ロベルト・シューマン|名曲、代表曲をご紹介
ベートーヴェンやシューベルトのロマン的後継者として評価され、交響曲から合唱曲まで幅広い分野で作品を残した作曲家、ロベルト・シューマン。
彼の作品はこれまでに、ピアノ曲と歌曲においてとくに注目されてきました。
古典派とロマン派の両方の様式を上手く掛け合わせており、ほかの作曲家にはない叙情的でロマンティックな作品が多く存在します。
今回はそんなシューマンの名曲、代表曲をピックアップしました。
後の作曲家にも大きく影響を残したシューマンの作品を、ぜひ聴いてみてください。
ロベルト・シューマン|名曲、代表曲をご紹介(1〜10)
クライスレリアーナRobert Schumann

1838年にわずか4日間で書き上げたとされる本作は、8つの楽章からなるピアノ独奏のための幻想曲です。
E.T.A. ホフマンが創造した架空の指揮者、ヨハネス・クライスラーにちなんで名付けられました。
激しい情熱と静寂、喜びと悲しみの間を揺れ動く感情が表現され、シューマン自身の二面性を象徴しています。
恋人クララへの思いも込められており、シューマンの創造性と革新性を示す独自の世界を持っています。
ロマン主義音楽の真髄を体現しているこちらの作品は、シューマンの音楽を味わいたい方にオススメの1曲です。
ピアノ五重奏曲 変ホ長調Robert Schumann

シューマンが1842年に作曲した室内楽作品。
ピアノと弦楽四重奏という斬新な編成で、シューマンのロマンティックな感性が存分に発揮されています。
力強く輝かしい第1楽章、哀愁を帯びた第2楽章、活発な第3楽章、そして華やかな終楽章と、多彩な表情を見せる本作。
妻クララに捧げられ、メンデルスゾーンが初見で演奏したというエピソードも。
感情豊かで詩的な美しさに満ちた、ロマン派音楽の真髄を味わえる傑作です。
交響曲第1番 変ロ長調「春」Robert Schumann

1841年1月〜2月にかけて作曲された、シューマンの最初の交響曲です。
メンデルスゾーンの指揮で、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって初演されました。
『春』という副題は、作者自身が作曲後に1番に浮かんだイメージからとられたそうです。
豊かなハーモニーと抒情的な旋律が特徴的で、聴衆にとって親しみやすい作品です。
ピアノ協奏曲 イ短調Robert Schumann

シューマンの残した唯一のピアノ協奏曲。
1楽章は冒頭からオーボエの哀愁漂うメロディで始まり、全体的にゆったり流れます。
2楽章はとてもかわいらしいスタッカートの動機が印象的。
3楽章は堂々とした3拍子で、ラストはピアノと打楽器によって盛り上がり、曲は締めくくられます。
現代でも多くの方に演奏されており、抒情性と表現力を兼ね備えたシューマンの傑作の一つです。
謝肉祭Robert Schumann
1834年から1835年にかけて作曲された『謝肉祭』は、シューマン初期の代表作。
全21曲からなるピアノ曲集で、仮面舞踏会のさまざまな登場人物を描写しています。
A、E♭、C、Bの音を基にした音楽的暗号が含まれ、婚約者や自身の名前を暗示するなど、シューマンの創造力と独創性が光る作品です。
明るくエネルギッシュでありながら、詩的でロマンチックな表現も含まれる本作は、ロマン派音楽に親しみたい方にオススメですよ。
歌曲「女の愛と生涯」Robert Schumann

シューマンが1840年に手掛けた連作歌曲集。
愛する人との出会いから結婚、そして死別までを8曲で綴った作品です。
シューマン自身のクララとの恋愛体験が背景にあるとされ、詩情豊かな音楽表現が光ります。
ピアノ伴奏が声楽と同等の役割を果たし、メロディと和声が一体となって女性の心情を繊細に描き出しています。
循環形式を採用することで、物語に統一感も与えられています。
愛と人生の喜びや苦悩を深く感じ取りたい方にオススメの1曲。
エリーザベト・シュヴァルツコップなど、多くの名歌手によって歌い継がれてきました。
アダージョとアレグロRobert Schumann

1849年に作曲された、ホルンとピアノのための作品。
アダージョとアレグロの2部に分かれており、それぞれで違った顔を見せます。
音域が大変広く、ホルン奏者にとって難しい曲です。
チェロやオーボエ、ヴィオラで演奏されることもある、人気の1曲です。