【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~
19世紀後半にフランス・パリで起きた芸術運動「印象派」。
見たものを忠実に再現する写実主義がよしとされていた時代から、より自由な表現方法を求める時代への変化は、クラシック音楽史にも多大な影響を与えました。
そして、この印象派を代表する作曲家として後世に名を残したのが、クロード・ドビュッシーとモーリス・ラヴェル。
今回は、この2人の偉大な作曲家と、印象派の影響を受けたとされている19世紀の作曲家をピックアップし、光や色彩感を重要視した印象派らしさを感じさせる名曲をご紹介していきます!
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【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(1〜10)
映像 第1集 水の反映Claude Debussy

美しく揺らめく水面に反射する光のきらめき……絵画的なイメージを想起させる美しい楽曲ですね。
水をテーマとしたクラシックのピアノ曲としては、直接的な影響を受けたフランツ・リストの『エステ荘の噴水』、そしてモーリス・ラヴェルの『水の戯れ』と並んで有名な曲として知られるクロード・ドビュッシーの『水の反映』。
ピアノ曲集『映像 第1集』として発表された楽曲で、水の動きそのものに着目した世界観が、作者の繊細な感性によって見事に描き出されています。
古典的な作法から外れた自由な作曲方法で知られるドビュッシーの曲ですから、がちがちのクラシック曲は苦手……という方もぜひチェックしてみてください!
波のアラベスク三善晃

三善晃は、フランス近代音楽、そして印象派の作曲家や作品の影響を強く受けた日本の作曲家です。
特に合唱曲においては、その書法に顕著な変化を遂げ、後進の作曲家に大きな影響を与えました。
『波のアラベスク』は、三善晃の作品集『海の日記帳』の一部であり、子供向けのピアノ曲として作曲されました。
遠くから押し寄せる波の動きや、クライマックスでは前に進むような感じ、最終的には波が収まっていく様子を音楽で表現したこの曲の演奏では、音楽を通じて海の情景を描き出すことが求められます。
『波のアラベスク』は、演奏者の技術的なスキルだけでなく、音楽を通じた表現力を深めるための素晴らしい教材となるでしょう。
9つの前奏曲 Op.1Karol Szymanowski

カロル・シマノフスキは、ポーランドを代表する20世紀初頭の作曲家です。
彼は、ショパンやワーグナーなどの影響を受けつつも、革新的な和声法やポリリズムの使用によって独自の音楽言語を築き上げました。
若き日のシマノフスキの情熱的で革新的な音楽性が反映された『9つの前奏曲 Op.1』は、クリスティアン・ツィマーマンによって録音され、2022年9月にリリースされました。
この作品は、シマノフスキが音楽的才能を示した初期の画期的な作品であり、複雑なリズム、クロマチックな和声、豊かなテクスチャによって聴き手を魅了します。
言葉を使わずに音楽そのもので感情やイメージを伝えるこの前奏曲集は、クラシック音楽になじみのある方はもちろん、これからピアノ曲の魅力を発見したい方にもおすすめの1曲です。
【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(11〜20)
ジムノペディ 第1番Erik Satie

ドビュッシーやラヴェルに大きな影響を与えた偉大な作曲家、エリック・サティ。
こちらの『ジムノペディ 第1番』はサティの作品でも特に有名な楽曲です。
この作品を演奏する際難しいと感じやすいのが、左手の跳躍!
ゆったりとしたテンポですが、この跳躍でつまずく方が多いんです。
また、色彩感にあふれた和音は、暗譜がなかなか大変!
この曲に取り組むことで、ピアノの上達につながるさまざまなテクニックを身につけられるでしょう。
亡き王女のためのパヴァーヌMaurice Ravel

テレビCMや映画の挿入歌として使用されており、モーリス・ラヴェルのピアノ作品の中で最も多く耳にする機会のある名曲『亡き王女のためのパヴァーヌ』。
パヴァーヌとは、16世紀から17世紀にかけて宮廷に普及していた舞踏の一種です。
初めて聴く人でも心地よく世界観に浸れ、印象派の美しさを感じられるこの作品は、発表会曲としても人気で、それほど高難度ではありません。
しかし、優美さと繊細さを表現するためには丁寧な練習が必要!
上品な雰囲気を出せるよう、角のないやわらかい音で演奏しましょう。
物語 第8曲「水晶の籠」Jacques Ibert

フランスの作曲家ジャック・イベールは、新古典主義スタイルの音楽で知られ、ウィットに富んだ才気あふれる作品を多く残しています。
1919年にローマ賞を受賞したことを機に、彼の音楽家としての地位は不動のものとなりました。
この頃に書かれたピアノ曲集『物語』は、地中海やアジアの港を巡る旅から着想を得た色彩豊かな作品です。
『物語』の中でも特に人気が高い第8曲『水晶の籠』は、透明で壊れやすい美しさを感じさせるタイトル通り、繊細で幻想的な響きが魅力。
私たちの想像力をかきたて、心の奥底に閉じ込めていた大切な思い出を優しく解き放ってくれるような1曲です。
音楽を通して旅をする感覚を味わえる本作は、ピアノが奏でる多彩な表情を堪能したい方にぜひオススメしたい作品です。
旅の思い出 Op.71 第5曲「ティエラの門」Isaac Albéniz

スペインの作曲家、ピアニストであるイサーク・アルベニスは、スペイン民族音楽の影響を受けた独特な世界観の作品で知られています。
『旅の思い出 Op.71』は1886年から1887年にかけて作曲されたピアノ曲集で、その中の1曲『ティエラの門』は、ボレロのリズムを取り入れた特徴的な楽曲です。
アルベニスはこの作品を通じて、スペイン各地の風景や地域固有の音楽様式を描こうとしました。
特に『ティエラの門』では、カディス市にある同名の城門周辺の雰囲気が音楽で表現されています。
情熱的な風土や鮮やかな文化が反映された曲調は、スペインへの愛と憧れを感じさせる魅力的な作品です。
アルベニスの故郷への深い愛情に触れながら、情緒的な音楽に浸ってみるのもよいのではないでしょうか。





