【古典派音楽】バロックとロマン派を繋ぐ重要な時代に生まれた名曲を厳選
ハイドン、ベートーヴェン、モーツァルトを中心とするウィーン古典派の作曲家らが活躍した「古典派時代」。
旋律を伴奏が支えるホモフォニーによる作曲が主流となり、ソナタ形式や交響曲、協奏曲、弦楽四重奏曲、ピアノソナタといった音楽形式、形態が確立した、クラシック音楽史を語るうえで欠かせない時代です。
本記事では、そんな古典派の時代に生まれた音楽のなかから、特に有名な曲や歴史上重要とされている作品をご紹介します!
【古典派音楽】バロックとロマン派を繋ぐ重要な時代に生まれた名曲を厳選(1〜10)
トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob.VIIe:1Franz Joseph Haydn

古典派音楽の巨匠、ハイドンが64歳の時に作曲した名曲『トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob.VIIe:1』は、トランペット奏者のヴァイディンガーのために書かれました。
当時開発されたクロマチックに演奏可能な新しいトランペットの魅力を存分に引き出したこの曲は、ソロとオーケストラの絶妙な掛け合いが楽しめる3楽章形式。
演奏会やコンクールの課題としてトランぺッターたちから親しまれているだけでなく、香港のバラエティ番組のテーマ曲やNetflixドラマにも使用された、クラシック音楽ファンだけでなく幅広い層にオススメの作品です。
交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68「田園」Ludwig van Beethoven

ドイツの巨匠ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、古典派からロマン派への過渡期を代表する作曲家です。
彼の革新的な作品は、後世の音楽家たちに多大な影響を与えました。
『交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68「田園」』は、ベートーヴェンが自然への愛を音楽で表現した珠玉の交響曲です。
田園風景への憧れと、そこで感じる喜びや安らぎが見事に描かれています。
鳥のさえずりや嵐の表現など、緻密な楽器法も聴きどころ。
自然の美しさに心癒やされたい時、ゆったりと音楽に浸りたい時にオススメの1曲です。
2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448 K6.375a 第1楽章Wolfgang Amadeus Mozart

古典派音楽の代表的作曲家であるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは、その短い生涯にもかかわらず800以上もの楽曲を残した天才作曲家。
『2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448 K6.375a』は、ウィーンで親交のあったピアニストのために作曲された傑作で、ガラン様式の中に細工された構造と純粋な喜びが込められた名曲として知られています。
この曲は、3つの楽章から成り、各楽章がそれぞれ独自の音楽的展開を見せます。
特に2台のピアノが旋律を引き継ぎながら進行していく第1楽章は、漫画が原作のドラマ『のだめカンタービレ』で取り上げられたことから、幅広く親しまれいます。
交響曲 第40番 ト短調 K.550Wolfgang Amadeus Mozart

『交響曲 第40番 ト短調 K.550』は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの数多くの交響曲のなかでも特に人気の高い1曲です。
この時期のモーツァルトの音楽は、経済的な不安定さや私生活の困難とは裏腹に、芸術的にはむしろ円熟期を迎えていました。
本作は、ビオラの序奏から始まる哀切なメロディと、ソナタ形式の堅固な構成が印象的な、深遠にして洗練された作品です。
生と死、光と闇が交錯するかのような情緒豊かな旋律は、聴く者の心に強く訴えかけます。
クラシック音楽の入門者から上級者まで、ぜひ一度は耳にしておきたい不朽の名曲といえるでしょう。
エリーゼのためにLudwig van Beethoven

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、古典派音楽の集大成とロマン派音楽の先駆けとして知られる、クラシック音楽史上最も重要な作曲家のひとりです。
彼の作品は、複雑さ、革新性、感情的な深みが特徴であり、政治的・文化的変動が反映されています。
『エリーゼのために』は、1810年頃に作曲されたとされる、ベートーヴェンの最も人気のある作品の一つ。
献呈者が誰であったかについては諸説ありますが、そのシンプルでキャッチーなメロディは、今なお多くの人々に愛されています。
クラシック音楽初心者からベテランまで、幅広い層にオススメしたい名曲です。
歌劇「魔笛」より「夜の女王のアリア」Wolfgang Amadeus Mozart

モーツァルトのオペラの中でもとくに人気のある『魔笛』。
その中でもこの曲は、夜の女王が復しゅうのため、娘のパミーナに宿敵であるザラストロを殺してくるようにと命じる場面で歌われるアリアで、超高音をコントロールをするのがとても難しい超絶技巧を要する曲として知られています。
うまく歌えるのは、プロのソプラノ歌手の中でもほんの一握りなのだそう。
オラトリオ「天地創造」Franz Joseph Haydn

古典派音楽を代表する作曲家、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン。
オーストリア出身のハイドンは、交響曲や弦楽四重奏曲の分野で特に優れた業績を残し、「交響曲の父」「弦楽四重奏曲の父」とも称されています。
そんな彼の代表作の一つが、1798年に初演されたオラトリオ『天地創造』です。
この曲では、旧約聖書の創世記をもとにした壮大な物語を、独唱、合唱、オーケストラの織りなす美しい音楽で表現。
天地創造の過程や、アダムとイヴの愛、自然との調和が描かれ、聴く者に深い感銘を与えます。
信仰心と啓もう思想が融合した本作は、音楽を通して人間と自然の美しい関係性を伝える不朽の名作です。






