【アルベニスのピアノ曲】情熱的なスペインの作曲家が遺した名曲を厳選
スペイン民族音楽の影響を受けた作品で知られる作曲家兼ピアニスト、イサーク・アルベニス。
1860年にスペインのカタルーニャで生まれ、4歳の頃にはピアノを弾きこなし天才的な才能を周囲に披露していた彼が遺した作品は、高度な技巧を要するピアノ曲をはじめ、歌劇や管弦楽曲、協奏曲、歌曲など多岐にわたります。
今回はそのなかから、スペインの香り漂うピアノ作品をピックアップ!
楽曲の特徴や作曲の背景とともにご紹介していきます。
【アルベニスのピアノ曲】情熱的なスペインの作曲家が遺した名曲を厳選(1〜10)
組曲「スペイン」Op.165 第2曲「タンゴ」Isaac Albéniz

スペイン民族音楽の香り漂う、情熱的な世界観を音楽で表現したイサーク・アルベニス。
『組曲「スペイン」Op.165』の第2曲『タンゴ』は、スペインの文化や風土を感じさせる美しいメロディとリズムが魅力的な作品です。
ニ長調の温かい響きに乗せて、ハバネラ風の南国的なタンゴのリズムが最後まで続きます。
ピアノソロ曲として書かれましたが、ギターをはじめとするさまざまな楽器の編曲版も出版され、スペインへの旅情を誘う名曲として広く親しまれています。
聴く人の心に安らぎと情熱を与えてくれる本作は、ぜひ一度は耳にしていただきたい作品です。
12の性格的な小品集 Op.92 第12曲「朱色の塔」Isaac Albéniz

スペインの伝統音楽にインスピレーションを受けた独特の世界観を持つイサーク・アルベニス。
彼の作品『12の性格的な小品集』の最終曲は、アンダルシア地方の風景を描いた美しい小品です。
ホ長調からホ短調へと移り変わる調性の変化と、ギターを思わせるアルペジオが織りなす旋律が、スペインの大地や空気を感じさせます。
アルベニスの故郷への思いが込められたこの曲は、彼の作品の中でも特に魅力的な作品。
心を落ち着かせたいとき、スペインの情景を思い浮かべながら聴いてみてはいかがでしょうか。
スペイン組曲 第1集 Op.47 第1曲「グラナダ」Isaac Albéniz

温かく親しみやすいメロディと洗練された技巧が融合した『スペイン組曲』。
スペインの作曲家であり、ピアニストでもあったイサーク・アルベニスが生み出した名曲の数々は、スペイン民謡の影響を受けつつ、独自の音楽性を打ち出しています。
そのなかでも情熱的な魅力が詰まった組曲の第1曲は、アンダルシアの街、グラナダの情景を鮮やかに描いた作品。
旋律の美しさと華麗なピアニスティックが見事に融合し、聴く者の心をつかんで離しません。
アルベニスの音楽世界に浸りたい方や、スペインの風を感じたい方にオススメの1曲です。
組曲「イベリア」第2巻 第3曲「トゥリアーナ」Isaac Albéniz

19世紀後半のスペインが生んだ偉大なピアニスト兼作曲家、イサーク・アルベニス。
彼の生涯と作品はスペイン音楽の歴史に大きな足跡を残しました。
『組曲「イベリア」』は、アルベニスの円熟期に書かれた大作で、スペイン各地の風土や民族音楽をピアノで見事に描き出しています。
特に第2巻の終曲は、セビリアのジプシー地区の情景をほうふつとさせる魅惑的な音楽。
この曲を通して、アルベニスの祖国への深い愛情を感じずにはいられません。
情熱的なスペインの響きを味わいたいピアノ音楽ファンに、ぜひオススメしたい名曲です。
組曲「イベリア」第3巻 第1曲「エル・アルバイシン」Isaac Albéniz

スペイン民族音楽の影響を色濃く受けた作風で知られるイサーク・アルベニス。
彼が生み出した『組曲「イベリア」』は、スペインの風土や文化を音楽的に描写した全4巻からなる大作で、印象派的な響きとスペインの地域性が絶妙に融合した名曲ぞろいです。
なかでも第3巻の1曲目は、グラナダのジプシー地区の情景を想起させる、哀愁を帯びた旋律とリズムが印象的。
スペインへの愛と憧れを胸に秘めた作曲家の深い洞察が感じられる1曲です。
ピアノの名曲に触れたい方にぜひ味わっていただきたい作品です。
マジョルカ(舟歌)嬰ヘ短調 Op.202Isaac Albéniz

スペインの情熱的な作曲家兼ピアニスト、イサーク・アルベニス。
彼の作品は、スペインの民族音楽を基にしたピアノ曲で最もよく知られていますが、その範囲はそれだけに留まりません。
『マジョルカ』は地中海に浮かぶ豊かな島を題材にしており、穏やかで郷愁を誘う音楽を通して、美しい風景や文化を見事に描写しています。
アルベニスならではの色彩豊かなイディオムと高度な技術を要するピアノ曲の魅力を、存分に味わえる1曲です。
スペインの香り漂う音楽に心ひかれる方にオススメしたい作品です。
旅の思い出 Op.71 第6曲「入り江のざわめき(マラゲーニャ)」Isaac Albéniz

スペインの情熱を体現する作曲家であり、ピアニストでもあるイサーク・アルベニスは、スペイン各地の文化や風土を見事に音楽で描き出しました。
1886年から1887年にかけて作曲された『旅の思い出 Op.71』より第6曲『マラゲーニャ』は、スペインの大きな港町マラガに伝わる民謡をモチーフにしたピアノ独奏曲。
アルベニスならではの独自の解釈と技巧が駆使された1曲です。
情熱的で豊かな表現力あふれる本作は、アルベニスのピアノ作品のなかでも屈指の人気を誇る魅力的な作品。
スペインの香りに包まれたいピアノ愛好家の方は、ぜひ一度聴いてみては?