【音源あり】シンセサイザーの音作りを手順通りに解説
近年のシンセサイザーはプリセットが多数収録されていてそれらを選ぶだけでも十分に曲作りに使えますがせっかくのシンセサイザーですから実際に一から音作りしてみましょう。
手順通りに音源も試聴できるので、ぜひ参考にしてみてください。
今回使用するのはCubaseに付属の「Retrolouge」
使用するシンセサイザーはCubaseに付属しているバーチャル・アナログ・シンセサイザーの「Retrolouge」です。
SUPER SAW(スーパーソウ)
90年代のRolandのアナログモデリング・シンセサイザー、JP-8000から生まれたトランスやEDMなどで使われる分厚いシンセサウンドです。
現代のほとんどのシンセのプリセットに入っている定番のサウンドです。
1. 波形を選ぶ
SAW(ノコギリ波)を選びます。
2. マルチボイスでデチューンさせる
Number of Multi Voicesを8にして厚みをつけます。
DET(Detune)は10〜15くらい。
※「Number of Multi Voices」機能がないシンセもあるので同様の機能がない場合はスルーしてください。
3. オシレーターをさらに重ねる
OSC2はOSC1と同じ設定でDetuneのパラメーターを少しずらします。
OSC3はオクターブを4にして1オクターブ上の音にします。
各オシレータの波形のピッチをずらして(+-10centくらい)揺らぎと厚みをつける。
オシレーター2と3のピッチを少しずらします。
お好みでノイズをちょっと足すというのもありです。
4. フィルター/エンベロープで音色変化させる
エンベロープで少しこもらせるような感じにしてフィルターを開いて明るくする感じです。
5. エフェクトを掛ける
EQで音質を調整してコーラス、ディレイ、リバーブを掛けて奥行きを出します。
Acid Synth Bassアシッド・シンセベース
Rolandの伝説のベースマシン、TB-303から生まれたいわゆる「ウニョウニョ」したシンセベースサウンドです。
シンプルながら中毒性がありこちらも定番中の定番です。
1. 波形を選ぶ
SAW(ノコギリ波)もしくはSQARE(矩形波)を選びます。
オシレーターはシングルの方がいいと思います。
今回はSAWを使います。
2. グライド機能でピッチに変化をつける
ベース音源なので【VOICE】をMONO(モノフォニック ※単音)に設定します。
GLIDEをオンにしてTIMEを10〜20の間くらいに設定します。
3. フィルター/エンベロープで音色変化をつける
カットオフは絞り気味でレゾナンスを高めに設定します。
エンベロープでディケイタイムを少なめに設定します。
4. リアルタイム/オートメーションで演奏しながら音を変化させる
お好みでオーバードライブやディストーションのエフェクトを足すとより過激な音にできます。
EDMでよく使われるシュワ〜というSE
EDMなどのダンスミュージックの盛り上がるサビの前ででよく使われる音ですね。
シンセのノイズを使って再現します。
1. 波形をオフにしてノイズをオンにする
ここではオシレーターの音は使わずノイズジェネレーターの「White Noise」を選択します。
2. フィルターを選びレゾナンスを設定する
「HP6+LP18」を選びます。
レゾナンスは50〜60位の値に設定します。
3. オートメーションを書く
トラックのメニューをクリックし、「オートメーションを表示>詳細設定>Retrolouge>Filter Cutoff」を選択してオートメーションを書く。
4. リバーブを加えて奥行きを出す
音作りを理解していればプリセットの音も自分の曲にあった音色にできるので、ぜひいろいろ試してみてください。
ライタープロフィール
サウンドクリエイター
MFP
90年代前半にTM Networkに影響されてYAMAHAのシンセサイザー EOS B700を購入。
その後Techno / Newwave / Industrial / EBM / Progressive Rockなどに触発されながら、シンセサイザー、サンプラーなどを独学で学び、打ち込みや多重録音を始めユニット活動、音源 / リミックス制作など中心に活動。
2011年より【Kurippertronixxx】 名義でラップトップ / ギター / シンセサイザーを用いたソロライブ活動を開始。
2015年、エンジニアと共にハードウェア+ソフトウェアによるAlternative / Electronica / PostRockユニット 【SEVEN DAYS WAR】 を結成。
同年ソロ / ユニット活動と並行しつつMFP 【Marron Fields Production】 を立ち上げジャンルにとらわれない制作活動を開始。
現在に至る。
ウェブサイト:https://www.marronfield.com
Twitter:MFProducion

