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【高齢者向け】5月の俳句紹介。楽しいレクリエーション

5月といえば、さわやかな新緑とやさしい風が心地よい季節ですよね。

自然の変化を感じるこの時期に、俳句を楽しむのはぴったりの過ごし方ですよね!

季節を詠む俳句は、高齢者の方にも心の豊かさやリフレッシュをもたらしてくれるはず。

でも「どんな俳句が5月に合うのかわからない」「季節感をうまく取り入れられない」と悩んでしまうこともあるかもしれません。

そこでこの記事では、5月にぴったりの俳句をご紹介します!

自然や季節を感じながら、俳句の世界を一緒に楽しんでみませんか?

【高齢者向け】5月の俳句紹介。楽しいレクリエーション

みかん山 海見下ろして 五月尽

みかん山 海見下ろして 五月尽

この俳句を詠んだのは、大正から昭和にかけて活躍した女性の俳人細見綾子です。

大正時代には、女性の俳人も増え、女性ならではの生活に密着した俳句が詠まれました。

細見綾子は、季節感を重視した俳句を多く詠んでいますよ。

「みかん山 海見下ろして 五月尽」も、5月の日常を詠んでいるようですね。

五月尽とは五月の末日という意味ですよ。

新緑が美しいみかん畑ですが、明日からは6月となりジメジメとした季節がやってきます。

爽やかな季節から、雨が降り続く梅雨になり盛夏になる。

五月尽からは、そんな自然に向き合って生きていく様子も伺えますね。

五月来て 困ってしまう 甘納豆

五月来て 困ってしまう 甘納豆

この俳句を詠んだ坪内稔典は、甘納豆を通して季節を表現していますよ。

5月以外にも12カ月ての月で、甘納豆を題材とした俳句を詠んでいます。

甘納豆十二句とも呼ばれているそうですよ。

その中でも3月のことですが「三月の甘納豆のうふふふふ」は有名です。

3月の俳句は教科書にも出ていますが、授業ではそれぞれ一人ひとりの解釈に俳句の意味は委ねられているそうですよ。

「五月来て 困ってしまう 甘納豆」は、甘くて柔らかな甘納豆から見た世界なのか、それとも甘納豆の周りの人々の様子なのか。

5月になると困ることを、高齢者の方と一緒に考えてみるのも面白いかもしれませんよ。

五月来ぬ 心ひらけし 五月来ぬ

五月来ぬ 心ひらけし 五月来ぬ

星野立子は昭和期の俳人であり、初の女性主宰誌「玉藻」を創刊、主催た人物です。

この句で読まれる五月は「さつき」と読み、季語は夏を表します。

5月20日から始まる二十四節気「小満」は、これから本格的な夏に向けて草木も青みを増し、さまざまな生命が活動的になっていく時期を指します。

そんな1年の中でも最も過ごしやすく、気持ちが晴れるこの季節を楽しみに思う気持ちを詠ったのではないでしょうか?

現代風に言うなら「早く大好きな五月にならないかな」、といったところでしょうか。

昔も今も、過ごしやすい季節を心待ちにする気持ちは同じなのかもしれませんね。

大江戸や 犬もありつ 初鰹

大江戸や 犬もありつ 初鰹

小林一茶は一茶調と呼ばれる独自の排風を確立した、江戸時代を代表する俳諧師の1人です。

江戸時代、その季節に初めてできた、とれた食べ物をさす「初物」は、食べたら寿命が75日延びると言い伝えがあるほど、大変好まれていました。

なかでも鰹は「勝つ魚」というゲン担ぎがあり、とりわけ初鰹は「女房を質に入れてでも食え」と言われたほど、非常に人気の食べ物であったそうです。

そんな江戸の人々がそろって初鰹に熱を上げている様子や、そのおいしさは犬も食べてしまうほどであったという当時の様子が、この句からうかがい知れますね。

孫六が 太刀の銘きる 端午かな

孫六が 太刀の銘きる 端午かな

端午の節句にかぶとや太刀や弓矢を飾るご家庭もありますよね。

田川鳳朗が詠んだ「孫六が 太刀の銘きる 端午かな」の俳句に出てくる太刀には、かぶとと一緒に飾る意味がちゃんとあります。

太刀というと、切れ味が抜群の刀のイメージがありますが、武器の意味として飾るのではないそうです。

魔物は光るものが嫌いという言い伝えがあり、美しく光る太刀が魔除けとなり、身を守ってくれると考えられて飾られるようになりました。

ご家庭にお孫さんがいらっしゃる高齢者の方にも、教えてあげたい雑学ですね。

ちなみに、俳句で詠まれている孫六とは、孫六兼元といって室町時代から現在まで続く刀工のことだそうです。

銘は製作者の名前ですよ。