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【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~

19世紀後半にフランス・パリで起きた芸術運動「印象派」。

見たものを忠実に再現する写実主義がよしとされていた時代から、より自由な表現方法を求める時代への変化は、クラシック音楽史にも多大な影響を与えました。

そして、この印象派を代表する作曲家として後世に名を残したのが、クロード・ドビュッシーとモーリス・ラヴェル。

今回は、この2人の偉大な作曲家と、印象派の影響を受けたとされている19世紀の作曲家をピックアップし、光や色彩感を重要視した印象派らしさを感じさせる名曲をご紹介していきます!

もくじ

【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(1〜20)

アラベスク 第1番Claude Debussy

アラベスク第1番/ドビュッシー/Arabesque No.1/Debussy/クラシック/Classic/ピアノ/Piano/CANACANA
アラベスク 第1番Claude Debussy

フランスの作曲家クロード・ドビュッシー。

幼少期から音楽の才能を示し、パリ音楽院でピアノや作曲を学びました。

『アラベスク第1番』は、ドビュッシーの初期の作品で、優雅で洗練されたメロディが印象的な人気曲です。

アラベスクとはアラビア風の装飾模様のことで、曲線の美しさが音楽で表現されています。

流れるようなアルペジオと、軽やかで透明感のあるタッチで奏でると、まるで絵画の中に迷い込んだような感覚を味わえるでしょう。

印象派を代表する作曲家、ドビュッシーの音楽の神秘的な美しさを存分に堪能できる作品ですよ。

ロマンス Op.24-9Jean Sibelius

Jean Sibelius : Romance Op.24 No.9/シベリウス : ロマンス Op.24 第9番
ロマンス Op.24-9Jean Sibelius

ジャン・シベリウスは、フィンランドを代表する作曲家。

ロマン派後期から初期近代にかけて活躍し、7つの交響曲をはじめとする音楽作品は世界中で愛されています。

シベリウスの『ロマンス Op.24-9』は、1901年に作曲されたピアノ小品集『10の小品 Op.24』の中の1曲。

穏やかでロマンティックな旋律が特徴的な作品で、シベリウスのピアノ作品の中でも特に人気があります。

この美しい旋律は、まるでクリスマスの贈り物のようにあたたかく、豊かな響きに満ちています。

北欧の作曲家らしい叙情的な表現力と、19世紀のロマン主義を感じさせるその音楽性は、多くのピアニストを魅了してきました。

静かな夜長に、大切な人と一緒に聴きたくなるような、心癒やされる名曲です。

夜のガスパール 第1曲「オンディーヌ」Maurice Ravel

ラヴェル:夜のガスパール Ravel : Gaspard de la nuit / 亀井 聖矢
夜のガスパール 第1曲「オンディーヌ」Maurice Ravel

モーリス・ラヴェルは、スイスバスク系の血を引くフランスの作曲家。

19世紀後半のパリで起きた芸術運動「印象派」の時代に、自由な表現を求めて活躍しました。

ラヴェルの代表作『夜のガスパール』は、アロイジウス・ベルトランの同名の詩集を題材にしたピアノ独奏のための組曲。

第1曲『オンディーヌ』では、水の精オンディーヌが人間の男性に恋をするも拒絶され、悲しみと怒りの中に姿を消す様子が描かれています。

幻想的で妖しい雰囲気の中に、水のきらめきや精霊の笑い声まで聴こえてくるようなラヴェルならではの繊細な音の表現が魅力です。

波のアラベスク三善晃

PTNA2014コンペ全国決勝/D級 金賞 米倉令真 三善 晃/波のアラベスク
波のアラベスク三善晃

三善晃は、フランス近代音楽、そして印象派の作曲家や作品の影響を強く受けた日本の作曲家です。

特に合唱曲においては、その書法に顕著な変化を遂げ、後進の作曲家に大きな影響を与えました。

『波のアラベスク』は、三善晃の作品集『海の日記帳』の一部であり、子供向けのピアノ曲として作曲されました。

遠くから押し寄せる波の動きや、クライマックスでは前に進むような感じ、最終的には波が収まっていく様子を音楽で表現したこの曲の演奏では、音楽を通じて海の情景を描き出すことが求められます。

『波のアラベスク』は、演奏者の技術的なスキルだけでなく、音楽を通じた表現力を深めるための素晴らしい教材となるでしょう。

ピアノソナタ 第2番 嬰ト短調 Op.19「 幻想ソナタ」Aleksandr Skryabin

第38回入賞者記念コンサート Jr.G級[銀賞] 太田糸音/スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ト短調 Op.19「 幻想ソナタ」
ピアノソナタ 第2番 嬰ト短調 Op.19「 幻想ソナタ」Aleksandr Skryabin

アレクサンドル・スクリャービンは、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのロシアを代表する作曲家兼ピアニストです。

彼の音楽は、当初はショパンに影響を受けたロマン派スタイルから、次第に独自の印象主義的・神秘主義的スタイルへと進化していきました。

『幻想ソナタ』の通称で知られる『ピアノソナタ第2番 嬰ト短調 Op.19』は、1897年から1898年にかけて作曲され、スクリャービンのピアノソナタの中でもとりわけ人気の高い傑作です。

第1楽章は静かな南国の夜の海岸を、第2楽章は嵐に荒れる大海原を描いており、特に第2楽章は非常に技巧的で聴衆を圧倒します。

聴いていると、スクリャービン自身が初めて見た海の壮大さと色彩の変化に心を奪われた様子が手に取るようにわかります。

若き日の忘れがたい体験が、豊かな感性によって見事に音楽に昇華されたこの曲は、ロマン派からモダンへと移行する過渡期の名曲として、今なお多くの人々を魅了し続けています。

亡き王女のためのパヴァーヌMaurice Ravel

辻井伸行 / ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
亡き王女のためのパヴァーヌMaurice Ravel

テレビCMや映画の挿入歌として使用されており、モーリス・ラヴェルのピアノ作品の中で最も多く耳にする機会のある名曲『亡き王女のためのパヴァーヌ』。

パヴァーヌとは、16世紀から17世紀にかけて宮廷に普及していた舞踏の一種です。

初めて聴く人でも心地よく世界観に浸れ、印象派の美しさを感じられるこの作品は、発表会曲としても人気で、それほど高難度ではありません。

しかし、優美さと繊細さを表現するためには丁寧な練習が必要!

上品な雰囲気を出せるよう、角のないやわらかい音で演奏しましょう。