【ヤナーチェクのピアノ曲】民族の誇りを反映した珠玉の名作
レオシュ・ヤナーチェクさんは、現在のチェコ東部にあたるモラヴィア出身の作曲家。
民族音楽研究に勤しんだ彼は、代表作であるオペラ『イェヌーファ』をはじめとする民族色の強い作品の数々を遺しました。
ピアノ曲は少ないものの、それらには書かれた時々の心情が非常に具体的に示されており、ヤナーチェクさんの作品のなかでも重要な作品群とされています。
本記事では、そんな重要な位置を占める彼のピアノ曲を、作曲の背景や作品の特徴とともにご紹介します。
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【ヤナーチェクのピアノ曲】民族の誇りを反映した珠玉の名作(11〜20)
霧の中で 第2曲「モルト・アダージョ」Leoš Janáček
L.ヤナーチェク/”モルト・アダージョ” 霧の中で No.2 pf.伊藤仁美

チェコの国民的作曲家レオシュ・ヤナーチェクさんが残した珠玉のピアノ曲『霧の中で』。
モラヴィアの民俗音楽の影響を色濃く受けつつ、彼独自の音楽スタイルが確立された重要作品です。
4つの楽章から構成されるこの組曲のなかでも特に注目を集めるのが、第2曲『モルト・アダージョ』。
静寂と激情が交錯する2つのテーマが、夢幻的な雰囲気のなかで絡み合い、聴く者の感情を揺さぶります。
作曲家の深い悲しみと孤独が色濃くにじみ出た楽曲ですが、テクニックと感性を兼ね備えたピアニストなら、緻密な音楽構造を物語性豊かに表現できるでしょう。
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おわりに
故郷の民族音楽を研究しつくし、自らの作品に反映させたレオシュ・ヤナーチェクさん。
彼が紡ぐ味わい深い音楽の世界は、他の作曲家とは一線を画す唯一無二のものといえるでしょう。
ヤナーチェクさんの作品や彼が愛したモラヴィアの音楽に興味が湧いた方は、ぜひ演奏にも挑戦してみてください!