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【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作

【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作
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【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作

作曲家であり、ビオラ、バイオリン、クラリネット、そしてピアノを弾きこなす多才な演奏家でもあった、ドイツ出身の音楽家、パウル・ヒンデミットさん。

彼はロマン主義からの脱却をはかるべく個人の内面を追求する「新即物主義」を推し進め、同時代の音楽家に大きな影響を与えました。

本記事ではそんなヒンデミットさんの作品のなかから、ピアノ独奏曲や秀逸なピアノパートが光る作品をピックアップ!

作曲の背景や楽曲の特徴とともにご紹介します。

【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作(1〜10)

ラグタイムPaul Hindemith

Paul Hindemith — Ragtime for Piano four hands – 1921
ラグタイムPaul Hindemith

20世紀前半のドイツを代表する作曲家パウル・ヒンデミットさんは、ビオラやバイオリン、クラリネット、ピアノなど多彩な楽器を自在に操る演奏家としての一面も持ち合わせていました。

当時の芸術潮流であった新即物主義の影響を受けつつ、1920年代初頭に書かれたピアノ曲『ラグタイム』は、バッハのフーガを下敷きにしながらも、ジャズやポピュラー音楽のリズムを大胆に取り入れた意欲作。

ヒンデミット独自の調性感とユーモアが感じられる1曲は、彼の初期における実験的な作風を知る上でも重要な作品といえるでしょう。

クラシック音楽の新たな可能性を切り拓こうとした革新的な作曲家の姿勢に触れてみたい方にオススメです。

ルードゥス・トナリス-対位法、調性およびピアノ奏法の練習 第1曲「プレリュードとフーガ」Paul Hindemith

ヒンデミット:ルードゥス・トゥナリスより 1 プレリュード&フーガ in C Pf.高木早苗
ルードゥス・トナリス-対位法、調性およびピアノ奏法の練習 第1曲「プレリュードとフーガ」Paul Hindemith

20世紀を代表する作曲家のひとり、パウル・ヒンデミットさんの『ルードゥス・トナリス』。

この作品は、対位法や調性の探求を通して、音楽の可能性を追求した意欲作です。

バッハの『平均律クラヴィーア曲集』に触発され『プレリュード』『フーガ』『インテルルディウム』などを組み合わせた独創的な構成が魅力的な本作は、各フーガが異なる調性で書かれ、絶妙なバランスで全体が構築されています。

高度な演奏技術を要する難曲ですが、その音楽的深みに触れる価値は十分。

ヒンデミットの音楽美学を堪能したい方にオススメの1曲です!

2台のピアノのためのソナタPaul Hindemith

Paul Hindemith – Sonata for Two Pianos (1942) [Score-Video]
2台のピアノのためのソナタPaul Hindemith

20世紀を代表するドイツの作曲家パウル・ヒンデミットさんによる『2台のピアノのためのソナタ』。

バロック音楽やジャズの要素を取り入れた独自のスタイルで書かれたこの曲は、彼の作品のなかでも特に成熟した時期のものと位置づけられています。

難解な音楽理論に基づいた複雑な構成ながらも、2台のピアノが織りなす豊かな音楽性は聴く者を魅了してやみません。

同時代の作曲家ストラヴィンスキーさんの『2台のピアノのための協奏曲』と並ぶ、ピアノ二重奏の重要レパートリーといえるでしょう。

一筋縄ではいかない練習が必要になりますが、現代音楽の真髄を味わいたいピアノデュオには、ぜひ取り組んでいただきたい作品です。

ある夜に-夢と体験 Op.15 第1番「疲労」Paul Hindemith

ヒンデミット:ある夜に-夢と体験 第1番と第2番  pf. 金澤 攝:Kanazawa, Osamu
ある夜に-夢と体験 Op.15 第1番「疲労」Paul Hindemith

20世紀を代表する作曲家、パウル・ヒンデミットさんの『ある夜に-夢と体験 Op.15』は、彼の内面世界を表現した知る人ぞ知る名曲です。

全14の小曲からなる本作は、夜のさまざまな情景や感情を描いた美しい音の絵巻。

第1番『疲労』は、ゆったりとしたテンポと繊細なタッチで、静かな夜の疲れや静寂を見事に表現しています。

さらに『窓の前の二つの木の幻想的なデュエット』など、各曲に込められた音楽的メッセージにじっくり耳を傾けてみてください。

夜のひとときに、ヒンデミットの感性豊かな音楽の世界にひたってみてはいかがでしょうか。

ピアノ、金管と2台のハープのための協奏音楽 Op.49Paul Hindemith

Paul Hindemith – Konzertmusik for Piano, Brass and Two Harps, Op. 49 (1930) [Score-Video]
ピアノ、金管と2台のハープのための協奏音楽 Op.49Paul Hindemith

20世紀前半を代表するドイツの作曲家、パウル・ヒンデミットさんの手によるピアノ協奏曲『ピアノ、金管と2台のハープのための協奏音楽 Op.49』。

1930年に作曲されたこの作品は、彼の音楽スタイルの変遷を示す重要な1曲とされています。

4つの楽章からなるこの協奏曲は、各楽章が異なる性格を持ち、特に最終楽章では民謡の引用が見られるなど、より透明感のある音楽へと移行しようとしたヒンデミットさんの意図が感じられます。

当時の評論家からも高く評価され、現代音楽の重要なレパートリーとして位置づけられている本作は、彼の業績を理解する上で欠かせない作品です。

クラシックファンならずとも、一度は耳にしてみたい名曲といえるでしょう。

ピアノソナタ 第1番 イ長調「マイン川」Paul Hindemith

20世紀前半のドイツを代表する作曲家パウル・ヒンデミットさんは、多彩な楽器を操り、新即物主義の作風で同時代の音楽家に影響を与えました。

1936年に作曲された『ピアノソナタ 第1番 イ長調「マイン川」』は、詩的なインスピレーションを感じさせつつ、旅と風景をテーマにした独自のスタイルが魅力です。

全5楽章で構成され、各楽章が対照的な特徴を持ちながら、メランコリックで内省的な雰囲気で統一されています。

ヒンデミットさんならではの創造性豊かで感情表現の深い作品を、ぜひ味わってみてください。

ピアノソナタ 第2番 ト長調Paul Hindemith

Hindemith: Piano Sonata No. 2, Heidsieck (1959) ヒンデミット ピアノソナタ第2番 ハイドシェック
ピアノソナタ 第2番 ト長調Paul Hindemith

「新即物主義」を推し進め、同時代の音楽家に大きな影響を与えたパウル・ヒンデミットさん。

1936年に作曲された『ピアノソナタ 第2番 ト長調』は、3つのピアノソナタのなかで最も短く、技術的には比較的易しく親しみやすい作品とされています。

3つの楽章は、明快な様式の第1楽章、短くシンプルなスケルツォの第2楽章、そしてメランコリックな旋律から軽快なロンドへ移行する第3楽章と、変化に富んでいます。

ヒンデミットさんらしい繊細な書法とバロックの要素を感じられるこの曲は、クラシック音楽初心者からピアノ愛好家まで、幅広い方にオススメです!

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