メンデルスゾーンの名曲|人気のクラシック音楽
ドイツのロマン派を代表する作曲家、メンデルスゾーン。
作曲家だけでなくピアニストや指揮者としても活動しており、幼少期から神童と呼ばれるほど音楽の才能をもっていました。
本記事では、そんなメンデルスゾーンが残した名曲をご紹介します。
メンデルスゾーンがお好きな方も、あまり知らなかった方も、ぜひ一度目をとおしてみてくださいね。
彼の作風の特徴や魅力に気付き、お気に入りの曲が見つかりましたら幸いです。
楽器や歌を奏でられる方は、ぜひ実際に演奏もしてみてください!
メンデルスゾーンの名曲|人気のクラシック音楽(61〜70)
子守歌 Op.47Felix Mendelssohn

カール・クリンゲンマンの詩による作品。
Bei der Wiegeというタイトルで「眠りに」。
「ゆりかご」と訳している方もいますが「子守歌」としました。
1841年の作品です。
おやすみ!おやすみ、これから来る喜びと悲しみを夢見てご覧、素晴らしい人たちの姿を、沢山の人たちが行き来するけれどお前にはまた新しい人たちが現れる。
じっと我慢して待ってなさいおやすみ!おやすみ、花が開き育っていく春の力を夢見てご覧、お聞き、小鳥のさえずりを、愛が天に、そして地上にあふれているのを!今日の日は過ぎ去っていくけれど心配せずにじっと我慢して待ってなさい春はまだ花咲き、まだ輝く以上、歌詞大意です。
ソプラノ:ボゼーナ・ハラシモ—ヴィチ(1965年、ポーランドのソプラノ歌手)ピアノ伴奏:オルガ・ニェクツィポレンコ2009年のリサイタルより
弦楽四重奏曲 第4番ホ短調 Op.44-2Felix Mendelssohn

1829年に弦楽四重奏曲第1番を書いた後、メンデルスゾーンはしばらく弦楽四重奏曲の作曲から遠ざかりました。
その間に彼は交響曲第4番『イタリア』や序曲『フィンガルの洞窟』などの名曲を書いています。
またライプツィヒのゲヴァントハウス演奏会の指揮者の仕事に就き多彩に活動していました。
彼が再び弦楽四重奏曲の執筆を始めたのは1837年、第1番から8年たった後のことです。
それは「メンデルスゾーンのラズモフスキー」というべき弦楽四重奏曲集(全3曲)の創作に発展しました。
「ラズモフスキー」はベートーヴェンの四重奏曲です。
この曲はメンデルスゾーンのというより当時のヨーロッパの最高傑作といわれています。
有名なヴァイオリン協奏曲ホ短調と同じ調で美しく切なく詩情に満ちています。
瞑想的で、しかし最後はエネルギッシュなフィナーレです。
演奏時間は約27分、大阪で開催されたチャンバー国際コンクールと音楽祭から。
弦楽四重奏曲 第5番変ホ長調 Op.44-3Felix Mendelssohn

弦楽四重奏曲第4番を書き上げた直後に、メンデルスゾーンは勢いづいて、弦楽四重奏曲第5番を書き始めました。
翌1838年に完成します。
この曲でメンデルスゾーンは、第4番での古典的形式を重んじる路線をさらに推し進めています。
ベートーヴェンの「ラズモフスキー」の影響を感じさせながらメンデルスゾーンならではの優美な旋律や躍動的なリズムも健在で、明るさ、快活さを感じさせる作品に仕上がっています。
メンデルスゾーンの一連の弦楽四重奏曲の中では、見た目は一番地味な作品ですが、聴き込むと味わいの深まる音楽だと思います。
メンデルスゾーンはこの作品の出来にたいへん満足し、それまでに書いた弦楽四重奏曲と比べて「数百倍良い」と語ったとのことです。
ヴィリディアン弦楽四重奏団の演奏で約35分。
愛する場所 Op.99-3Felix Mendelssohn

夕べの涼みの時に、どこが私の好きな場所か知っていますか?水車小屋に小川、木々や野原の中です。
小さな花たちがお喋り始める。
だが薔薇は棘の口づけで私を刺して私を悲しくさせる。
すっかりふさぎ込んでいる私に、白い小さな蜘蛛が近づいて言いました、「愛を知らず、愛のないまま死ぬよりも、薔薇の口づけに心を痛める方がずっといい」と。
女性詩人のフリーデリケ・ローベルトの作です。
彼女はハインリッヒ・ハイネの恋人でした。
歌わずにホルンとピアノで編曲されています。
メロディは同じです。
CDで探すことができましたら、ペーター・シュライヤーがギターの伴奏で歌っているものがお薦めです。
Lieblingspl?tzchen Op 99 No3しみじみと歌っています。
トルコの酒場の歌 Op.50-1Felix Mendelssohn
メンデルスゾーン男声合唱曲「六つの歌曲」からTÜrkisches Schenkenlied(トルコの酒場の歌)です。
(給仕に)無礼者、おれの鼻先に酒壜を無遠慮に置くな、おれにワインを注ぐのなら、やさしい眼をすることだ、さもないと、折角のアイルファーが、グラスのなかで濁ってしまうよ。
(酌童に)きれいな少年よ、入って来い、入口のあたりでなぜぐずついてるんだ?おまえを今後、おれの酌童にしてやろう、そうすれば酒はどれでも澄んで美味い。
ゲーテ作。
アイルファーは1811年産のワインで、この当り年のワインのことです。
メンデルスゾーン、1838年の作品です。
メンデルスゾーンのマイナーな曲ではありますが、楽しくて愉快な、貴重な1品です。
前半は給仕に、後半は酌童の少年に呼びかけています。