【グラズノフのピアノ曲】民族主義と国際主義を融合した革命児による名作
1865年にロシア帝国サンクトペテルブルクに生まれ、作曲家、音楽教師、指揮者として活躍したロシアの作曲家、アレクサンドル・グラズノフさん。
彼は、革命後のロシアにおいて民族主義と国際主義を融合させた重要人物として知られており、19世紀後半のロシアで注目されたバラキレフら「ロシア5人組」も目をかけるほどの才能の持ち主であったといわれています。
本記事ではそんなグラズノフさんの作品のなかから、ピアノのために書かれた作品をピックアップ!
作曲の背景や作品の特徴とともにご紹介します。
【グラズノフのピアノ曲】民族主義と国際主義を融合した革命児による名作(1〜10)
主題と変奏 Op.72Aleksandr Glazunov

ロシア帝国末期およびソビエト連邦建国期に活躍した作曲家、アレクサンドル・グラズノフさんが手掛けたピアノ独奏曲『主題と変奏』。
1900年に完成したこの曲は、ロマンティックなスタイルで構成され、一連の変奏を通じて一つの主題を展開していく技巧的で感情豊かな作品です。
高度な技術と豊かな音楽性が求められる本作は、彼の創作活動の集大成とも言える意欲作。
グラズノフのピアノ作品のなかでも特に際立った位置を占める名曲で、技術や表現力に自信のある上級者にぜひ挑戦してほしい1曲です。
演奏会用大ワルツ Op.41Aleksandr Glazunov

19世紀後半のロシアで活躍したアレクサンドル・グラズノフさんは、民族主義と国際主義を融合させた作曲スタイルで知られています。
才能を見いだされリムスキー=コルサコフに師事し、若くして才能を発揮した彼は、特に交響曲やバレエ音楽で高い評価を得ました。
代表作のひとつ、ピアノのための『演奏会用大ワルツ』は、華やかで情熱的なワルツをベースに繊細で詩的な美しさをたたえた作品。
ロマンティックな情緒と豊かな表現力が魅力の1曲です。
技術とともに感情の機微を表現できるピアニストにオススメしたい、挑戦しがいのあるレパートリーといえるでしょう。
ノクターン 変ニ長調 Op.37Aleksandr Glazunov

19世紀末のロシアを代表する作曲家のひとり、アレクサンドル・グラズノフさん。
彼の作品のなかでも特に美しい旋律で知られるピアノ曲『ノクターン 変ニ長調 Op.37』は、1889年に作曲されたロマン派様式の秀作です。
この曲の魅力は何といっても、夜の静けさと夢見るような叙情性を感じさせる繊細で歌心あふれるメロディにあります。
透明感のあるアルペジオが織りなす背景に、感情豊かに歌い上げられる旋律は聴く者の心を深く揺さぶります。
情熱的でありながら落ち着きのある表現は、まさにグラズノフさんならではの特徴。
ロマン派音楽の美しさとロシア音楽の神秘性が見事に融合した本作は、豊かな感性を持つすべてのクラシック音楽ファンにぜひ聴いていただきたい1曲です。
牧歌 Op.103Aleksandr Glazunov

19世紀後半のロシアで活躍した作曲家アレクサンドル・グラズノフさん。
彼の晩年の1926年に書かれたピアノ曲『牧歌 Op.103』は、優美なメロディと洗練されたハーモニーが印象的な作品です。
嬰へ長調で書かれたこの曲は、穏やかな田園風景を思わせる叙情性にあふれ、聴く人の心を癒やしてくれます。
特に美しい旋律を奏でる中間部は必聴。
繊細な音色とゆったりとしたテンポで奏でれば、きっと心が洗われるような気持ちになることでしょう。
ロマン派音楽の美しさを味わいたい方にぜひオススメしたい1曲です。
ピアノソナタ 第2番 ホ短調 Op.75Aleksandr Glazunov

19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家、アレクサンドル・グラズノフさん。
彼のピアノ作品『ピアノソナタ第2番 ホ短調』は、情熱的な第1楽章に始まり、超絶技巧を要するスケルツォ、そして力強い終楽章まで、彼の作曲技術の粋が詰まった名作です。
民族色豊かなロシアの旋律とロマン派の華やかさが融合した、聴く者を飽きさせない本作は、ピアノ経験者なら一度は弾いてみたい作品ですが、難易度は非常に高め。
まずは名演奏家の音源で、グラズノフの音楽世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
ピアノソナタ 第1番 変ロ短調 Op.74Aleksandr Glazunov

アレクサンドル・グラズノフさんは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家です。
ロシア五人組の一員であったバラキレフに才能を見いだされ、リムスキー=コルサコフに師事するなど、幼少期から音楽家としての素質を発揮しました。
『ピアノソナタ 第1番 変ロ短調 Op.74』は、グラズノフさんの友人であり恩師の妻にささげられた大作。
3楽章を通して作曲家の深い感情が表現されていますが、感情の爆発は巧みに抑制され、洗練された美しい旋律が織りなす世界を堪能できます。
高度な演奏技術を要する作品ですが、情感豊かな音楽に触れたいピアニストの方にオススメしたい1曲です。
3つの小品 Op.42 第3曲「ワルツ」Aleksandr Glazunov

ロシアの作曲家、アレクサンドル・グラズノフさんは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍し、ロシア国民楽派の特色とヨーロッパの伝統的な作曲技法を融合させた作品を多く生み出しました。
『3つの小品 Op.42』に収められている『ワルツ』は、軽快でありながら優雅な曲調が魅力的な1曲です。
ロマン派の雰囲気漂う親しみやすい旋律と、グラズノフさん独自の和声感が絶妙に絡み合っています。
クラシック初心者の方にもオススメの作品で、ロシアの作曲家の魅力に触れるのに最適な1曲といえるでしょう。