「打ち込みって面倒くさそうだなぁ」
そう思っている方にこそ使ってもらいたいDAW機材、その名もMASCHINE!
トラック作りを強力にサポートしてくれる製品です。
メーカーであるNative Instuments(ネイティブインストゥルメンツ)の公式HPによると、この機材の肩書きは「グルーヴ制作スタジオ」です。
具体的に何ができるのかと言うと……。
実は、それを伝えるのが一番難しいところ。
多機能で、類似した製品もないので、短い言葉で全てを説明しきるのは大変難しい。
そこで、自分が実際に使ってみて「すげぇ!」と思った点だけをかいつまんで、Maschineの魅力を伝えていこうと思います。
これ1台で曲が作れる!
本体のデザインを見て、まず目に留まるのはマルチカラー仕様の16個のパッド。
このMaschine本体はあくまでコントローラーなのでPC/Macとつながないと動作しません(オーディオインターフェイスも必要)。
PC/Macの中にある音源を、このパッドを叩いて鳴らすというわけです。
基本はドラム音源。
16個のパッドにキック、スネア、ハイハットなどのサンプル音源をアサインし、パッドを叩いて演奏します。
Maschineソフトウェアにはなんとなんと8GB相当、合計8627種類のサンプル音源が付属しており、アコースティック・キットからドラムシンセ・サウンドまで、膨大なプリセットが用意されています。
可能性は∞(無限大)です。
もちろんソフトウェア界のトップブランドNative Instrumentsだけあって、著名なサウンドデザイナーやプロのアーティストを迎えて作られたサウンドのクオリティは折り紙付きです。
リズムだけではありません。
キーボード・モードにすれば、16個のパッドはその名の通りキーボードとして機能し、音階を入力できます。
つまり、リズムからベースライン、上モノやメロディの打ち込みまで全てがこのMaschineだけで完結できちゃうのです!
↑Maschineソフトウェアのメイン画面。
一般的なDAWソフトウェアと同じく、左側のブラウザ領域で音源やプロジェクトファイルを選択。
右側の領域で入力と編集を行い、トラックを作り上げていきます。
直感的に打ち込みできる!
リズムの打ち込みというと、MIDIキーボードを使って鍵盤を叩いて入力するとか、画面上でクリックして一つ一つ入力していくイメージがあるかもしれません。
その点、Maschineはパッドを叩いて入力するので、ほぼ「演奏している」感覚のままリズムの打ち込みができます。
Maschineには2つの入力モードがあり、1つはレコーダーを使って録音するのと同様にリアルタイムで打ち込んでいくCONTROLモード。
もう一つはSTEPモードといって、16個のパッドを縦4拍×横4音(16分音符)に見立てて、ストップした状態で一つずつ音を「配置していく」というモードです。
つまり4/4拍子の曲であれば、16個のパッド一面が1小節、ということになります。
DAW経験者であれば、この入力方法の違いはイメージできる方も多いかと思います。
そして真の力が発揮されるのは、この2つのモードを組み合わせたとき!
ビートを打ち込むときなど、「1音ずつ打つのはかったるい!」というパートはCONTROLモードでリアルタイム入力。
フィルなど「音が細かすぎてリアルタイムじゃ叩けない!」というパートはSTEPモードで1音ずつ入力していきます。
このように場面に応じてモードを使い分けて打ち込んでいくと……。
あらら、あっという間にドラムパートの完成です!
キックパート
ハイハットパート
↑STEPモードのイメージ。
STEPモードは各パートごとに入力していきます。
上がキックの打ち込み。
今回は4つ打ちの曲だったので、縦1列目のパッドを全て叩いて、拍のアタマでキックが鳴るよう打ち込んでいます。
下はハイハットの打ち込み。
こちらは8分のウラで鳴るように、端から3列目のパッドを叩いています。
ストレスフリーに曲作りができる!
iPhoneユーザーの方で、「最初は少し操作に手こずったけど、慣れたらもう手放せないっ!」という経験をお持ちならば、このMaschineもそれと同じ感覚で使いこなせるはずです。
なぜかというと、このMaschine本体はあくまでコントローラーであって、専用のMaschineソフトウェアを使わないと動作しない,つまりAppleなどと同じように、NativeInstumentsによるハードウェアとソフトウェアの垂直統合型の製品だからです。
ソフトウェアに合わせてハードウェアが設計されているので無駄がなく、直感的に操作できて、要するにすごくなじむのです。
ちょうどiPhoneが手放せなくなるのと同様に(もちろんAndroidもね!
)。
そしてMaschineソフトウェアの完成度もこれまた高い。
驚くほどストレスフリーにパパッと曲作りが進められます。
面倒になって途中で投げ出さないためにも、インスピレーションを逃さないためにも、これは大事なポイントです。
例えば、Maschineはほぼ全ての機能が本体とPC両方からアクセスできるようになっています。
曲を編集するとき、膨大なライブラリーから音色を選択するのは、PC/Mac上からマウスを使って行った方が早いでしょう。
逆にトラックの再生/ストップや、打ち込んだ音のパラメーターをいじくるには、ハードウェアからボタンやツマミを使って操作した方が早いです。
このように場面ごとにうまく使い分けることで、作業の効率化ができるのです。
ハードウェア側
ソフトウェア側
↑写真では、ハイハットのコンプレッサーのパラメーターをいじっています。
ご覧の通りソフトウェア上の表示とハードウェア上の表示が完全に連動しており、液晶画面に表示された各パラメーターの真下にあるツマミでその値を調整できます。
本体側のツマミは8個しかないので、ソフトウェア側も1ページ最大8種類のパラメーター表示となっており、ページ切り替えで音量/エフェクト/モジュレーション/LFOなどパラメーターのグループを選択します。
こうした効き目の調節などはツマミを使った方が感覚的にできるので、マウス操作よりも早いですね。
以上、かなり要点を絞ってお伝えしてきましたが、Maschine のステキな点はまだまだあります。
一部を列挙すると、
- NativeInstumentsの代名詞とも言えるソフト音源バンドルKompleteシリーズとの完全な連携
- CubaseやLogicといったDAWソフトにもプラグインとして使える大人気シンセソフトMassiveを含んだバンドルKOMPLETE ELEMENTSが付属
- サンプラー機能とうさい
- 高品位なエフェクト群搭載(とうさい)
- MIDI端子を使ってMIDIキーボードなど外部機器による機能拡張が可能
- VST / AudioUnitsプラグインに対応
などなど、多彩な機能と可能性を秘めたマシンです。
このMaschineがあれば、作曲がより楽しく快適になることでしょう!
ライタープロフィール
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