【難易度低め】ラフマニノフのピアノ曲|挑戦しやすい作品を厳選!
ロシアの伝説的な作曲家兼ピアニストとして、大きな痕跡を残したセルゲイ・ラフマニノフ。
2mを超える巨体から奏でられるダイナミックな演奏はもちろん、ピアノ協奏曲をはじめとする壮大なスケールの作品たちは、時代を超えて多くの人々の心をとらえています。
そんなラフマニノフのピアノ曲は、基本難易度が高く、ピアノ初級者、中級者の方は手が出しにくいかもしれません。
しかし、本記事ではそんなラフマニノフの作品の中でも比較的難易度が低く、ピアノ初級者、中級者の方も挑戦しやすい作品をピックアップしてご紹介します!
タッチによる音色の変化や深い表現を求めると決して簡単とは言えないかもしれませんが、まずは1曲をとおして弾けるようになることでわかることや、弾けることの楽しさを感じられるかと思います。
ラフマニノフの作品に興味をお持ちの方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
【難易度低め】ラフマニノフのピアノ曲|挑戦しやすい作品を厳選!(1〜10)
10の前奏曲 Op.23 第4曲 ニ長調Sergei Rakhmaninov

穏やかな美しさと、どこか切ない雰囲気を持つピアノ曲。
軽やかな右手のメロディと、左手の穏やかなリズムが印象的です。
曲の中間部では、急に情熱的な雰囲気に変わり、聴く人の心をつかみます。
静かな川のせせらぎのような冒頭から、激しい流れへと変化し、最後は再び穏やかな流れに戻るような構成。
弾くことに慣れてきたら、その変化を表現できるとよいですね。
ピアノの美しい音色と豊かな感情表現を楽しみたい方にオススメの1曲です。
6つの楽興の時 Op.16 第5番 変ニ長調Sergei Rakhmaninov

穏やかで美しい旋律が特徴のこの作品は、『楽興の時』の第5曲目の作品。
ゆったりとした3連符のリズムが、まるで小舟が水面をゆらゆらと進むかのような印象を与えます。
中間部では軽やかな音の飛躍や転調があり、曲調に一層の柔らかさが加わります。
『楽興の時』は、1896年秋から冬にかけて、わずか数ヶ月で仕上げられたそう。
経済的に困窮していた作曲者の切羽詰まった状況が、逆に深い感情表現を生み出したのかもしれません。
演奏する際は、左手の伴奏は柔らかく優しく弾き、右手のメロディを際立たせられるとよいですね。
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43 第18変奏Sergei Rachmaninov

『パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43』は、ピアノ協奏曲の形で作曲された作品です。
超絶技巧を有することで「伝説のバイオリニスト」と称されているニコロ・パガニーニが作曲した『24のカプリース』の第24番の主題をもとに、24の変奏が繰り広げられます。
中でも第18変奏は、優美で魅力的な旋律と和声で多くの人を魅了している人気の高い1曲!
和音の中のメロディラインを意識的に響かせながら、穏やかにかつロマンティックに演奏しましょう。
幻想的小品集 Op.3 第2曲 前奏曲「鐘」Sergei Rachmaninov

フィギュアスケートの浅田真央さんがフリープログラムで使用したことでも知られる『幻想的小品集 Op.3 第2曲 前奏曲「鐘」』。
3音のみでこの曲だとわかってしまう印象的な冒頭、深い悲しみや絶望を感じさせるゆったりとしたテーマ、不穏な様子で動き出すメロディ、どこを切り取っても印象的な、ラフマニノフのピアノ作品の中でも非常に人気の高い1曲です。
和音をいかに深みのある音で演奏するかが、この曲の仕上がりを大きく左右します。
ただ音量を変化させるだけでなく、音の表情にこだわって練習してみましょう。
10の前奏曲 Op.23 第5曲 ト短調Sergei Rakhmaninov

力強い行進曲風のリズムと柔らかな抒情性が織りなすコントラストが印象的な楽曲。
前半は緊張感のある旋律が展開され、まるで軍楽隊が奏でるかのような厳しさが感じられます。
しかし後半になると、一転して夢幻的な世界へと誘われるような美しい音色が広がります。
この感情の起伏こそが、本作の最大の魅力。
ラフマニノフの深い感情表現と卓越した技巧が融合した珠玉の作品です。
まずはゆっくりのテンポでオクターブと和音をしっかりつかむことを意識して練習してみてくださいね。
幻想的小品集 Op.3 第1曲 悲歌(エレジー)Sergei Rachmaninov

セルゲイ・ラフマニノフが1892年に完成させた『幻想的小品集 Op.3』の1曲目に収録された『悲歌(エレジー)』。
曲集の中で最も「幻想的」という表現にふさわしい曲想で、緩やかなテンポで演奏されることが多い作品とされています。
そのため、テクニック面ではそれほど難易度は高くありませんが、音を並べるだけでは変化の乏しいつまらない演奏になってしまいます。
長く伸ばす音がどの音に向かっているのか、どの声部を響かせてどのように音量のバランスをとるのかなど、細かい部分に意識を向けられると、よりすてきな演奏に仕上がるでしょう。
10の前奏曲 Op.23 第10曲 変ト長調Sergei Rakhmaninov

少し難しさはあるものの、挑戦しがいのある1曲。
1903年に作曲されたこの名曲は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。
静かな和音の中に穏やかなメロディが浮かび上がり、子守唄のような温かさが漂います。
とくに中間部では、半音進行と左右の手の対話がより豊かな表現に。
ラフマニノフ自身も愛していた作品で、感情豊かな演奏で聴く人の心に深く響きます。
ピアノの表現力を味わいたい方や、静かな時間を過ごしたい方にオススメですよ。