【ピアノ変奏曲】偉大な作曲家が手掛けた珠玉の名作を一挙紹介!
曲が展開していく中で、テーマがさまざまな変化を遂げていくクラシック作品の形式の一つ「変奏曲」。
名作曲家らが遺した変奏曲は、ピアノ発表会やコンサートで演奏されるだけでなく、ピアノ演奏で必要なあらゆるテクニックが凝縮された教材として、長きにわたりピアノ学習者の間で親しまれています。
本記事では、そんな変奏曲の中でも特に知名度の高いピアノのために作曲された作品をピックアップ!
曲の背景や演奏のポイントをご紹介しますので、変奏曲に興味のある方はぜひ参考にしてください!
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【ピアノ変奏曲】偉大な作曲家が手掛けた珠玉の名作を一挙紹介!(1〜10)
アベック変奏曲 Op.1Robert Schumann

『アベック変奏曲 Op.1』は、ロベルト・シューマンが1829年から1830年にかけて作曲し、作品番号1として出版された初期の重要な作品です。
この曲は、シューマンの架空の友人メタ・アベッグにちなんで名付けられ、テーマとABEGGの音符を用いた5つの変奏から構成されています。
最終楽章では、幻想的なフィナーレの中で架空の人物が音楽的に消失していくという、シューマン独特の物語性が感じられる作品に仕上がりに。
若き才能あふれるシューマンの創造性が発揮された本作は、ピアノを学ぶ過程で挑戦してみたい魅力的な変奏曲といえるでしょう。
ゴルトベルク変奏曲(アリアと30の変奏曲)ト長調 BWV 988J.S.Bach

音楽の父、ヨハン・セバスチャン・バッハによる名曲『ゴルトベルク変奏曲(アリアと30の変奏曲)ト長調 BWV 988』。
全32曲からなる作品で、バッハの作品のなかでも屈指の難易度をほこることで知られています。
そんなこの作品の難しいポイントは、なんといってもオクターブ。
変奏によって速くなったり、ゆるやかになったりと複雑に速度が変わるなかで、広いオクターブに対応しなければなりません。
技術だけではなく、手の大きさといった先天的な要素も求められる高難易度の作品です。
自作主題による15の変奏曲とフーガ Op.35「エロイカ変奏曲」Ludwig van Beethoven

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1802年に作曲した『自作主題による15の変奏曲とフーガ Op.35「エロイカ変奏曲」』。
翌年の交響曲第3番『英雄』の終楽章で使われるテーマを基にした、ピアノソロのための4つの序奏と主題、15の変奏曲、終結部で構成されています。
従来の変奏曲形式から脱却し、主題ではなく主題の低音部から開始するユニークな構成が印象的。
15の多彩な変奏の後、終曲としてフーガを配置し、さらに2つの変奏を追加したのも斬新です。
ベートーヴェンお気に入りのテーマの変遷を感じながら、演奏・鑑賞してみてはいかがでしょうか。
【ピアノ変奏曲】偉大な作曲家が手掛けた珠玉の名作を一挙紹介!(11〜20)
交響的練習曲 Op.13Robert Schumann

ドイツ・ロマン派を代表する作曲家、ロベルト・シューマン。
彼が残したピアノ独奏曲『交響的練習曲 Op.13』は、練習曲の枠を超えた高度な表現力を要求する作品集です。
この曲は、シューマンの友人であるイギリス人作曲家ウィリアム・ベネットに献呈されました。
当初は12曲で出版されましたが、1852年の改訂版では曲数が減らされ『変奏曲形式による練習曲』と改題。
没後の1890年、ブラームスの校訂で未発表の5曲が加えられた全17曲の第3版が完成しました。
一貫して流れるモチーフを軸に、多彩な変奏が繰り広げられる『交響的練習曲』は、シューマンのピアノ作品の中でも最難関とされています。
複雑な和声とテクニックを駆使して、彼の創造力の探求の軌跡をたどってみてはいかがでしょうか?
アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII/6Franz Joseph Haydn

交響曲や弦楽四重奏曲の父とも称されるフランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1793年に作曲したのが、ピアノ曲『アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII/6』です。
この作品は、ヘ短調とヘ長調の二重変奏形式で、切なさと明るさが交錯する名曲として知られています。
作曲の背景には、ハイドンと親交があり、彼のよき理解者であったマリアンネ・フォン・ゲンツィンガーの死が影を落としているともいわれています。
昇降するクロマチックな動機やオクターブの跳躍など、洗練された技法が随所にちりばめられた本作は、ピアノ奏者の腕の見せどころ!
ハイドンの感情の機微と創造性を味わいながら、クラシック音楽の神髄に触れてみてはいかがでしょうか。
デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 ニ長調 K.573Wolfgang Amadeus Mozart

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1789年に作曲した『デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 ニ長調 K.573』は、チェロ奏者ジャン・ピエール・デュポールのメヌエットを主題に用い、モーツァルトならではの音楽的創造力と洗練された技術が詰め込まれた変奏曲です。
優雅で繊細なテーマが徐々に展開していく様子は、モーツァルトの持つ無限の音楽的可能性を感じさせてくれます。
ピアノ曲のレパートリーとして重要な位置を占めるこの曲は、初見では難しく感じるかもしれませんが、一つひとつの変奏に丁寧に向き合い、世界観を体現できるよう練習を重ねていくのがオススメです!
ポーランドの主題による変奏曲 変ロ短調 Op.3Karol Szymanowski

20世紀初頭のポーランドを代表する作曲家、カロル・シマノフスキの作品は、ドイツ後期ロマン派やスクリャービン、印象主義の影響を受けつつも、ポーランドの民俗音楽にも深く根ざしています。
『ポーランドの主題による変奏曲 変ロ短調 Op.3』は、シマノフスキの初期作品であり、友人のアーサー・ルービンシュタインに捧げられました。
この作品は、主題と12の変奏からなり、伝統的な変奏曲形式の枠組みを用いながらも、シマノフスキ独自の個性的な調和と独創性が追求されています。
特に第6変奏と第9変奏では、スクリャービンの影響が色濃く見られますが、シマノフスキならではの魅力が前面に出ています。
最終的に、この作品は伝統的な変奏形式の枠を超え、独自の形式と様式を生み出しており、シマノフスキの繊細かつ革新的な作曲技法を示す好例となっています。





