1曲「即興曲」Dohnányi Ernő

Ernst von Dohnányi, piano – Dohnányi – Six Piano Pieces, Op. 41 (1946 – complete)
6つのピアノ小品 Op.41 第1曲「即興曲」Dohnányi Ernő

ブダペスト・フィルハーモニックの指揮者を務めるなど、ハンガリー音楽界の中心人物として活躍したドホナーニ・エルネーは、ピアニストとしても優れた才能を発揮しました。

彼の代表的なピアノ小品集『6つのピアノ小品 Op.41』は、第二次世界大戦直後の1945年に作曲されたもの。

息子を亡くした直後に書かれたという『クロッシュ(鐘)』など、悲しみや喪失感が色濃く反映された曲が並びます。

一方で冒頭を飾る『即興曲』は、自由奔放な即興的要素をちりばめつつ、バロック舞曲を思わせるような洗練された趣も感じられる作品です。

成熟期のドホナーニが残した音楽的遺産ともいえる本作は、高度な演奏技術とともに豊かな感性を持つピアニストに、ぜひ弾きこなしてほしい曲集といえるでしょう。

4つの狂詩曲 Op.11 第1番 ト短調Dohnányi Ernő

Dohnányi – 4 Rhapsodies, op. 11 (Audio+Sheet) [Dohnányi]
4つの狂詩曲 Op.11 第1番 ト短調Dohnányi Ernő

ハンガリー出身の作曲家、ピアニスト、指揮者として知られるドホナーニ・エルネーは、後期ロマン派音楽の代表的な人物であり、ハンガリー音楽の20世紀における礎を築いたと評価されています。

彼が遺した『4つの狂詩曲 Op.11』は、クラシックとロマン派の形式を継承しつつ即興的な要素を取り入れた意欲作。

第1番は、さまざまな感情や気分を連続して表現し、表現力と技巧の探求に重きを置いた作品で、彼の創造性が色濃く反映されています。

歌詞はありませんが、情熱的で技巧的な演奏から作曲者の思いをくみ取ることができるでしょう。

高度な演奏技術が求められるこの曲は、確かな技術とともに豊かな感性を持つピアニストに、ぜひ取り組んでいただきたい作品です。

4つの狂詩曲 Op.11 第2番 嬰ヘ短調Dohnányi Ernő

Dohnányi plays his Rhapsody in F sharp minor Op.11 no.2 (1957)
4つの狂詩曲 Op.11 第2番 嬰ヘ短調Dohnányi Ernő

ハンガリーの音楽界を代表する作曲家、ドホナーニ・エルネーは指揮者やピアニスト、音楽教師など多彩な才能を発揮した人物。

ブダペスト・フィルハーモニックの首席指揮者を務め、ハンガリー放送の音楽監督としても活躍しました。

ドホナーニが残した『4つの狂詩曲』は、特にピアニストとしての彼の技術と表現力がいかんなく発揮された作品。

第2番の嬰ヘ短調は、深い音楽性と作曲における高い技術的習熟度を示す狂詩曲で、リストの後継者としてのドホナーニの立ち位置を強調しています。

ポストロマン派の影響を受けつつ、独自の音楽的内容と表現で彩られた本作は、高度な演奏技術を持つピアニストにこそオススメしたい名曲です。

6つの演奏会用練習曲 Op.28 第1番Dohnányi Ernő

Ernő Dohnányi – 6 Concert Etudes Op. 28 (audio + sheet music)
6つの演奏会用練習曲 Op.28 第1番Dohnányi Ernő

ハンガリーに生まれた天才ピアニスト、作曲家であり音楽教師としても多大な功績を残したドホナーニ・エルネー。

彼が1916年に完成させた『6つの演奏会用練習曲 Op.28』は、単なる技術的な練習曲の枠を超え、演奏会で披露するにふさわしい音楽性を備えた全6曲からなる作品集です。

第1番は、16分音符が織りなすきらびやかな響きとブラームスを想起させる和声進行が特徴的。

ドホナーニが敬愛したリストの『超絶技巧練習曲』をほうふつとさせる超絶技巧はもちろんのこと、後に続く5曲でも多彩な表情と高度な技術が求められます。

高度な演奏技術を身につけたい上級者にオススメの作品です。

ハンガリー牧歌 Op.32a 第1番Dohnányi Ernő

『ムジカノーヴァ』2021年4月号 連載「ドホナーニの作品世界へようこそ」第1回《ハンガリー牧歌》Op.32a 第1曲 演奏:鈴木啓資
ハンガリー牧歌 Op.32a 第1番Dohnányi Ernő

ブダペストの王立国立ハンガリー音楽アカデミーで学び、若くしてブラームスに認められるなど、早くから才能を開花させたドホナーニ・エルネー。

彼の音楽は後期ロマン派の影響を受けつつも、ハンガリーの民俗音楽の要素も取り入れた独自のスタイルを確立しています。

『ハンガリー牧歌』は、故郷の自然や情景を思い起こさせる牧歌的な雰囲気を醸し出した作品。

7つの楽章からなり、それぞれが異なる民謡に基づいた個性的な音楽で彩られています。

透明感のある響きと洗練されたピアニズムが魅力の叙情的で味わい深い本作は、ロマン派の香り漂うドホナーニの音楽世界に触れたい方にオススメの1曲です。

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