【フランソワ・クープラン】クラヴサンを愛した作曲家の名曲、人気曲を紹介
バロック時代のフランスの作曲家、フランソワ・クープラン。
音楽名家であるクープラン家の中で育ち、その家系の中で最も有名になりました。
フランスの音楽家たちの中でも異才で、あの有名なドイツの音楽家ブラームスは、大のフランス音楽嫌いなのに彼の音楽にはかなり興味を示していたそう。
本記事ではそんなフランソワ・クープランの名曲、人気曲を紹介します。
彼の作品の中でも主要な位置を占めるのは、200曲以上ある『クラヴサン曲集』。
その中でも有名な曲をピックアップしたので、クラヴサンの音色で奏でられる優雅で描写的な音楽をぜひお楽しみください。
【フランソワ・クープラン】クラヴサンを愛した作曲家の名曲、人気曲を紹介(1〜5)
クラヴサン曲集 第4巻 第25組曲より第2曲François Couperin

クラヴサン曲集の中でもとくに人気の高い作品。
優雅で描写的な音楽性が魅力的で、当時のフランス宮廷文化を彷彿とさせます。
『神秘的な女』というタイトルが示すように、謎めいた女性の性格や雰囲気が音楽で表現されています。
複雑な装飾音やリズムの変化が織り込まれ、演奏者の高度な技術と表現力が要求されます。
1730年に出版された第4巻に収録されており、約5分40秒の演奏時間で聴く人の想像力を刺激し、さまざまな解釈を許す余地を残しています。
クラシック音楽ファンはもちろん、バロック音楽に興味のある方にもオススメの1曲です。
クラヴサン曲集 第3巻 第14組曲より第7曲「シテール島の鐘」François Couperin

静かに流れる水のように、シテール島の鐘の音が聴こえてきそうな優雅な旋律。
ギリシャ神話の愛と美の女神アフロディーテゆかりの地を思わせるこの曲は、まるで18世紀フランスの宮廷の雰囲気そのものを表しています。
鐘の音を模した軽やかな音の重なりが、恋人たちの幸せな時間を告げているかのよう。
クラヴサンの繊細な音色で奏でられ、約2分20秒の演奏時間ながら豊かな情感に満ちています。
クープランの魅力を存分に味わいたい方にオススメの1曲です。
クラヴサン曲集 第3巻 第13組曲より第2曲「葦」François Couperin

ロ短調で作曲された本作は、しなやかで優美な旋律が特徴的。
風に揺れる葦のような繊細な動きを音楽で表現し、自然の美しさを巧みに描写しています。
1722年に出版された『クラヴサン曲集』第3巻に収録されており、当時のフランス宮廷文化を今に伝える貴重な作品となっています。
クラヴサンの豊かな音色と装飾音が水辺の情景を鮮やかに浮かび上がらせ、穏やかで内省的な雰囲気の中に、人間の柔軟性や自然との調和を感じさせる奥深さがあります。
バロック音楽の優雅さを堪能したい方や、自然の情景を音楽で楽しみたい方にオススメですよ。
クラヴサン曲集 第3巻 第14組曲より第2曲「恋のナイチンゲール」François Couperin

クラヴサンを奏でる優雅な響きが特徴的な1曲。
愛らしいナイチンゲールのさえずりを模倣した旋律が、繊細な感情表現と相まって、心に染み入るような美しさを醸し出しています。
穏やかな曲調の中にも深い情感が込められ、バロック音楽特有の装飾音が効果的に用いられているのも魅力的。
1722年に出版された作品集の一部として収録されており、フランス宮廷で愛された音楽の雰囲気を今に伝えています。
自然の情景や繊細な感情を音楽で表現することを好む方にオススメの1曲です。
ソナタ 「スルタン妃」François Couperin

クープランの代表作として知られるこの四重奏ソナタ。
2つのヴァイオリン、2つのバス・ヴィオール、通奏低音、という編成で演奏されます。
全6楽章からなり、緩やかな楽章と速いテンポの楽章が交互に配置されているのが特徴的。
17世紀末のパリで流行していた東洋趣味の影響を受け、荘重な楽想から「スルタン妃」という名前が付けられたと言われています。
フランスとイタリアの音楽様式を見事に融合させた秀作であり、繊細なテクスチュアや柔軟な舞曲のリズム、抒情性豊かな旋律が魅力的です。
バロック音楽に興味のある方はもちろん、室内楽曲が好きな方もぜひ聴いてみてください。