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【現代曲】ピアノの不思議な響きに惹かれるクラシック作品を厳選!

【現代曲】ピアノの不思議な響きに惹かれるクラシック作品を厳選!
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【現代曲】ピアノの不思議な響きに惹かれるクラシック作品を厳選!

クラシックの現代曲といえば「複雑すぎる響き」「目を疑う超絶技巧」「理解不能……」このようなイメージをお持ちの方も多いはず。

確かに、クラシック音楽が行き着いた「現代における最終形態」ともいえる現代曲には、解釈の難しい作品も数多く存在しますが、作曲家の意図や作曲の背景を知ることで、曲の魅力が見えてくることもあります。

今回は、そんな難解と思われがちな現代曲の中から、ピアノ独奏のために作曲された作品をご紹介します。

現代曲に挑戦してみたい方や、ぜひチェックしてくださいね!

もくじ

【現代曲】ピアノの不思議な響きに惹かれるクラシック作品を厳選!(1〜20)

ピアノのための練習曲集 第2巻 第13番「悪魔の階段」György Ligeti

György Ligeti: Étude No. 13: L’escalier du diable / The Devil’s Staircase
ピアノのための練習曲集 第2巻 第13番「悪魔の階段」György Ligeti

ルーマニア出身の作曲家、リゲティ・ジェルジュ。

現代クラシックにおいて大きな影響を残した彼の音楽は実験的で、なかでも練習曲に関してはピアノという楽器の限界を求めるかのように、さまざまな挑戦が繰り返されました。

そんな彼の作品のなかで、特にオススメしたい難しい作品が、こちらの『ピアノのための練習曲集 第2巻 第13番「悪魔の階段」』。

音階の上がり下がりが非常に多いだけでなく、その状態を5分以上続けなければならないという、ピアニスト泣かせな1曲です。

スクランブル交差点NEW!橋本晃一

都会の喧騒をダイナミックに表現した楽曲で、リズミカルで躍動感があふれるメロディが印象的な1曲です。

8分の6拍子や変拍子を取り入れた構成で、交差点を行き交う人々の様子が音楽で巧みに描写されています。

アルバム『やっぱりピアノがすき!

<下巻>』に収録された本作は、渋谷のスクランブル交差点をイメージして作られており、メロディと伴奏のバランスが絶妙です。

テンポのある楽曲ながら、表情が豊かな演奏が可能で、発表会での演奏にぴったり。

クラシックとポップスの要素を融合させた現代的な雰囲気が、舞台で映える作品に仕上がっています。

かっこよい曲を探している男の子の発表会用レパートリーとしてもおすすめです。

プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード 「ソナタ 第5番」John Cage

20世紀の前衛音楽を代表する作曲家ジョン・ケージさん。

彼は不定性音楽、電子音楽、従来と異なる楽器の使用法を開拓し、後期戦後の前衛芸術の中心人物の一人とされています。

彼の代表作『プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード』は、弦の間にボルトやゴムなどを挟み、パーカッションのような響きを生み出す「プリペアド・ピアノ」を用いた革新的な作品です。

東洋思想から影響を受けたこの作品は、音楽における「偶然性」や「沈黙」といった概念を取り入れ、聴く人に新たな音楽体験を提供します。

伝統的な音楽の枠組みを超えた彼の試みは、現代音楽に興味がある方や、音楽の可能性を探求したい方にオススメです。

8つの演奏会用エチュード Op.40 第3番「トッカティーナ」Nikolai Kapustin

ウクライナを代表する偉大な作曲家、ニコライ・カプースチン。

近代音楽をベースにしたトリッキーな音楽性が魅力で、世界中のコアなクラシック愛好家からも非常に高い評価を集めていますね。

カプースチンの名曲といえば、こちらの『トッカティーナ』をイメージする方も多いのではないでしょうか?

この楽曲は近代音楽とアバンギャルドなジャズをミックスさせたような作品で、修行を積んだピアニストでも油断はできないほどの、高い難易度をほこります。

鳥のカタログ 第1巻 第1番「キバシガラス」Olivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家、オルガニスト、そして教師であるオリヴィエ・メシアンさんの作品『鳥のカタログ』。

本作はメシアンの深い鳥の歌への興味と彼が行った野外調査に基づいており、自然の美しさと複雑さを音楽に捉えようと試みた意欲作です。

『鳥のカタログ』は全7巻からなり、それぞれの曲は特定の地方に生息する鳥の鳴き声にインスピレーションを得ています。

アルプス地方のキバシガラスの歌声を模倣した本作からは、10代の頃から鳥の歌に魅了されたメシアンの音楽と自然への深い愛を感じ取ることができるでしょう。

クラシック音楽になじみのない方でも、本作を通して自然界に存在する神秘的な美しさを感じられるのではないでしょうか。

ピアノソナタ 変ホ短調 Op.26Samuel Barber

BARBER Sonata for Piano, op. 26 – Kenny Broberg – Cliburn 2017
ピアノソナタ 変ホ短調 Op.26Samuel Barber

20世紀を代表する作曲家のひとりであるサミュエル・バーバーさん。

彼が1949年に発表した唯一のピアノソナタは、技巧的に極めて難しい作品ながら、単なる見せ場以上の深みを持っています。

バーバーさんは20世紀の音楽的アイデアを伝統的な形式と融合させ、クロマチシズムや12音技法を用いて複雑な音の世界を構築。

特に終楽章のフーガは圧巻で、演奏家に高度な技術を要求しつつ、独自の音楽性が色濃く反映されています。

彼の抒情的なスタイルと対位法的手法が絶妙に絡み合う本作は、クラシック音楽になじみのない方にもぜひ聴いていただきたい、現代音楽の金字塔といえるでしょう。

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