【チェルニーのピアノ曲】練習曲の王様が遺した多彩なピアノ作品を厳選
ピアノ練習曲といえば『チェルニー』!
ピアノを学んだ経験がある方のなかで、これを否定する人はおそらくいないでしょう。
カール・チェルニーは、まさにこの王道練習曲の生みの親!
1791年にオーストリアで生まれ、黙々とピアノ演奏や作曲法を学んだ彼は、生涯で1,000曲以上もの作品を遺しています。
そのなかには、練習曲だけでなく、ピアノソナタやノクターン、ピアノ協奏曲など、さまざまな形式のピアノ作品が含まれています。
本記事では膨大な量のチェルニー作品のなかから、王道練習曲集以外のピアノ曲を厳選してご紹介します!
【チェルニーのピアノ曲】練習曲の王様が遺した多彩なピアノ作品を厳選(1〜10)
ピアノ協奏曲 イ短調 Op.214Carl Czerny

練習曲を含む1,000曲以上もの作品を遺した多作な作曲家として知られるカール・チェルニー。
その膨大な作品のなかでも、ひときわ異彩を放つのが『ピアノ協奏曲 イ短調 Op.214』です。
古典派からロマン派への移行期に位置づけられるこの作品は、フンメルやウェーバーからの影響を受けつつも、チェルニー独自の個性が色濃く反映されており、華麗な技巧と洗練されたスタイルが融合した魅力にあふれています。
フ連続する三連符や跳躍するアルペジオなど、演奏者の卓越したテクニックが要求される一方で、美しい旋律やダイナミックな展開は聴く者を魅了してやみません。
ピアノ学習者はもちろん、プロのピアニストにもぜひ取り組んでいただきたい、チェルニーの真骨頂ともいえる傑作です。
モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」からの動機による華麗な幻想曲 Op.493Carl Czerny

ピアノ教育におけるパイオニア、カール・チェルニー。
3歳からピアノを始め、10歳でモーツァルトやクレメンティの作品を弾きこなすなど、幼い頃から類いまれな才能を発揮しました。
ベートーヴェンからも直接指導を受けた彼は、その影響を強く受けつつ、後世に偉大な作品と優れた教育法を残しました。
『モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」からの動機による華麗な幻想曲 Op.493』は、ツェルニーの傑作の一つ。
モーツァルトへの敬愛の念を込めて、『フィガロの結婚』の有名な旋律を引用しながら、華麗な装飾を施した技巧的なピアノ曲に仕上げています。
親しみやすいメロディに、聴く者を圧倒するほどの超絶技巧が融合した見事な作品です!
25のサロン風大練習曲 Op.756 第10番Carl Czerny

オーストリアの作曲家カール・チェルニーは、ピアノ教育の第一人者として知られ、膨大な数の練習曲を遺しました。
なかでも『25のサロン風大練習曲 Op.756』は、高度な技術を要する曲集として有名です。
第10番『アレグロ・アジタート』は、速いテンポと激しい曲調が特徴的。
演奏者の技巧と表現力が試される、まさに練習曲の真骨頂といえる作品です。
ツェルニーはベートーヴェンの弟子であり、リストの師でもあったことから、この曲にもそうした巨匠たちの影響が色濃く表れているのが興味深いポイント。
テクニック的な難易度は高いですが、情熱的な演奏を目指して挑戦してみてはいかがでしょうか。
6つの練習曲あるいはサロンの楽しみ Op.754 第5曲「ロマンス」Carl Czerny

ピアノ教育におけるパイオニアであり、作曲家としても非常に多作だったカール・チェルニー。
彼が遺した膨大な作品のなかの1曲『6つの練習曲あるいはサロンの楽しみ Op.754』は、練習曲でありながら演奏会でも楽しめるよう工夫された、非常にロマンティックな作品です。
なかでも第5曲の『ロマンス』は、ゆったりとした感情豊かな旋律が印象的な名曲。
技術的な練習と音楽的な表現力を同時に高められるこの曲は、発表会などでも人気の高いレパートリーです。
基礎をしっかり学びたい方はもちろん、豊かな音楽性を身につけたい方にもおすすめですよ。
ピアノソナタ 第1番 変イ長調 Op.7Carl Czerny

ピアノ教育の偉大な改革者であり、独創的な作曲家でもあったカール・チェルニー。
彼は8歳でベートーヴェンから直接ピアノ指導を受けており、その影響は音楽に色濃く反映されています。
『ピアノソナタ 第1番 変イ長調 Op.7』は、19歳の頃に書かれた野心作です。
ベートーヴェン風の構成や激しい表現、感情豊かなメロディ、軽快なリズム、そして技巧的なフーガが巧みに組み合わされ、まさに彼の才能が遺憾なく発揮された作品といえるでしょう。
高度な技術と音楽性が要求されるこの曲で、若き日のチェルニーの情熱を感じてみてはいかがでしょうか?
シューベルトの人気あるワルツによる変奏曲 Op.12Carl Czerny

カール・チェルニーは、ピアノ演奏と教育に一生をささげた偉大な作曲家です。
彼は「練習曲の王様」と呼ばれるほど多くのエチュードを手掛けたことで知られていますが、『シューベルトの人気あるワルツによる変奏曲 Op.12』のような、芸術性の高い作品も遺しています。
この変奏曲は、シューベルトのワルツの哀愁のメロディをもとに、ツェルニー独自の華やかな技巧が加えられた魅力的な作品。
ツェルニーの巧みな作曲技術によって、さまざまなスタイルとムードを持つバリエーションに仕上げられており、聴く者の心を魅了します。
性格的で華麗な序曲 Op.54Carl Czerny

ピアノ練習曲の王様と呼ばれるカール・チェルニー。
彼は、ベートーヴェンから直接指導を受け、その影響を強く受けながらも、独自の教育法を確立し、1日に12時間ものレッスンを行いながら、リストなど多くの著名な弟子を輩出しました。
『性格的で華麗な序曲 Op.54』は、そんなチェルニーの創作の多様性を示す作品です。
華やかさと技巧を兼ね備え、演奏会やサロンでの演奏を意識して作曲されたこの曲は、まさに純粋に演奏を楽しむための1曲!
ピアノ技術の向上を目指す方はもちろん、美しい音楽に浸りたいすべての方にオススメです。