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【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~

19世紀後半にフランス・パリで起きた芸術運動「印象派」。

見たものを忠実に再現する写実主義がよしとされていた時代から、より自由な表現方法を求める時代への変化は、クラシック音楽史にも多大な影響を与えました。

そして、この印象派を代表する作曲家として後世に名を残したのが、クロード・ドビュッシーとモーリス・ラヴェル。

今回は、この2人の偉大な作曲家と、印象派の影響を受けたとされている19世紀の作曲家をピックアップし、光や色彩感を重要視した印象派らしさを感じさせる名曲をご紹介していきます!

【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(21〜30)

小組曲:第1曲「小舟にて」Claude Debussy

ドビュッシー: 小組曲:第1曲[小舟にて][ナクソス・クラシック・キュレーション #癒し]/Debussy: Petite Suite I. En bateau
小組曲:第1曲「小舟にて」Claude Debussy

暑い夏、心に一服の清涼剤となるような、クロード・ドビュッシーのピアノ連弾作品をご紹介しますね。

1889年2月にドビュッシーと出版社代表によって初めて二人で演奏されたこの作品は、4つの小品から成る組曲の冒頭を飾ります。

まるで水面をゆるやかに進む小舟を思わせる、穏やかで美しい旋律がとっても魅力的です。

歌詞こそありませんが、ベルレーヌの詩にインスピレーションを得ているそうで、月光の下で揺蕩う舟の情景や、遠い時代の優雅な雰囲気が心に広がるようです。

揺らめくピアノの音色が、聴く人を心地よい涼しさで包み込んでくれますね!

本作は管弦楽編曲版も広く知られ、一層豊かな色彩を感じられますし、館内BGMなどで耳にすることもあるかもしれません。

暑さで少しお疲れの時や、静かに心を落ち着けたい時にぜひ聴いてみてください。

ドビュッシーが「重すぎず短すぎない」サロン向けに考えたと言うように、気軽に優雅な気分に浸れることでしょう!

ソナチネ 嬰ヘ短調 M. 40 2楽章 メヌエットMaurice Ravel

静かに心と向き合いたい時におすすめなのが、モーリス・ラヴェルのピアノ作品『Sonatine』に含まれる一曲です。

本作は、古典的なメヌエットの優雅な形式をとりながら、内に秘めた憂いと洗練された響きが溶け合う、とても美しい楽章です。

メロディを聴いていると、悲しみの中にも凛とした気品を保つ情景が目に浮かぶようですよ。

1975年にはこの曲を含む作品全体がバレエとして振り付けられたことでも知られ、その物語性は聴く人の想像力をかき立てます。

激しい感情ではなく、ピアノの繊細な音色に静かに身を委ねたい時に、きっと心に寄り添ってくれることでしょう。

クープランの墓 第2曲 フーガMaurice Ravel

Collard plays Ravel ‘Le Tombeau de Couperin’ – 2. Fugue
クープランの墓 第2曲 フーガMaurice Ravel

第一次世界大戦で犠牲となった友人への追悼の思いが込められた、モーリス・ラヴェルの組曲『Le Tombeau de Couperin』。

その第2曲にあたる本作は、1919年4月に初演され、ジョアン・クルッピ少尉にささげられました。

この楽曲はラヴェルが手掛けた唯一のフーガで、3つの声部が対話するように静かに重なり合います。

悲しみだけでなく、今は亡き友人との穏やかな思い出を語っているかのようですよね。

古典的な形式美の中に、ラヴェル特有の揺らめくような響きが溶け込み、不思議な浮遊感に包まれる作品です。

組曲全体はバレエとしても上演されました。

各声部の旋律を大切に歌わせながら、全体の透明感を保つのがポイント!

バロック様式と印象派の繊細な表現を一度に学べる、魅力的な1曲です。

グロテスクなセレナードMaurice Ravel

モーリス・ラヴェルが18歳前後だった1893年頃に作曲した、非常に個性的で情熱的な作品です。

のちにラヴェル本人が「グロテスク」という言葉を付け加えたという逸話が残る本作は、題名が示す通り、荒々しく挑発的な響きの中に、ハッとするほど甘美な旋律が織り込まれています。

この楽曲の魅力は、中央に現れる情緒的な部分との鮮やかな対比にあり、まるで不器用で一途な愛の告白を聴いているような気持ちにさせられる1曲です。

ラヴェルの優美なイメージとは一味違う、若さあふれる大胆な一面に触れてみたい方にぴったり。

激しさと甘さをドラマティックに描き分けるのが、演奏する上での大きなポイントになるでしょう。

組曲『鏡』 第2曲-悲しげな鳥たちMaurice Ravel

Collard plays Ravel ‘Miroirs’ – 2. Oiseaux Tristes – Très lent
組曲『鏡』 第2曲-悲しげな鳥たちMaurice Ravel

芸術家仲間であったピアニストのリカルド・ヴィニェにささげられた、全5曲からなる組曲『Miroirs』。

その第2曲にあたる本作は、1906年1月にヴィニェの演奏で初めて披露されました。

モーリス・ラヴェルが描いた「夏の暑い日、暗い森で迷子になった鳥たち」という情景を題材としており、もの悲しいさえずりが静寂のなかで響き渡る、幻想的な世界に引き込まれるような一曲です。

本作は、繊細なタッチで多彩な音色を表現したい方にぴったり。

ペダルで響きを巧みにコントロールし、情景を豊かに描く練習にもなるので、ラヴェルの絵画的な音楽にじっくりと向き合ってみてくださいね。