【フランソワ・クープラン】クラヴサンを愛した作曲家の名曲、人気曲を紹介
バロック時代のフランスの作曲家、フランソワ・クープラン。
音楽名家であるクープラン家の中で育ち、その家系の中で最も有名になりました。
フランスの音楽家たちの中でも異才で、あの有名なドイツの音楽家ブラームスは、大のフランス音楽嫌いなのに彼の音楽にはかなり興味を示していたそう。
本記事ではそんなフランソワ・クープランの名曲、人気曲を紹介します。
彼の作品の中でも主要な位置を占めるのは、200曲以上ある『クラヴサン曲集』。
その中でも有名な曲をピックアップしたので、クラヴサンの音色で奏でられる優雅で描写的な音楽をぜひお楽しみください。
【フランソワ・クープラン】クラヴサンを愛した作曲家の名曲、人気曲を紹介(1〜20)
クラヴサン曲集 第3巻 第13組曲より第2曲「葦」François Couperin

ロ短調で作曲された本作は、しなやかで優美な旋律が特徴的。
風に揺れる葦のような繊細な動きを音楽で表現し、自然の美しさを巧みに描写しています。
1722年に出版された『クラヴサン曲集』第3巻に収録されており、当時のフランス宮廷文化を今に伝える貴重な作品となっています。
クラヴサンの豊かな音色と装飾音が水辺の情景を鮮やかに浮かび上がらせ、穏やかで内省的な雰囲気の中に、人間の柔軟性や自然との調和を感じさせる奥深さがあります。
バロック音楽の優雅さを堪能したい方や、自然の情景を音楽で楽しみたい方にオススメですよ。
ソナタ 「スルタン妃」François Couperin

クープランの代表作として知られるこの四重奏ソナタ。
2つのヴァイオリン、2つのバス・ヴィオール、通奏低音、という編成で演奏されます。
全6楽章からなり、緩やかな楽章と速いテンポの楽章が交互に配置されているのが特徴的。
17世紀末のパリで流行していた東洋趣味の影響を受け、荘重な楽想から「スルタン妃」という名前が付けられたと言われています。
フランスとイタリアの音楽様式を見事に融合させた秀作であり、繊細なテクスチュアや柔軟な舞曲のリズム、抒情性豊かな旋律が魅力的です。
バロック音楽に興味のある方はもちろん、室内楽曲が好きな方もぜひ聴いてみてください。
パルナッスス山、またはコレッリ賛François Couperin

クラヴサンの魅力が詰まった7つの楽章からなるプログラム音楽。
コレッリがパルナッスス山を登る情景を、優雅かつ情熱的な音楽で描写しています。
フランス風の繊細さとイタリア風の華やかさが絶妙に溶け合い、バロック音楽の粋を集めた至高の作品。
クープランが提唱した「趣味の融合」の理念を体現しており、フランスとイタリアの音楽様式の調和を追求しています。
1725年に出版された本作は、クラシック音楽ファンはもちろん、物語性のある音楽を楽しみたい方にもオススメです。
王宮のコンセール – コンセール第2番 ニ長調François Couperin

クープランの代表作として知られる『王宮のコンセール』。
5つの楽章からなるこの曲は、優雅さと洗練さにあふれています。
とくに印象的なのは、「エコー」の楽章。
音の反響を模倣する技巧が用いられ、聴く人を魅了します。
1714年から1715年頃、ヴェルサイユ宮殿での演奏会のために作曲されましたが、ルイ14世の晩年、彼のメランコリーを和らげるために作られたという逸話も。
高貴でありながら内省的な雰囲気が漂う本作は、バロック音楽に興味のある方にぜひオススメしたい1曲です。
クラヴサン曲集 第2巻 第6組曲より 第5曲François Couperin

クラヴサンの優雅な音色が織りなす神秘的な世界。
クープランが遺した『クラヴサン曲集』の中でもとくに人気の高い1曲です。
1717年に出版された第2巻に収められた本作は、狭い音域で繰り返される素朴な音型が特徴的。
光と影が揺らめくような神秘的な雰囲気を醸し出しています。
変ロ長調で書かれており、複雑な装飾音が多用され、演奏者には高度な技術が求められます。
『神秘的なバリケード』というタイトルの意味は明らかではありませんが、そこに込められた作曲家の思いを想像しながら聴くのも一興かもしれませんね。