【バラキレフのピアノ曲】ロシア五人組のまとめ役が遺した珠玉の名作
19世紀後半のロシア音楽界において民族主義的を掲げ、多くの名作を世に送り出した「ロシア五人組」。
そのまとめ役であったミリイ・バラキレフは、彼が理想としていたショパンやシューマン、リストの影響を受けつつも、ロシア民謡の要素を取り入れた親しみやすい作品を遺しました。
本記事では、バラキレフの作品のなかから、ピアノ独奏やピアノを含む編成で演奏される作品を厳選!
世界最高の難易度を誇ることで知られるあの曲も……ぜひ最後までお楽しみください。
もくじ
- 【バラキレフのピアノ曲】ロシア五人組のまとめ役が遺した珠玉の名作
- 東洋風幻想曲「イスラメイ」Mily Balakirev
- ワルツ 第6番 嬰ヘ短調Mily Balakirev
- ひばりGlinka=Balakirev
- スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.84Mily Balakirev
- ノクターン 第3番 ニ短調Mily Balakirev
- タランテッラMily Balakirev
- ポルカMily Balakirev
- マズルカ 第2番 嬰ハ短調Mily Balakirev
- ヴォルガ川に沿ってMily Balakirev
- ドゥムカMily Balakirev
- 園にて(牧歌的練習曲)Mily Balakirev
- ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 Op.1Mily Balakirev
- トッカータ 嬰ハ短調Mily Balakirev
- ソナティナ「スケッチ」ト長調Mily Balakirev
- スペイン風序曲第1番「ホタ・アラゴネーサによる華麗な奇想曲」Glinka=Balakirev
【バラキレフのピアノ曲】ロシア五人組のまとめ役が遺した珠玉の名作
東洋風幻想曲「イスラメイ」Mily Balakirev

ロシア五人組のまとめ役として知られるミリイ・バラキレフ。
彼はロシア国民楽派の音楽を推進し、ロシア民謡の要素を取り入れた親しみやすい作品を多く遺しました。
カフカス地方への旅行中に触れた現地の民俗音楽に影響を受けて作曲された『東洋風幻想曲「イスラメイ」』は、8分の6拍子のリズムと速いテンポが特徴的な難曲!
複雑なリズムと華麗な装飾音が織りなす東洋的な雰囲気で聴く者を魅了します。
あまりの技術的難易度の高さゆえ、演奏者にとっては大きな挑戦となる作品ですが、感動的な演奏を目指して、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ワルツ 第6番 嬰ヘ短調Mily Balakirev

ロシア五人組のまとめ役として知られるミリイ・バラキレフは、ショパンやシューマン、リストの影響を受けつつも、ロシア民謡の要素を取り入れた親しみやすい作品を数多く残しました。
1903年から1904年にかけて作曲された『ワルツ』は、彼のロマン派時代の代表的なピアノ独奏曲の一つです。
美しいメロディと複雑な和声進行が織りなす感情豊かな表現力は、聴く者の心を捉えて離しません。
自由な形式とリズムの変化が生み出す独特の感情体験は、バラキレフならではの魅力といえるでしょう。
本作は、クラシック音楽の入門者からベテランのピアニストまで、幅広い層に親しまれている名曲です。
ひばりGlinka=Balakirev

ロシア国民楽派の創始者ミハイル・グリンカと、その流れを受け継いだミリイ・バラキレフ。
2人は師弟関係にあり、バラキレフはグリンカの作品を広めるべく、数々の編曲を手掛けました。
なかでも、グリンカの歌曲集『サンクトペテルブルクへの別れ』の一部である『ひばり』を、バラキレフがピアノ用に編曲した作品は特に有名です。
原曲のもつ自然への賛美の思いを損なうことなく、ピアノならではの表現力で見事に再現。
空高く舞い上がるひばりの歌声を通して、壮大な自然美を感じさせてくれます。
ロシアの大自然を感じたい方に、ぜひ聴いていただきたい1曲です。
スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.84Mily Balakirev

19世紀後半のロシア音楽界において、ショパンやシューマン、リストの影響を受けつつも、ロシア民謡の要素を取り入れた親しみやすい作品を遺した作曲家、ミリイ・バラキレフ。
彼の初期の作品の一つである『スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.84』は、典型的なスケルツォの構造を持ちながら、バラキレフ独特の民族的要素が盛り込まれた意欲作です。
活発でエネルギッシュな曲調のなかに、繊細なリズムやメロディが織り交ぜられ、彼の音楽に対するアプローチがよく反映されています。
高度な演奏技術を要するこの作品は、確かな実力を持ったピアニストの皆さんにぜひ挑戦していただきたい1曲です!
ノクターン 第3番 ニ短調Mily Balakirev

ロシア五人組のまとめ役として知られるミリイ・バラキレフ。
ショパン、シューマン、リストの影響を受けつつも、ロシア民謡の要素を取り入れた親しみやすい作品を生み出した作曲家です。
本作『ノクターン 第3番 ニ短調』は、バラキレフの深い感情表現と技術的な巧妙さが見事に融合した珠玉の1曲。
静かな内省と切なる想いを表現した美しいメロディと豊かなハーモニーは、聴く者の心に響きます。
ピアノ独奏のためのレパートリーとして、親密な雰囲気の演奏会などでぜひ取り上げていただきたい作品です。
タランテッラMily Balakirev

ロシアの作曲家ミリイ・バラキレフは、「ロシア五人組」のまとめ役として活躍した、19世紀後半の国民楽派を代表する作曲家のひとり。
ショパンやリストの影響を受けつつも、ロシアの民俗音楽の要素を巧みに取り入れた作品を数多く遺しました。
1901年に作曲された『タランテッラ』は、イタリアの民俗舞踊「タランテッラ」のリズムを用いた、8分の6拍子による躍動的で華麗な作品で、超絶技巧を駆使した装飾的なパッセージが連続する、演奏者泣かせの難曲としても知られています。
情熱的なメロディと洗練された和声が融合した、彼の代表的なピアノ曲の一つといえるでしょう。