【ベートーヴェン】ピアノで簡単に弾ける珠玉の名曲をピックアップ
音楽史において最も偉大な作曲家の1人、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。
32曲のピアノソナタをはじめ、交響曲、室内楽曲、オペラ、宗教曲など、さまざまな形式の名曲を残したことでも知られ、生誕から250年以上経過した今でも、世界中で愛されているクラシック作曲家の1人です。
今回はそんなベートーヴェンの作品のなかでも、ピアノで演奏しやすい比較的簡単な楽曲をピックアップしました。
ピアノ独奏用に作曲されたものに限らず、交響曲のアレンジなど幅広くセレクトしていますので、ぜひご自分にピッタリの作品を見つけてチャレンジしてみてくださいね!
【ベートーヴェン】ピアノで簡単に弾ける珠玉の名曲をピックアップ(1〜10)
ピアノソナタ 第25番 Op.79 第3楽章Ludwig van Beethoven

アンダンテの速さで9/8拍子の優雅なリズムに乗せて奏でられる珠玉の名曲です。
揺れる舟のような柔らかな旋律は、穏やかな波に揺られているような安らぎを感じさせます。
1809年の作品ながら、その魅力は今も色あせず、多くのピアニストたちを魅了し続けています。
本作は全34小節という短い楽章ですが、その中に繊細な感情表現が凝縮されており、ロマンティックで抒情的な雰囲気が印象的です。
ABA形式で構成された楽曲は、ピアノの表現力を存分に引き出し、優美な旋律が心に響きます。
ピアノを愛する方々にぜひおすすめしたい一曲で、静かな時間の中で音楽と向き合いたい方に最適です。
エコセーズ 変ホ長調 WoO 86Ludwig van Beethoven

スコットランドの民族舞踊をモチーフにした軽快な一曲です。
1825年11月にアルバム『Ernst und Tändeley』に収録され、変ホ長調で書かれた短く魅力的な舞曲となっています。
シンプルな二部構成でありながら、親しみやすいメロディーと心地よいリズムが特徴です。
本作はサロンでの演奏や舞踏会用の楽曲として人気を博し、優雅で明るい雰囲気を持ち合わせています。
ピアノを楽しみながら練習したい方や、短い演奏時間でも充実感を味わいたい方にぴったりの作品です。
気軽に取り組める構成と魅力的な旋律で、ピアノ学習の良いステップとなるでしょう。
6つのエコセーズ 第1番Ludwig van Beethoven

2/4拍子の軽快なリズムが印象的なスコットランド風の舞曲です。
1806年にピアノ独奏用として作られた本作は、明るく親しみやすい雰囲気を持ち、短い曲の中にベートーヴェンらしいユーモアと遊び心が詰まっています。
全体の演奏時間は約2分半と短めながら、男女が向かい合って踊るスタイルに合わせた活発とした旋律が魅力です。
サロンや家庭での演奏を目的に書かれており、ピアノを学習されている方にぴったりです。
フェルッチョ・ブゾーニやカール・ライネッケなど、著名な音楽家たちによる編曲版もあり、さまざまな楽器編成でも楽しめます。
ピアノソナタ 第25番 Op.79 第2楽章Ludwig van Beethoven

音色が豊かな第2楽章では、優雅で穏やかなロシア風のメロディーが流れ、まるで静かな物語を紡ぐように美しく展開していきます。
ゆったりとしたアンダンテ(Andante)のテンポで奏でられる旋律は、心に染み入るような情感を帯びており、安らぎを感じさせてくれます。
それでいて過度な技巧を必要とせず、ピアノの表現力を上手く引き出しやすい楽曲です。
1809年に作曲された本作は、短いながらもベートーヴェンの抒情的な音楽性が存分に詰まっています。
穏やかで親しみやすい音楽を好む方や、クラシック音楽の素晴らしさを味わいたい方にぜひお薦めしたい名曲です。
アルマンド イ長調 WoO 81Ludwig van Beethoven

4分の4拍子で優雅に流れる舞曲は、16世紀から17世紀にかけて人気を博したドイツの伝統的なスタイルを踏襲しながら、1793年ウィーンで作曲された作品です。
右手で奏でられる華やかな旋律と、左手の落ち着いた伴奏が見事に調和し、短い演奏時間ながらも豊かな音楽表現が詰まっています。
本作は穏やかな流れの中にベートーヴェンらしい個性的な表現が織り込まれ、落ち着いた気分で演奏を楽しめます。
シンプルながらも魅力的な旋律は、ピアノを楽しく練習したい方や、クラシック音楽の世界に触れてみたい方にぴったりの一曲です。
ジャンルカ・カッショーリやロナルド・ブラウティガムなど、著名なピアニストたちの演奏でも親しまれています。
ピアノのための11の新しいバガテル Op.119 第9曲 イ短調Ludwig van Beethoven

ピアノ小品集からとびきり珠玉の1曲をご紹介します。
活発で穏やかな曲調の本作は、楽しく弾けて心が温まる作品に仕上がっています。
軽快なリズムと繊細な旋律が相まって、ピアノ独奏の醍醐味を存分に味わえます。
イ短調の調性ながら、豊かな和音の響きが印象的で、1820年に公開された作品ならではの深い音楽性に溢れています。
ピアノを始めたばかりの方からベテランの方まで、音楽の素晴らしさを感じられる一曲です。
演奏時間が短めなのでステージ発表会でも取り入れやすく、聴衆を魅了する演奏が期待できます。
ピアノのための11の新しいバガテル Op.119 第1曲 ト短調Ludwig van Beethoven

シンプルなピアノ小品でありながら、1820年から3年がかりで作曲された表情が豊かな作品です。
短い曲でありながら、スラーを用いた繊細なフレーズやト短調からト長調への印象的な転調など、豊かな音楽表現が含まれています。
ピアノを学ぶ方に向けた教材としても広く活用されており、中級程度の演奏難易度で、ベートーヴェンの世界観を堪能できる楽曲となっています。
本作は晩年の作風を色濃く反映した曲で、シンプルな中にも深い音楽的洞察が込められています。
静寂の中で終わるエンディングまで、音楽的な発見がちりばめられた魅力的な1曲です。