【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~
19世紀後半にフランス・パリで起きた芸術運動「印象派」。
見たものを忠実に再現する写実主義がよしとされていた時代から、より自由な表現方法を求める時代への変化は、クラシック音楽史にも多大な影響を与えました。
そして、この印象派を代表する作曲家として後世に名を残したのが、クロード・ドビュッシーとモーリス・ラヴェル。
今回は、この2人の偉大な作曲家と、印象派の影響を受けたとされている19世紀の作曲家をピックアップし、光や色彩感を重要視した印象派らしさを感じさせる名曲をご紹介していきます!
- 【難易度低め】聴いた印象ほど難しくない!?ドビュッシーのピアノ曲
- 【難易度低め】ラヴェルのピアノ曲|難易度低め&さらっと弾ける作品を厳選!
- 【上級者向け】聴き映え重視!ピアノ発表会で弾きたいクラシック音楽
- 【イベールのピアノ曲】20世紀フランスの作曲家が手掛けた珠玉の名作
- 美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い
- 【現代曲】ピアノの不思議な響きに惹かれるクラシック作品を厳選!
- 【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選
- 【中級レベル】華やかな旋律が印象的なピアノの名曲を厳選!
- 【セヴラックのピアノ曲】ドビュッシーが認めた天才作曲家による名作
- 【シャブリエのピアノ曲】フランス音楽のエスプリが手掛けた珠玉の名曲
【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(1〜10)
高雅で感傷的なワルツ 第1ワルツ,Modéré(モデラート) ト長調NEW!Maurice Ravel

伝統的なワルツに、モーリス・ラヴェルらしい近代的な響きを融合させた組曲『Valses nobles et sentimentales』。
その幕開けを飾る第1曲は、優雅でありながらどこか物憂げな、不思議な気持ちにさせられる1曲です。
この楽曲は、1911年5月の初演で作曲者名を伏せて演奏され、その斬新さで聴衆を驚かせました。
華やかな舞踏会で踊りながらも、ふと心によぎる秘めた想い…そんな情景が目に浮かぶようです。
バレエ『Adélaïde, ou le langage des fleurs』としても知られています。
本作は、これまでのワルツのイメージを覆すような、リズムやハーモニーの面白さを感じたい方にぴったり!
華やかさの奥に潜む憂いを表現できるよう、角のないやわらかい音で演奏しましょう。
高雅で感傷的なワルツ 第2ワルツ,Assez lent(十分に遅く)ト短調NEW!Maurice Ravel

心の奥深くを覗き込むような、内省的な雰囲気が魅力の作品で、モーリス・ラヴェルが手掛けた組曲『Valses nobles et sentimentales』に含まれています。
本作は1911年に、作曲者を伏せたままプライベートな演奏会で披露されたという逸話があります。
ゆったりと流れる時間の中に、感傷的でありながらも高貴な旋律が浮かび上がり、聴く人の心に静かに寄り添うかのようです。
伝統的なワルツのリズムに隠された、少々意外な響きが、言葉にならない複雑な感情を表現しているみたいですね。
繊細な音色の変化や、息の長いフレージングを学びたい方にぴったりな一曲。
神秘的な雰囲気を壊さないよう、一つ一つの音に想いを込めて、呼吸するように演奏するのがポイントです!
高雅で感傷的なワルツ 第3ワルツ.Modéré ト長調NEW!Maurice Ravel

シューベルトのワルツに倣って作られた、モーリス・ラヴェルの組曲『Valses nobles et sentimentales』。
1911年にピアノ作品として世に出て、翌年にはバレエ音楽としても上演されました。
全八曲からなるこの組曲の三番目のワルツは、穏やかで整然とした中に、ふと物憂げな表情がのぞく美しい1曲です。
この楽曲は「高雅さ」と「感傷」という二つの心が、絶妙なバランスで表現されています。
流れるような三拍子に乗せた、少々複雑で透明感のある和音は、まるで淡い光と影が織りなす心の機微のよう。
本作は、技巧を誇示するのではなく、楽譜に込められた細かなニュアンスを丁寧に紡ぎ出すのがポイントです。
上品な雰囲気を出せるよう、角のないやわらかい音で演奏しましょう。
【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(11〜20)
高雅で感傷的なワルツ 第4ワルツ,Assez animé(十分に活発に)NEW!Maurice Ravel

モーリス・ラヴェルがシューベルトへの敬意を込めた組曲『Valses nobles et sentimentales』の中には、伝統的なワルツにモダンな感性を融合させた魅力的な作品が多々あり、この一曲も躍動感と洒落っ気が際立つ楽曲です。
1911年5月の初演では作曲者名を伏せて演奏され、聴衆が作者を推理したという逸話もユニークですね。
オーケストラ版は、1820年代のパリの恋愛模様を描いたバレエ『Adélaïde, ou le langage des fleurs』として上演されました。
花の言葉に託された恋の駆け引きを思い浮かべると、「この響きはただ優雅なだけじゃない」というポイントを感じ取れるはず!
右手の技巧的な動きで密な和音を軽やかに奏でるのがポイント。
古典の枠を超えた新しい表現を探している方にぜひ触れていただきたい作品です。
高雅で感傷的なワルツ 第5ワルツ,Presque lent ホ長調NEW!Maurice Ravel

組曲『Valses nobles et sentimentales』に含まれる、ひときわ内省的な一曲です。
1911年5月に匿名の新作発表会で初演された際、多くの批評家が作者をモーリス・ラヴェルだと見抜いたという逸話も残っています。
この楽曲には「親密な感情にて」と記されており、心の内側でささやかれる対話のような、とてもプライベートな雰囲気に満ちています。
寄せては返す波のようなメロディは、ため息のようでもあり、秘めた想いのようでもあり、聴く人の心に静かに寄り添います。
繊細なタッチや表現力を深めたい方にぴったりです。
感傷的で美しい世界観を大切に、角のないやわらかい音で丁寧に奏でましょう。
高雅で感傷的なワルツ 第6ワルツ,Vif(活発に)NEW!Maurice Ravel

シューベルトのワルツに倣ってモーリス・ラヴェルが作曲した、組曲の中の一曲です。
くるくると表情を変える万華鏡のように、活発で少しいたずらっぽい雰囲気に満ちています。
1911年5月の初演では作曲者名を伏せて演奏され、その斬新さから多くの聴衆が作者を当てられなかったそうです。
この楽曲は後に、バレエ『Adélaïde ou le langage des fleurs』の音楽としても使われました。
本作は、少々スリリングでユーモラスな舞踏会を描いたかのよう。
軽やかなスタッカートと滑らかなレガートの対比を意識しながら、リズムの面白さを表現するのがポイント!
短いながらも弾きごたえがあり、表現の幅を広げたい方にぴったりの一曲です。
水の戯れMaurice Ravel

モーリス・ラヴェルの『水の戯れ』は、1902年の初演以来、多くのピアニストに愛されている名曲です。
この作品の魅力は、心地よい水の流れを感じさせるような緩やかな旋律。
フランツ・リストの影響を受けながらも、水彩画のような淡い雰囲気が特徴的なラヴェルらしさを十分に楽しめ、さらに親しみやすさも感じられるこの曲は、印象主義の作品に触れる最初の1曲としてもオススメです。
発表会曲や練習曲として丁寧に取り組めば、演奏する喜びと技術の向上が体感できるでしょう。