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EDMやダンサブルな曲にもっとノリを出そう!サイドチェインコンプの使い方を解説

EDMやダンサブルな曲にもっとノリを出そう!サイドチェインコンプの使い方を解説
最終更新:

EDMやダンサブルな曲にもっとノリを出そう!サイドチェインコンプの使い方を解説

今回はEDMなどのクラブミュージックなどで多用されるサイドチェインコンプの使い方について解説していきます。

実際やってみるとけっこうカンタンでサイドチェインの機能がついたコンプレッサーでチョチョイと設定するだけなんだけど、今回はその「チョチョイ」の部分を細かく説明してみますね。

そもそもサイドチェインって何?

サイドチェインとは:エフェクトのかかり具合をエフェクトをかける対象の音とは違うトラックの音で決める事。

典型的には、ベースにかけるコンプをキックでトリガーする、という風に使う。

偏ったDTM用語辞典 > Side Chain サイドチェインより抜粋―

EDM系の音楽には欠かせないこのサイドチェインコンプ。

一般的に「キックがなる瞬間にベースが引っ込んで、キックの裏拍でベースがニュルっと出てくる」あの例のやつです。

この曲のサビ、01:17〜のベースに注目。

キックの裏拍で「ゥワンゥワン」言ってますよね。

これがサイドコンプが効いている状態です。

先日の記事「トラックメイキング – EDM/トロピカルハウスの作り方・パート2」でも書いたけど、さらに細かく解説していきます。

サイドコンプの使い方

ここではLogic X Proの純正コンプで説明していきますが、他社のコンプでもだいたい一緒です。

まずはベースのトラックにコンプをインサート。

Logic X Proスクリーンショット

1. 画面右上の「サイドチェーン」をトリガーにしたいトラックに指定。

今回はキックをトリガーにしてベースをゥワンゥワン言わせたいので、キックのトラック【audio1】を選択。

コンプ説明①

2. その下段「Side Chain(サイドチェイン)」タブを選択。

コンプ説明②

3. さらにその下段、「FILTER(フィルター)」は「ON」にして。

コンプ説明③

4. さらにさらにその下段「FREQUENCY(フリークエンシー)」はベースとキックの帯域がかぶる場所に指定。

曲とか使う音色によるけど60Hz〜120Hzの間くらいがいいかなー。

コンプ説明④

5. ここはコンプの効き具合を決めるところ。

THRESHOLD(スレッショルド)」で何db以上でコンプが効きはじめるかを線引きします。

上げていくほどコンプの効き方が顕著(けんちょ)になります。

RATIO(レシオ)」は高くするほど、音がたくさん圧縮されることになります。

こちらも上げていくほどコンプの効き方が顕著になります。

コンプ説明⑤

⑥コンプの効きはじめと外れるタイミングを決めるところ。

ATTACK(アタック)」で発音してからコンプがかかるまでのタイミングを決めます。

これが早いほど音が圧縮される(つぶされる)タイミングが早くなります。

RELEASE(リリース)」でコンプが効いたあとまた外すタイミングを決めます。

これが早いほど圧縮が外れる(原音に戻る)タイミングが早くなります。

コンプ説明⑥

ザッとこんなところ。

ズラッと書いてあると難しそうに思うかもしれませんが、やってみたら案外カンタンなのでぜひお試しあれ。

実際にやってみるとこんな感じ

https://soundcloud.com/yuheisakuma/summer-flingwithout-vocal

EDM・トロピカルハウス的アプローチの曲。

キックをトリガーにサイドチェインコンプを使用しています。

メインのメロにはかけず、ベースやパッドに集中してかけていることでキックが際立って聴こえますよね。

https://soundcloud.com/yuheisakuma/android-funk

エレクトロでちょっとコミカルなトラック。

SFX以外にはすべてキックをトリガーにサイドチェインコンプを使用しています。

拍アタマはみんなアタックがつぶれて音が引っ込んで、キックの抜けとともにニュルっとシンセが鳴ることでウネリを出しています。

なお、こちらの楽曲は条件つきのフリー素材としてご利用いただけます!

利用規約と条件はこちらをチェック

まとめ

今回はベースに対してキックをトリガーにしてサイドチェインコンプをかけましたが、使い方は無限。

ベースだけじゃなく、リードやバッキングにかけて派手に「ゥワンゥワン」してもよし。

こういうサイドチェインが生むグルーブ感の心地良さは、人間の鼓動に近いBPM100〜130くらいで刻むビートが心臓の鼓動みたいにドクンドクンと高鳴るような本能的な感覚から来るとも言われていますね。

もちろんクラブサウンドで音楽的な使い方をするのに限らず、バンドものでも特定のトラックを際立たせるために帯域の被っているトラックをつぶすみたいなミックスの隠し味的使い方もアリです。

いずれにせよこのサイドチェインは音楽を作る1つの手段として、これ見よがしにも隠し味にも使える有効なテクニックです。

ぜひモノにしておもしろい曲をどんどん作っていきたいですね!

ちなみにこんな記事(トラックメイキング – EDM/トロピカルハウスの作り方・パート2)も書いてます。

それじゃ今日はこの辺で!

ライタープロフィール

サクママタタ

サウンドクリエイター

サクママタタ

作・編曲/レコーディング・サウンドエンジニア/元バンドマン。

作曲・DTM歴15年以上。

好きなもの:猫/グミ/映画(とくにB級ホラー)。

得意なジャンル:ポップス/ロック/クラブミュージック/メタル/ホラー/アンビエント/ヒーリング/映像音楽など。

さまざまなジャンルに幅広く対応いたします。

制作事例:ラジオ ニッポン放送 番組間のジングル制作。

KBC九州朝日放送 「Dr.コパ 黄金の扉 エンディング曲」(編曲・ミックスダウン担当)。

企業CM・店内BGM・モバイルアプリ・映像作品などへの楽曲提供など幅広く活動中。

お問い合わせ・ご依頼はこちらからどうぞ。

sakumamatata@icloud.com

ブログ:http://www.sakumamatata.com

Twitter:skmmtt

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