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【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~

19世紀後半にフランス・パリで起きた芸術運動「印象派」。

見たものを忠実に再現する写実主義がよしとされていた時代から、より自由な表現方法を求める時代への変化は、クラシック音楽史にも多大な影響を与えました。

そして、この印象派を代表する作曲家として後世に名を残したのが、クロード・ドビュッシーとモーリス・ラヴェル。

今回は、この2人の偉大な作曲家と、印象派の影響を受けたとされている19世紀の作曲家をピックアップし、光や色彩感を重要視した印象派らしさを感じさせる名曲をご紹介していきます!

【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(31〜40)

前奏曲集第1集「沈める寺」Claude Debussy

Debussy : La cathédrale engloutie [Préludes Book 1]|「前奏曲集第1集」より 10.沈める寺 / ドビュッシー
前奏曲集第1集「沈める寺」Claude Debussy

神秘的な霧の中から浮かび上がる壮大な大聖堂を描いた印象的なピアノ曲です。

フランス・ブルターニュ地方に伝わる「イースの伝説」をモチーフに、1910年に作曲されました。

深い静寂から始まり、遠くから鐘の音が響き、荘厳な聖歌が聞こえてくるような幻想的な情景が、豊かな音色で表現されています。

本作の魅力は、優しい響きの中にも力強さを併せ持つ和音の重なりと、自然な流れを感じさせる音の移ろいにあります。

音楽を通して絵画のような世界を描くクロード・ドビュッシーならではの作品で、和音の響きを大切にしながら、ゆったりとしたテンポで演奏できる曲です。

物語性豊かな音楽に触れてみたい方や、音の重なりの美しさを味わいたい方におすすめです。

映像第2集「そして月は廃寺に落ちる」Claude Debussy

映像第2集より そして月は廃寺に落ちる(ドビュッシー) Images 2 “Et la lune descend sur le temple qui fut”(Debussy)
映像第2集「そして月は廃寺に落ちる」Claude Debussy

月明かりに照らされた古代寺院の神秘的な情景が、全音音階と東洋的な五音音階によって繊細に描かれた楽曲です。

クロード・ドビュッシーが1907年に手がけたピアノ作品で、静謐で瞑想的な雰囲気が漂います。

ゆったりとした時の流れの中で、月光が廃寺に降り注ぐ様子が、繊細な和音の響きと流動的なリズムで表現されています。

本作は、和声の進行が比較的シンプルで、ペダルワークに気を配れば、ピアノを学び始めて間もない方でも挑戦しやすい作品です。

東洋文化に深い関心を持っていたドビュッシーならではの、異国情緒があふれる音楽世界を味わえる一曲をぜひ演奏してみてください。

ソナチネ 嬰ヘ短調 M. 40 2楽章 メヌエットMaurice Ravel

静かに心と向き合いたい時におすすめなのが、モーリス・ラヴェルのピアノ作品『Sonatine』に含まれる一曲です。

本作は、古典的なメヌエットの優雅な形式をとりながら、内に秘めた憂いと洗練された響きが溶け合う、とても美しい楽章です。

メロディを聴いていると、悲しみの中にも凛とした気品を保つ情景が目に浮かぶようですよ。

1975年にはこの曲を含む作品全体がバレエとして振り付けられたことでも知られ、その物語性は聴く人の想像力をかき立てます。

激しい感情ではなく、ピアノの繊細な音色に静かに身を委ねたい時に、きっと心に寄り添ってくれることでしょう。

オルゴールCharles-Henry

シャルル・アンリ: オルゴール, Charles-Henry: La boîte à zizique / Piano: 白石 准,Jun Shiraishi@SEILER Piano
オルゴールCharles-Henry

オルゴールの繊細な音色をピアノで表現した心温まる一曲です。

まるで宝石箱を開けたかのような優雅な旋律は、聴く人の心に穏やかな安らぎを与えてくれます。

アルバム『Histoires Presque Vraies』に収録された本作は、機械的でありながらも人間味が溢れる音色が見事に表現されており、懐かしい思い出が詰まったオルゴールの世界へと誘ってくれます。

優しい音色とシンプルな構成は、日々の喧騒から離れて心を癒やしたい方や、穏やかなひとときを過ごしたい方におすすめです。

また、ピアノ演奏に挑戦してみたい方にとっても、取り組みがしやすい曲になっています。

生まれたばかりの王女のためのパヴァーヌCharles-Henry

優雅な宮廷舞踏曲パヴァーヌをモチーフに、新生児である王女の純真さと希望を表現した美しいピアノ小品です。

フランスの伝統とジャズの要素が見事に調和した、約1分25秒の短い演奏時間の中に、繊細な旋律と深い表現力が凝縮されています。

静謐でありながらも華やかな雰囲気を醸し出す本作は、新しい命の誕生を祝福する喜びに満ちています。

音楽的難易度は控えめで、ゆったりとしたテンポと優美な旋律が心を癒してくれるため、穏やかな気持ちでピアノに向き合いたい方にぴったりです。

表現力を養いながら音楽を楽しみたい方にもおすすめの1曲となっています。

【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(41〜50)

組曲「鏡」より「洋上の小舟」Maurice Ravel

暑い日に聴きたくなる、モーリス・ラヴェルの涼やかな一曲はいかがでしょうか。

1906年にパリで出版されたピアノ組曲『Miroirs』の第3曲で、画家ポール・ソルドへ献呈された作品です。

広い海原を小舟がゆったり漂う情景が目に浮かび、聴くだけで心が洗われる気分になりますね。

本作の魅力は、きらめくアルペジオによる水の表現。

光を受けて揺れる水面や深い海の静けさを感じさせ、ピアノ一台とは思えないほど表情が豊かです。

140小節で36回も拍子が変わるのも、絶え間ない波の動きを巧みに捉えているからでしょう。

美しい音色で涼みたい方、印象派音楽がお好きな方に、きっと気に入っていただけるはず。

組曲『Miroirs』の他の曲とあわせて楽しむのも良いかもしれませんね。

ベルガマスク組曲 第4番 パスピエClaude Debussy

『ドビュッシー:ベルガマスク組曲 第4番 パスピエ』(Debussy, Suite bergamasque No.4, Passepied)(ピアノ楽譜)
ベルガマスク組曲 第4番 パスピエClaude Debussy

軽やかで優雅な旋律が心地よく響く楽曲で、フランスのバロック舞曲「パスピエ」を基にしながらも、独自の解釈を加えた作品です。

4分の4拍子で書かれており、左手の伴奏は規則的な躍動感を表現し、右手の旋律はシンコペーションを多用した流れるような優雅さを持っています。

1890年頃に作曲され、1905年に出版されたこの楽曲は、全体的に古風な印象を持ちながらも、和声の色彩が次々と変化する印象的な効果を生み出しています。

ピアノを学ばれている方なら、軽やかなスタッカートとレガートの滑らかさを意識しながら、優美な音楽性を追求できる良曲となっているでしょう。