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【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~

19世紀後半にフランス・パリで起きた芸術運動「印象派」。

見たものを忠実に再現する写実主義がよしとされていた時代から、より自由な表現方法を求める時代への変化は、クラシック音楽史にも多大な影響を与えました。

そして、この印象派を代表する作曲家として後世に名を残したのが、クロード・ドビュッシーとモーリス・ラヴェル。

今回は、この2人の偉大な作曲家と、印象派の影響を受けたとされている19世紀の作曲家をピックアップし、光や色彩感を重要視した印象派らしさを感じさせる名曲をご紹介していきます!

【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(31〜40)

子供の領分 第1曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」Claude Debussy

第36回入賞者記念コンサート/松下日花里 ドビュッシー:グラドゥス・アド・パルナッスム博士
子供の領分 第1曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」Claude Debussy

フランスを代表する印象派の作品が『子供の領分』というピアノ組曲に収録されています。

クロード・ドビュッシーの愛娘に捧げられた本作は、1908年12月にパリで初演された2分程度の短い作品です。

古典的な練習曲のスタイルを風刺的に模倣しながら、軽快で遊び心がたっぷりの曲調が魅力的です。

機械的な練習曲にありがちな退屈さを感じさせない、洗練された和声感覚とユーモアに溢れています。

朝早く演奏するのがおすすめと言われる本作は、清新な雰囲気と音楽的な表現力を兼ね備えており、演奏会のレパートリーとしても非常に人気があります。

短時間で聴衆を魅了できる小品をお探しの演奏家の方に、ぜひお勧めしたい一曲です。

小組曲よりⅣ『バレエ』Claude Debussy

ドビュッシー : バレエ【07_連弾の楽譜付きクラシック音楽のお勧めピアノ曲】
小組曲よりⅣ『バレエ』Claude Debussy

1888年から1889年にかけて作曲された4手連弾のための作品は、輝かしく華やかな雰囲気が魅力です。

18世紀のロココ時代の貴族たちが楽しんだ優雅な舞踏会の様子を彷彿とさせる軽快なリズムと明るい旋律が印象的な一曲となっています。

リズミカルで躍動感のある楽曲ながら、休符をしっかりと意識し、テンポを保つことで、優美な表現が際立ちます。

本作は、その後アンリ・ビュッセルによって管弦楽用に編曲され、クロード・ドビュッシーの監修のもと、新たな魅力を加えました。

ピアノ連弾の醍醐味を存分に味わえる本作は、息の合った演奏が求められるため、お互いの音をよく聴き合える親しい演奏仲間との共演にぴったりです。

2つのアラベスク 第1番 ホ長調Claude Debussy

ドビュッシー/2つのアラベスク 1.ホ長調/演奏:中井正子
2つのアラベスク 第1番 ホ長調Claude Debussy

柔らかな三連符の旋律が優美に奏でられ、緩やかな流れの中で印象的な和音の響きが織りなす美しい楽曲です。

右手と左手が織りなすポリリズムが躍動感を演出し、中間部では幻想的な雰囲気に包まれます。

1888年に作曲されたこの楽曲は、軽やかなリズムと抒情性が見事に調和しており、演奏技術の向上を目指す方に格好の一曲となっています。

アンダンティーノ・コン・モートのテンポ指定による自然な流れは、発表会で聴衆を魅了することでしょう。

やや複雑な和音進行や両手の独立した動きがありますが、丁寧な練習で確実に弾きこなせる難易度となっています。

ぜひレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。

子供の領分 第4曲「雪は踊っている」Claude Debussy

窓辺で静かに降り積もる雪を見つめる子供たちの純粋な眼差しをイメージした作品です。

16分音符の連続する音型によって、舞い落ちる雪片の様子を緻密に描写しています。

両手で交互に奏でるパッセージは、まるで空から無数に舞い落ちる雪の結晶のよう。

1908年に当時3歳だった愛娘のために作られた本作は、子供の想像力が豊かな世界観を大切に表現しています。

スタッカートとレガートの対比や、繊細なペダルワークによって、降り積もる雪の静寂さと、その中に秘められた生命感を感じ取れます。

クラシック音楽に親しみたい方や、日常から離れて心静かなひとときを過ごしたい方におすすめの一曲です。

映像第2集「そして月は廃寺に落ちる」Claude Debussy

映像第2集より そして月は廃寺に落ちる(ドビュッシー) Images 2 “Et la lune descend sur le temple qui fut”(Debussy)
映像第2集「そして月は廃寺に落ちる」Claude Debussy

月明かりに照らされた古代寺院の神秘的な情景が、全音音階と東洋的な五音音階によって繊細に描かれた楽曲です。

クロード・ドビュッシーが1907年に手がけたピアノ作品で、静謐で瞑想的な雰囲気が漂います。

ゆったりとした時の流れの中で、月光が廃寺に降り注ぐ様子が、繊細な和音の響きと流動的なリズムで表現されています。

本作は、和声の進行が比較的シンプルで、ペダルワークに気を配れば、ピアノを学び始めて間もない方でも挑戦しやすい作品です。

東洋文化に深い関心を持っていたドビュッシーならではの、異国情緒があふれる音楽世界を味わえる一曲をぜひ演奏してみてください。

【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~(41〜50)

小組曲 1楽章「小舟にて」Claude Debussy

ドビュッシー/小組曲 1.小舟にて/演奏:石井晶子,田中庸子
小組曲 1楽章「小舟にて」Claude Debussy

波のような分散和音の上に漂う優雅な旋律が印象的なピアノ連弾作品です。

クロード・ドビュッシーが1886年に手がけたこの楽曲では、フランスの詩人ヴェルレーヌの詩から着想を得て、水面を漂う小舟の情景や煌めく水の様子を繊細に描き出しています。

本作は2人の奏者が織りなす豊かな響きと、自由な表現による色彩感が魅力。

ゆるやかな抒情性を持つメロディと、穏やかに揺れる伴奏部が見事に調和し、まるで絵画のような詩的な世界を創り出します。

4手の連弾ならではのダイナミックな表現力と繊細な息遣いを楽しめる本作は、コンサートや発表会でも存在感を放つ珠玉の一曲です。

演奏者同士の呼吸を合わせながら、印象派音楽の魅力に浸れる作品をぜひ味わってみてください。

組曲『マ・メール・ロワ』より 第1曲「眠れる森の美女のパヴァーヌ」Maurice Ravel

【ピアノ4手連弾】ラヴェル マ・メール・ロワ 第1曲 眠れる森の美女のパヴァーヌ
組曲『マ・メール・ロワ』より 第1曲「眠れる森の美女のパヴァーヌ」Maurice Ravel

童話『眠れる森の美女』をテーマにした優美な連弾作品です。

2人の子供のために書かれたということもあり、技巧的には難しすぎないように配慮されています。

イ短調の穏やかな旋律は、まるで夢見心地のような心地よさを感じさせます。

演奏時間はわずか1分30秒ほどですが、古典的な舞曲パヴァーヌの形式を用いた繊細な世界が広がっています。

4本の手が奏でる和音の重なりと色彩の豊かな響きは、独奏では表現できない深みのある音楽体験を味わえます。

本作は1908年に作曲され、後にオーケストラやバレエ音楽にも編曲されました。

発表会やコンサートで華やかな印象を残したい方におすすめの1曲です。