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【和風のピアノ曲】日本らしさが心地よいおすすめ作品をピックアップ

ピアノはヨーロッパで生まれた楽器。

そして、クラシック音楽は西洋で発展した音楽スタイル。

クラシック作品を中心に練習していると、どうしてもヨーロッパのエッセンスが盛り込まれた曲に偏りがちで、ピアノを弾きながら「和」を感じることは少ないかもしれませんね。

そこで本記事では「日本らしさを感じられる和風の作品をピアノで弾いてみたい!」という方に向けて、和風のピアノ曲をたっぷりご紹介します。

「和風」といっても、ヨーロッパの作曲家が日本の浮世絵に魅せられて作曲した作品から童謡を題材にした変奏曲まで、曲のルーツや形式はさまざま。

ぜひ、それぞれの作品の「日本らしさ」を聴き比べたり、作曲家によって異なる「和風」の解釈を楽しんだりしながらお聴きください!

【和風のピアノ曲】日本らしさが心地よいおすすめ作品をピックアップ(1〜20)

扶桑歌 日本行進曲Charles Leroux

Charles Leroux – “Army Defile March Fusouka” (1886) for piano
扶桑歌 日本行進曲Charles Leroux

シャルル・ルルーは、1851年にフランスで生まれた音楽家、作曲家であり、フランス陸軍の大尉として勲章も受章している人物。

そんな彼が1886年に作曲した『扶桑歌 日本行進曲』は、日本の伝統や精神性を反映した作品で、日本国と天皇への忠誠、永遠の平和と繁栄を願う内容が込められています。

陸軍軍楽隊の技術向上にも寄与し、「軍楽隊規則」を定めるなど、音楽文化へも大いに貢献したルルー。

国民一人ひとりが持つべき忠誠心と奉仕の精神を、雄大なメロディーで表現したこの曲は、式典などで演奏されるにふさわしい1曲です。

《おぼろ月夜》の主題による幻想曲轟千尋

zen-on piano solo PP-519 轟 千尋:《おぼろ月夜》の主題による幻想曲 全音楽譜出版社
《おぼろ月夜》の主題による幻想曲轟千尋

轟千尋さんは、作曲活動を行う傍ら、セミナー講師やピアノ教材の出版、音楽雑誌への寄稿などを通して、作曲者としての視点から音楽教育を切り開くために精力的に活動されている作曲家。

彼女が作曲した『《おぼろ月夜》の主題による幻想曲』は、おなじみの唱歌『おぼろ月夜』のメロディが、ピアニスティックなアレンジをともなってドラマティックに展開される、スケールの大きなピアノ作品です。

きらびやかで聴き映えするため、コンサートや発表会にもピッタリ!

和風の作品を披露したい方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

カゴメ変奏曲 テーマと8つの変奏曲小山清茂

小山 清茂:かごめ変奏曲、テーマと8つの変奏曲  pf. 杉浦 菜々子:Sugiura, Nanako
カゴメ変奏曲 テーマと8つの変奏曲小山清茂

日本の作曲家、小山清茂さんによる『カゴメ変奏曲 テーマと8つの変奏曲』は、童謡『かごめかごめ』を基にしたピアノ独奏のための作品です。

小山さんは管弦楽曲や吹奏楽曲、オペラなど、さまざまなジャンルの作品を手掛けており、日本の伝統的な音楽と西洋音楽の融合を図った独自のスタイルが特徴。

本作では、シンプルな主題に続いて、前奏曲風、箏曲風、舞踏曲風など、多彩なキャラクターの変奏曲が展開されています。

原曲の雰囲気を大切にしながらも、ピアノという楽器の魅力を余すところなく引き出したアレンジは秀逸の一言。

ピアノ愛好家はもちろん、コンサートのプログラムに取り入れることで、聴衆を新鮮な驚きで包み込むことができるでしょう。

お菓子の世界 第14曲 「鬼あられ」湯山昭

湯山昭/お菓子の世界 第14曲 「鬼あられ」 pf.須藤英子
お菓子の世界 第14曲 「鬼あられ」湯山昭

きらきらと硬質なピアノの響きが印象的なアルバム『お菓子の世界』に収録された小品です。

1973年に制作されたこの楽曲は、1分25秒という短い時間の中に、和と洋の要素を見事に融合させた独創的な世界を描き出しています。

イ短調の4分の4拍子で始まり、不協和音とスタッカートを巧みに操ることで、硬くて跳ねるような音の表現を実現。

3声のパートや複雑なリズム、テーマの変奏など、演奏の難しさと魅力を兼ね備えています。

発表会やコンクールで演奏されることも多く、表現力を試される作品として愛されています。

プログラムの締めくくりに効果的な一曲として、クラシック音楽の新しい魅力を求める方におすすめです。

ソナチネ Op.13尾高尚忠

Hisatada Otaka – Sonatine pour Piano, Op. 13 (Yuguchi) (1940)
ソナチネ Op.13尾高尚忠

フランス留学を経て、西洋の伝統と日本の伝統音楽の要素を融合させた独自の音楽スタイルを確立した尾高尚忠さん。

『ソナチネ Op.13』は、1940年に作曲された彼の代表的なピアノ作品の一つで、西洋の音楽様式と日本的な音楽観が絶妙に融合され、伝統的な調性の中にも斬新な感性が息づく作品です。

この曲を通して、日本のクラシック音楽の発展に多大な貢献をした尾高さんの、音楽に対する情熱と独創性を感じ取ってみてはいかがでしょうか?