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【和風のピアノ曲】日本らしさが心地よいおすすめ作品をピックアップ

【和風のピアノ曲】日本らしさが心地よいおすすめ作品をピックアップ
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【和風のピアノ曲】日本らしさが心地よいおすすめ作品をピックアップ

ピアノはヨーロッパで生まれた楽器。

そして、クラシック音楽は西洋で発展した音楽スタイル。

クラシック作品を中心に練習していると、どうしてもヨーロッパのエッセンスが盛り込まれた曲に偏りがちで、ピアノを弾きながら「和」を感じることは少ないかもしれませんね。

そこで本記事では「日本らしさを感じられる和風の作品をピアノで弾いてみたい!」という方に向けて、和風のピアノ曲をたっぷりご紹介します。

「和風」といっても、ヨーロッパの作曲家が日本の浮世絵に魅せられて作曲した作品から童謡を題材にした変奏曲まで、曲のルーツや形式はさまざま。

ぜひ、それぞれの作品の「日本らしさ」を聴き比べたり、作曲家によって異なる「和風」の解釈を楽しんだりしながらお聴きください!

【和風のピアノ曲】日本らしさが心地よいおすすめ作品をピックアップ(1〜20)

真夜中の火祭りNEW!平吉毅州

【リハーサル】リサイタル直前のジーンズホール(平吉毅州:真夜中の火祭り/Takekuni Hirayoshi: The Midnight Fire Festival)【児島市民交流センター】
真夜中の火祭りNEW!平吉毅州

炎が燃え盛る情景を思わせる熱烈な日本人作曲家、平吉毅州さんによるピアノ独奏曲です。

ダイナミックで激しい響きと、緻密なアーティキュレーションが見事に調和し、夜空に舞い上がる火の粒を表現しています。

独特の変拍子が生み出す躍動感と、スペイン舞踊を思わせるリズムパターンが、聴く人の心を高揚させます。

2024年度PTNAピアノコンペティションの課題曲に選定されており、ピアノ学習者の技術向上に役立つ作品としても評価が高まっています。

短調の響きながらも暗さを感じさせない力強さがあり、暑い夏の夜に聴くことで心が躍るような清涼感が得られる一曲です。

君が代 Op.26-1Georg Capellen

Georg Capellen – “Kimigayo Op.26-1” for piano solo (1904)
君が代 Op.26-1Georg Capellen

1869年生まれのドイツの作曲家、ゲオルク・カペレンは、日本の唱歌の旋律に複数の和音や複数の調性の可能性を見いだし、独自の和声付けを試みていたことで知られている作曲家。

彼が作曲した『君が代 Op.26-1』は1904年に出版された『小学唱歌 Op.26』の冒頭に収録された作品で、私たちが国歌斉唱で歌うものとは一味違う、西洋音楽的な和声付けが成された『君が代』を耳にすることができます。

この曲集には『一月一日』や『さくら』など全14曲の日本の唱歌をもとにした小品が収録されています。

演奏しながら、ドイツ人作曲家による日本の唱歌に対する解釈を楽しんでみてはいかがでしょうか。

《荒城の月》の主題による変奏曲平井康三郎

山田 耕筰: 哀詩 – 《荒城の月》を主題とする変奏曲 pf.喜多宏丞:Kita,Kosuke
《荒城の月》の主題による変奏曲平井康三郎

平井康三郎さんは、器楽、声楽を問わず多岐にわたる作品を手がけており、小学校や中学校の校歌も作曲するなど、音楽教育にも深く関わってきました。

『《荒城の月》の主題による変奏曲』は、平井さんが瀧廉太郎さんの名曲『荒城の月』の主題をもとに作曲した変奏曲です。

それぞれのバリエーションで、メロディーのもつ情感豊かな特性を踏まえながら、技術的な挑戦を楽しめるこの変奏曲を通して、日本の伝統音楽を新しい聴衆に向けて再解釈する平井さんの音楽観にも触れてみてはいかがでしょうか。

映像 第2集 第3曲「金色の魚」Claude Debussy

ドビュッシー/映像第2集 金色の魚 演奏:金子一朗
映像 第2集 第3曲「金色の魚」Claude Debussy

印象主義音楽の中心人物ともいわれ、革新的な手法を用いた作品を数多く残したクロード・ドビュッシー。

『映像 第2集』の第3曲『金色の魚』は、1907年に作曲された全13曲からなるピアノ組曲の1曲目に収録されています。

この曲は、ドビュッシーが所有していた日本の漆器に描かれた錦鯉の絵に触発されて書かれたといわれています。

冒頭の静かな音が次第に動きを増し、華麗なアルペジオへと変化していくさまは、まるで川や池で泳ぐ鯉の姿が浮かび上がるよう。

曲全体を通して聴かせる繊細な音色は、まさに「金色」とも称すべき美しさです。

日本の屏風からAlbert Ketèlbey

Albert Ketèlbey – “From A Japanese Screen” for piano (1934)
日本の屏風からAlbert Ketèlbey

イギリス出身の作曲家、指揮者、ピアニストであるアルバート・ケテルビー。

20世紀初頭の軽音楽の分野で高い評価を得ており、色彩豊かなオーケストレーションと異国情緒あふれるメロディが特徴的です。

特に有名な作品に、1915年発表の『修道院の庭で』や1920年の『ペルシャの市場にて』などがありますが、本作『日本の屏風から』もそうした彼の代表的なスタイルが色濃く表れた1曲。

タイトルから想像できるように、日本の風景や文化を描写した作品で、当時の日本への興味・関心の高まりがうかがえます。

楽曲を通して異国の地への想いをはせるのもいいですし、情景を思い浮かべながら演奏するのもオススメです。

幻想曲「さくらさくら」平井康三郎

幻想曲「さくらさくら」(平井康三郎)Sakura-Sakura (A Fantasy for Piano) Kozaburo Y. Hirai
幻想曲「さくらさくら」平井康三郎

1910年に高知県で生まれた日本人作曲家、平井康三郎さん。

彼は幅広いジャンルの作品を手掛け、日本の伝統音楽にも造詣が深かったことで知られています。

1971年に発表されたピアノ独奏曲『幻想曲「さくらさくら」』は、箏曲「さくらさくら」を基にした幻想曲で、ロマン派のピアノ手法と箏の雰囲気が巧みに融合された作品です。

変化に富んだ構成で、太鼓を模したリズムや速度・表情の変化が特徴的。

日本の美しい情景とともに、作曲家の祖国への愛着が感じられるでしょう。

日本人作曲家ならではの感性が息づくこの名曲を、ぜひピアノで味わってみてください。

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