【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作
作曲家であり、ビオラ、バイオリン、クラリネット、そしてピアノを弾きこなす多才な演奏家でもあった、ドイツ出身の音楽家、パウル・ヒンデミットさん。
彼はロマン主義からの脱却をはかるべく個人の内面を追求する「新即物主義」を推し進め、同時代の音楽家に大きな影響を与えました。
本記事ではそんなヒンデミットさんの作品のなかから、ピアノ独奏曲や秀逸なピアノパートが光る作品をピックアップ!
作曲の背景や楽曲の特徴とともにご紹介します。
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【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作(1〜10)
2台のピアノのためのソナタPaul Hindemith

20世紀を代表するドイツの作曲家パウル・ヒンデミットさんによる『2台のピアノのためのソナタ』。
バロック音楽やジャズの要素を取り入れた独自のスタイルで書かれたこの曲は、彼の作品のなかでも特に成熟した時期のものと位置づけられています。
難解な音楽理論に基づいた複雑な構成ながらも、2台のピアノが織りなす豊かな音楽性は聴く者を魅了してやみません。
同時代の作曲家ストラヴィンスキーさんの『2台のピアノのための協奏曲』と並ぶ、ピアノ二重奏の重要レパートリーといえるでしょう。
一筋縄ではいかない練習が必要になりますが、現代音楽の真髄を味わいたいピアノデュオには、ぜひ取り組んでいただきたい作品です。
ピアノ、金管と2台のハープのための協奏音楽 Op.49Paul Hindemith

20世紀前半を代表するドイツの作曲家、パウル・ヒンデミットさんの手によるピアノ協奏曲『ピアノ、金管と2台のハープのための協奏音楽 Op.49』。
1930年に作曲されたこの作品は、彼の音楽スタイルの変遷を示す重要な1曲とされています。
4つの楽章からなるこの協奏曲は、各楽章が異なる性格を持ち、特に最終楽章では民謡の引用が見られるなど、より透明感のある音楽へと移行しようとしたヒンデミットさんの意図が感じられます。
当時の評論家からも高く評価され、現代音楽の重要なレパートリーとして位置づけられている本作は、彼の業績を理解する上で欠かせない作品です。
クラシックファンならずとも、一度は耳にしてみたい名曲といえるでしょう。
ピアノソナタ 第3番 変ロ長調Paul Hindemith

20世紀の巨匠パウル・ヒンデミットさんは、ピアノだけでなくビオラやバイオリンなど多くの楽器を操り、自身の内面を深く掘り下げた独創的な音楽世界を築き上げました。
彼の代表的なピアノソナタ三部作の一つである『ピアノソナタ 第3番』は、ベートーヴェンの四楽章形式を踏襲しつつ、ヒンデミット独自の解釈で新たな息吹を吹き込んだ作品。
開放的な第1楽章から、活発なスケルツォ、そして力強いダブルフーガへと至る展開は聴く者を飽きさせません。
卓越した技巧と音楽性が求められる本作は、意欲的なピアニストにぜひ取り組んでいただきたい傑作です。
【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作(11〜20)
ピアノ連弾ソナタPaul Hindemith

ドイツの作曲家パウル・ヒンデミットさんは、複数の楽器を弾きこなすマルチプレイヤーでもありました。
彼はロマン主義からの脱却を図る「新即物主義」を推し進め、音楽界に革新をもたらしたのです。
その独特の音楽性が反映されている『ピアノ連弾ソナタ』は、彼の代表的なピアノ作品の一つ。
全3楽章で構成されたこの曲には、バロック、ポリトナリティ、ジャズなどの要素がふんだんに取り入れられており、2人の奏者の息の合った演奏で、その魅力を堪能できます。
高度な演奏技術が求められますが、ヒンデミットさんならではの音楽言語に触れられる貴重な1曲。
ピアノ連弾を楽しむ上級者にオススメしたい作品です。
ホルンとピアノのためのソナタPaul Hindemith

20世紀の重要な作曲家の一人であるパウル・ヒンデミットさんによる『ホルンとピアノのためのソナタ』。
彼は古典的な形式を踏襲しつつも、独自のハーモニーやリズムを駆使して斬新な音楽世界を切り開いた作曲家として知られています。
本作は、ホルンとピアノが繰り広げる内省的な対話から、ときにはドラマティックに盛り上がる展開まで、聴き手を飽きさせない充実した内容となっています。
重厚な響きのなかにも、どこか叙情的な雰囲気が漂う本作は、高度な演奏技術を要する作品。
モダンでいてクラシカルな魅力にあふれた名曲を、ぜひ味わってみてください!
ビオラとピアノのためのソナタ Op.11-4Paul Hindemith

20世紀前半のドイツを代表する作曲家パウル・ヒンデミットさんは、多彩な楽器を自在に操る天才的な演奏家でもありました。
彼は新即物主義の旗手として、調性にとらわれない革新的な音楽を追求。
『ビオラとピアノのためのソナタ Op.11-4』は、そんなヒンデミットさんがビオラ奏者としてのキャリアを歩み始めた時期に生み出された意欲作です。
バロック様式を踏襲しつつも独創的な変奏形式を採り入れた本作は、第一次世界大戦後の混とんとした時代に光明を見いだそうとする作曲家の心情が投影されているかのよう。
ビオラとピアノの絶妙な掛け合いから生まれる深遠な音世界は、室内楽ファンのみならず、現代音楽に興味のある方々にもぜひ味わっていただきたい逸品です。
オーボエとピアノのためのソナタPaul Hindemith

20世紀前半のドイツを代表する作曲家、パウル・ヒンデミットさん。
その多彩な才能はバイオリンやビオラ、ピアノなど、さまざまな楽器の演奏にも及びました。
『オーボエとピアノのためのソナタ』は、伝統的な様式と現代的な感覚を融合させた独自の音楽世界を築き上げたヒンデミットさんの代表作の一つ。
軽快な第1楽章に続き、第2楽章は対照的にゆったりとした印象的な旋律が際立ちます。
一筋縄ではいかない展開のなかに、作曲家の精緻な感性がにじみ出ているよう。
室内楽の新境地を切り開いた意欲作を、ぜひ味わってみてください。