【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作
作曲家であり、ビオラ、バイオリン、クラリネット、そしてピアノを弾きこなす多才な演奏家でもあった、ドイツ出身の音楽家、パウル・ヒンデミットさん。
彼はロマン主義からの脱却をはかるべく個人の内面を追求する「新即物主義」を推し進め、同時代の音楽家に大きな影響を与えました。
本記事ではそんなヒンデミットさんの作品のなかから、ピアノ独奏曲や秀逸なピアノパートが光る作品をピックアップ!
作曲の背景や楽曲の特徴とともにご紹介します。
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【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作(1〜10)
ピアノソナタ 第3番 変ロ長調Paul Hindemith

20世紀の巨匠パウル・ヒンデミットさんは、ピアノだけでなくビオラやバイオリンなど多くの楽器を操り、自身の内面を深く掘り下げた独創的な音楽世界を築き上げました。
彼の代表的なピアノソナタ三部作の一つである『ピアノソナタ 第3番』は、ベートーヴェンの四楽章形式を踏襲しつつ、ヒンデミット独自の解釈で新たな息吹を吹き込んだ作品。
開放的な第1楽章から、活発なスケルツォ、そして力強いダブルフーガへと至る展開は聴く者を飽きさせません。
卓越した技巧と音楽性が求められる本作は、意欲的なピアニストにぜひ取り組んでいただきたい傑作です。
ピアノ連弾ソナタPaul Hindemith

ドイツの作曲家パウル・ヒンデミットさんは、複数の楽器を弾きこなすマルチプレイヤーでもありました。
彼はロマン主義からの脱却を図る「新即物主義」を推し進め、音楽界に革新をもたらしたのです。
その独特の音楽性が反映されている『ピアノ連弾ソナタ』は、彼の代表的なピアノ作品の一つ。
全3楽章で構成されたこの曲には、バロック、ポリトナリティ、ジャズなどの要素がふんだんに取り入れられており、2人の奏者の息の合った演奏で、その魅力を堪能できます。
高度な演奏技術が求められますが、ヒンデミットさんならではの音楽言語に触れられる貴重な1曲。
ピアノ連弾を楽しむ上級者にオススメしたい作品です。
組曲「1922年」Op.26 第5曲「ラグタイム」Paul Hindemith

パウル・ヒンデミットさんの『組曲「1922年」Op.26』の第5曲『ラグタイム』は、ジャズの要素を巧みに取り入れた意欲作。
第一次世界大戦の影響が色濃く残る時代背景のなか、彼はバロック音楽とジャズの融合に挑戦しました。
機械的なリズムを打楽器のように奏でるピアノ、ブルースのハーモニーが絡み合うなかで、作曲家の創造性あふれる音楽性が発揮されています。
クラシックの枠組みにとらわれない革新的なアプローチを楽しめる本作は、クラシックとジャズの垣根を越えて新たな音楽を模索する、ヒンデミットさんのチャレンジ精神に触れられる1曲です。
【ヒンデミットのピアノ曲】数々の楽器を操る作曲家による珠玉の名作(11〜20)
オーボエとピアノのためのソナタPaul Hindemith

20世紀前半のドイツを代表する作曲家、パウル・ヒンデミットさん。
その多彩な才能はバイオリンやビオラ、ピアノなど、さまざまな楽器の演奏にも及びました。
『オーボエとピアノのためのソナタ』は、伝統的な様式と現代的な感覚を融合させた独自の音楽世界を築き上げたヒンデミットさんの代表作の一つ。
軽快な第1楽章に続き、第2楽章は対照的にゆったりとした印象的な旋律が際立ちます。
一筋縄ではいかない展開のなかに、作曲家の精緻な感性がにじみ出ているよう。
室内楽の新境地を切り開いた意欲作を、ぜひ味わってみてください。
トランペットとピアノのためのソナタPaul Hindemith

ピアノ、ビオラ、クラリネットなどを自在に操った20世紀ドイツの作曲家パウル・ヒンデミットさんの『トランペットとピアノのためのソナタ』。
1939年にスイスで亡命生活を送っていた時期に制作された本作は、ナチスドイツの政治状況への深い憂慮と抗議の意が込められた重厚な作品です。
全3楽章から成り、各楽章が異なる感情表現を見せるなか、特に最終楽章『哀悼の音楽』では、バッハのコラール『すべての人は死ぬべし』が引用され、深い感動を呼び起こします。
音楽的にも技術的にもハイレベルな要求が課されたこの作品には、真剣に音楽に取り組むアマチュア奏者への挑戦の機会として、ヒンデミットさんの思いが託されています。
クラシック音楽に深みを求める方には、ぜひ触れていただきたい名曲です。
トロンボーンとピアノのためのソナタPaul Hindemith

パウル・ヒンデミットさんは、ドイツの作曲家であり音楽理論家でもありました。
ヒンデミットの『トロンボーンとピアノのためのソナタ』は、彼が各楽器のために少なくとも一つのソナタを作曲するという目標の一環として、1941年に生み出された作品です。
4つの楽章から成り立つ本作では、トロンボーンとピアノが複雑な対話が繰り広げられており、演奏者の技術と表現力が問われる挑戦的な曲となっています。
ヒンデミットさんならではの独自のリズムやハーモニーが光る、トロンボーン奏者、ピアノ演奏家ともに必聴の名曲です。
ビオラとピアノのためのソナタ Op.11-4Paul Hindemith

20世紀前半のドイツを代表する作曲家パウル・ヒンデミットさんは、多彩な楽器を自在に操る天才的な演奏家でもありました。
彼は新即物主義の旗手として、調性にとらわれない革新的な音楽を追求。
『ビオラとピアノのためのソナタ Op.11-4』は、そんなヒンデミットさんがビオラ奏者としてのキャリアを歩み始めた時期に生み出された意欲作です。
バロック様式を踏襲しつつも独創的な変奏形式を採り入れた本作は、第一次世界大戦後の混とんとした時代に光明を見いだそうとする作曲家の心情が投影されているかのよう。
ビオラとピアノの絶妙な掛け合いから生まれる深遠な音世界は、室内楽ファンのみならず、現代音楽に興味のある方々にもぜひ味わっていただきたい逸品です。