ピアノで奏でるバロック音楽|発表会や演奏会におすすめの名曲を厳選
「音楽の父」と称されるヨハン・セバスティアン・バッハや、『メサイア』の作曲家としても知られるゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルといった偉大な作曲家が活躍したバロック時代。
17世紀初頭から18世紀半ばまでにヨーロッパで生まれた音楽は「バロック音楽」と呼ばれ、気品高い曲調や形式美で人々を魅了し続けています。
本記事では、そんなバロック音楽のなかから、ピアノで演奏される機会の多い名曲をピックアップ!
当時の鍵盤楽器のために作られた作品をたっぷりご紹介します!
ピアノで奏でるバロック音楽|発表会や演奏会におすすめの名曲を厳選(1〜10)
ソナタ ロ短調 K.27 L.449Domenico Scarlatti

1685年にイタリアに生まれ、550以上もの鍵盤ソナタを作曲したドメニコ・スカルラッティ。
ヨーロッパ各地で宮廷音楽家や作曲家として活躍し、革新的で華麗なスタイルの鍵盤楽器作品で名声を得た彼が作曲した『ソナタ ロ短調 K.27 L.449』は、スカルラッティの多彩な表現力と技巧的な作曲技術を見事に示した傑作です。
リズミカルなエネルギーと繊細な感情表現が織り交ぜられ、聴く者を魅了してやみません。
バロック音楽の真ずいを味わえるこの曲を通して、スカルラッティの時代を超えた革新性と表現力を堪能してみてはいかがでしょうか?
調子の良い鍛冶屋Georg Friedrich Händel

バロック時代を代表する偉大な作曲家ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルは、オペラやオラトリオ、器楽曲などを生み出しました。
数ある名作の中でも、彼の鍵盤楽器のための組曲『HWV 430』の最終楽章として知られる『エアと変奏』は、『調子の良い鍛冶屋』として親しまれている特に人気の高い作品です。
丸みを帯びた美しい主題が印象的なこの曲は、5つの変奏曲を通してさまざまな表情を見せます。
右手と左手の掛け合いが織りなす華麗な旋律は、まるでヘンデルのオペラ作品をほうふつとさせます。
気品あふれる調べにのせて奏でられるこの名曲は、発表会や演奏会にオススメの1曲です。
ゴルドベルク変奏曲J.S.Bach

ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品の中でも大作として知られる、鍵盤楽器のための変奏曲『ゴルドベルク変奏曲』。
この曲は、一つのアリアをもとに30の変奏曲が展開されていく作品で、バッハの音楽的創造性と技巧の高さが存分に発揮された楽曲といえます。
変奏曲の構成は数学的な原理に基づいており、バッハの知的好奇心の高さも伺えます。
演奏者の技量が問われる難曲ですが、クラシック音楽を本格的に学びたい方や、バッハの音楽の奥深さを体感したい方にオススメの1曲です。
メヌエット BWV Anh 114Christian Petzold

17世紀初頭から18世紀半ばにかけて活躍したドイツの作曲家クリスティアン・ペツォールトの代表作の一つが、長らくヨハン・セバスティアン・バッハの作品とされてきた『メヌエット BWV Anh 114』通称『メヌエット ト長調』です。
優雅で洗練された旋律が印象的な本作は、3拍子のリズムに乗せて繊細なステップを踏むダンスの情景が浮かんでくるよう。
バロック音楽の気品と華やかさを味わえるこの名曲は、ピアノの発表会などでも人気の1曲です。
フランス組曲 第1番 BWV 812 メヌエットⅡJ.S.Bach

フランス組曲の中でも親しみやすく、バロック音楽への入門にぴったりなのがこの舞曲です。
1722年頃に作曲されたこの楽曲は、妻アンナ・マグダレーナのための音楽帳にも収録されており、家庭での演奏を想定した温かみのある作品となっています。
優雅でありながら内省的な雰囲気を持ち、バッハ独特の対位法が随所に織り込まれていますが、技巧的な難易度は抑えられているため、弾きやすいのが魅力です。
通常はメヌエットIと組み合わせて演奏され、その穏やかで深い感情表現は聞く人の心に静かに響きます。
バロック音楽に挑戦してみたい方や、表現力を磨きたい方におすすめの一曲です。
フランス組曲 第1番 BWV 812 メヌエットⅠJ.S.Bach

バロック時代の舞曲形式の中でも、この優雅な3拍子の楽曲は1722年から1725年頃に作曲され、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」にも収録されています。
シンプルで親しみやすい旋律でありながら、対位法的な要素も含まれており、教会で響く上品な音色をイメージしながら演奏すると雰囲気が出てきます。
本作は技術的な難易度が比較的低いため、ピアノを始めて間もない方やバロック音楽に憧れを持つ方におすすめです。
音色や表現、強弱などが重視されるクラシックの場合は、ロングトーンの練習や良い音色の探求をしながら弾いてみましょう。
タンブランJean-Philippe Rameau

18世紀前半のフランス音楽の発展に寄与し、オペラや鍵盤楽器のための作品で高い評価を得た作曲家、ジャン=フィリップ・ラモー。
『タンブラン』は、ラモーの鍵盤作品の中でも特に人気の高い曲で、独特のリズムとメロディが印象的です。
踊るようなテンポと華やかな音色は、まるで宮廷の舞踏会に招かれたかのような気分にさせてくれます。
優雅でありながらも、どこか気品が漂う曲調で、ピアノ発表会でも大人気!
バロック音楽の魅力を存分に味わえる1曲を、あなたのレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。