【フランソワ・クープラン】クラヴサンを愛した作曲家の名曲、人気曲を紹介
バロック時代のフランスの作曲家、フランソワ・クープラン。
音楽名家であるクープラン家の中で育ち、その家系の中で最も有名になりました。
フランスの音楽家たちの中でも異才で、あの有名なドイツの音楽家ブラームスは、大のフランス音楽嫌いなのに彼の音楽にはかなり興味を示していたそう。
本記事ではそんなフランソワ・クープランの名曲、人気曲を紹介します。
彼の作品の中でも主要な位置を占めるのは、200曲以上ある『クラヴサン曲集』。
その中でも有名な曲をピックアップしたので、クラヴサンの音色で奏でられる優雅で描写的な音楽をぜひお楽しみください。
【フランソワ・クープラン】クラヴサンを愛した作曲家の名曲、人気曲を紹介(1〜10)
組曲集「諸国の人々」 第3組曲「神聖ローマ帝国の人々」François Couperin

クープランが最晩年に作曲した室内楽のための組曲集。
1726年に発表されたこの作品は、当時のヨーロッパにおける文化交流や音楽の多様性を反映しており、クープランの作曲技法と創造性を示す重要な1曲です。
バロック時代の舞曲形式を取り入れながら、フランスとイタリアの音楽様式を見事に融合。
荘重なアルマンドや優雅なサラバンド、活気あるジグなど、多彩な舞曲が組み合わされ、神聖ローマ帝国の威厳や多様性が音楽的に描写されています。
バロック音楽の魅力を存分に味わいたい方にオススメですよ。
クラブサン奏法François Couperin

クラヴサンの魅力を余すところなく伝える名著、それが『クラヴサン奏法』です。
8つの前奏曲と1つのアルマンドを収録し、演奏技法や表現方法を詳細に解説。
単なる技術指南にとどまらず、音楽表現の深さや演奏者の感性を育むことを目的としています。
とくに各前奏曲は異なる調性と性格を持ち、多様な表現技法の習得に役立ちます。
例えば、第1番ハ長調は明るく穏やかな雰囲気で基本的な練習に適し、第5番イ長調はより複雑なリズムと装飾音が含まれた高度な作品。
クラヴサン演奏に興味のある方はもちろん、ピアノやクラヴサンを練習している方も、ぜひ一度弾いてみてはいかがでしょうか?
クラヴサン曲集 第3巻 第14組曲より第2曲「恋のナイチンゲール」François Couperin

クラヴサンを奏でる優雅な響きが特徴的な1曲。
愛らしいナイチンゲールのさえずりを模倣した旋律が、繊細な感情表現と相まって、心に染み入るような美しさを醸し出しています。
穏やかな曲調の中にも深い情感が込められ、バロック音楽特有の装飾音が効果的に用いられているのも魅力的。
1722年に出版された作品集の一部として収録されており、フランス宮廷で愛された音楽の雰囲気を今に伝えています。
自然の情景や繊細な感情を音楽で表現することを好む方にオススメの1曲です。
テネブレの独誦François Couperin

旧約聖書の『エレミアの哀歌』をテキストにした宗教曲で、エルサレムの崩壊を嘆く内容が込められています。
復活祭前の「聖なる3日間」の深夜に行われる「テネーブルの礼拝」で演奏されることを目的として作曲されました。
半音階や絶妙な転調を特徴とする美しい旋律が印象的な本作。
2人のソプラノによって歌われることが多く、冒頭から2人の声が不協和音でぶつかり合い、やがて解決されるという構造が、聴く者の心を揺さぶります。
静謐で神秘的な音楽性から、「究極の癒しの音楽」とも称されることがあります。
クラシック音楽愛好家はもちろん、心を落ち着けたい方にもオススメの1曲です。
王宮のコンセール – コンセール第2番 ニ長調François Couperin

クープランの代表作として知られる『王宮のコンセール』。
5つの楽章からなるこの曲は、優雅さと洗練さにあふれています。
とくに印象的なのは、「エコー」の楽章。
音の反響を模倣する技巧が用いられ、聴く人を魅了します。
1714年から1715年頃、ヴェルサイユ宮殿での演奏会のために作曲されましたが、ルイ14世の晩年、彼のメランコリーを和らげるために作られたという逸話も。
高貴でありながら内省的な雰囲気が漂う本作は、バロック音楽に興味のある方にぜひオススメしたい1曲です。
組曲集「諸国の人々」 第4組曲「ピエモンテ人」François Couperin

バロック音楽の魅力が詰まった室内楽作品『諸国の人々』。
1726年に出版されたこの作品集は、フランスとイタリアの音楽様式の融合を追求したクープランの代表作です。
その中のピエモンテをテーマにした第4組曲は、イタリア音楽の影響が色濃く表れた1曲。
荘重な序奏に始まり、明るく輝かしい旋律が展開されるソナードや、歌うような美しい旋律が印象的なロンドーなど、各楽章がバロック音楽の華やかさを存分に表現しています。
優雅で洗練された音楽を楽しみたい方にオススメの1曲です。
クラヴサン曲集 第2巻 第6組曲より 第5曲François Couperin

クラヴサンの優雅な音色が織りなす神秘的な世界。
クープランが遺した『クラヴサン曲集』の中でもとくに人気の高い1曲です。
1717年に出版された第2巻に収められた本作は、狭い音域で繰り返される素朴な音型が特徴的。
光と影が揺らめくような神秘的な雰囲気を醸し出しています。
変ロ長調で書かれており、複雑な装飾音が多用され、演奏者には高度な技術が求められます。
『神秘的なバリケード』というタイトルの意味は明らかではありませんが、そこに込められた作曲家の思いを想像しながら聴くのも一興かもしれませんね。





