【ピアノ変奏曲】偉大な作曲家が手掛けた珠玉の名作を一挙紹介!
曲が展開していく中で、テーマがさまざまな変化を遂げていくクラシック作品の形式の一つ「変奏曲」。
名作曲家らが遺した変奏曲は、ピアノ発表会やコンサートで演奏されるだけでなく、ピアノ演奏で必要なあらゆるテクニックが凝縮された教材として、長きにわたりピアノ学習者の間で親しまれています。
本記事では、そんな変奏曲の中でも特に知名度の高いピアノのために作曲された作品をピックアップ!
曲の背景や演奏のポイントをご紹介しますので、変奏曲に興味のある方はぜひ参考にしてください!
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【ピアノ変奏曲】偉大な作曲家が手掛けた珠玉の名作を一挙紹介!(1〜10)
厳格なる変奏曲 Op.54Felix Mendelssohn

初期ロマン派を代表する人物のひとりであるドイツの作曲家、フェリックス・メンデルスゾーン。
彼の音楽は、古典主義の様式を尊重しつつ、ロマン主義の感情表現や想像力を融合させたことで知られています。
1841年に完成させたピアノソロ作品『厳格なる変奏曲 Op.54』は、ニ短調の主題と17の変奏からなる約11分の大曲。
この作品は、当時流行していた華やかな変奏曲に対し、より深遠で芸術性の高い変奏を追求した意欲作です。
各変奏は多彩な表情を見せ、メンデルスゾーンならではの深い表現力が随所に感じられます。
技術的にも非常に高度な作品ですが、練習を重ねることで得られる達成感は絶大。
ピアノ上級者の方にぜひ取り組んでいただきたい作品です。
自作主題による15の変奏曲とフーガ Op.35「エロイカ変奏曲」Ludwig van Beethoven

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1802年に作曲した『自作主題による15の変奏曲とフーガ Op.35「エロイカ変奏曲」』。
翌年の交響曲第3番『英雄』の終楽章で使われるテーマを基にした、ピアノソロのための4つの序奏と主題、15の変奏曲、終結部で構成されています。
従来の変奏曲形式から脱却し、主題ではなく主題の低音部から開始するユニークな構成が印象的。
15の多彩な変奏の後、終曲としてフーガを配置し、さらに2つの変奏を追加したのも斬新です。
ベートーヴェンお気に入りのテーマの変遷を感じながら、演奏・鑑賞してみてはいかがでしょうか。
ゴルトベルク変奏曲(アリアと30の変奏曲)ト長調 BWV 988J.S.Bach

音楽の父、ヨハン・セバスチャン・バッハによる名曲『ゴルトベルク変奏曲(アリアと30の変奏曲)ト長調 BWV 988』。
全32曲からなる作品で、バッハの作品のなかでも屈指の難易度をほこることで知られています。
そんなこの作品の難しいポイントは、なんといってもオクターブ。
変奏によって速くなったり、ゆるやかになったりと複雑に速度が変わるなかで、広いオクターブに対応しなければなりません。
技術だけではなく、手の大きさといった先天的な要素も求められる高難易度の作品です。
創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80Ludwig van Beethoven

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1806年に作曲した『創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80』は、シンプルな8小節の主題とその上に展開される32の変奏からなるピアノソロ作品です。
各変奏は、主題の和声パターンに沿って、スタッカート、アルペジオ、半音階、対位法的な要素など、多彩な音楽的要素を盛り込みながら、演奏者の技巧に挑戦する内容となっています。
感情の起伏に富んだ表現豊かな作品であり、ピアノ学習者にとって、あらゆる奏法を学べる教材としても人気が高い作品です。
アベック変奏曲 Op.1Robert Schumann

『アベック変奏曲 Op.1』は、ロベルト・シューマンが1829年から1830年にかけて作曲し、作品番号1として出版された初期の重要な作品です。
この曲は、シューマンの架空の友人メタ・アベッグにちなんで名付けられ、テーマとABEGGの音符を用いた5つの変奏から構成されています。
最終楽章では、幻想的なフィナーレの中で架空の人物が音楽的に消失していくという、シューマン独特の物語性が感じられる作品に仕上がりに。
若き才能あふれるシューマンの創造性が発揮された本作は、ピアノを学ぶ過程で挑戦してみたい魅力的な変奏曲といえるでしょう。