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【バラキレフのピアノ曲】ロシア五人組のまとめ役が遺した珠玉の名作

19世紀後半のロシア音楽界において民族主義的を掲げ、多くの名作を世に送り出した「ロシア五人組」。

そのまとめ役であったミリイ・バラキレフは、彼が理想としていたショパンやシューマン、リストの影響を受けつつも、ロシア民謡の要素を取り入れた親しみやすい作品を遺しました。

本記事では、バラキレフの作品のなかから、ピアノ独奏やピアノを含む編成で演奏される作品を厳選!

世界最高の難易度を誇ることで知られるあの曲も……ぜひ最後までお楽しみください。

【バラキレフのピアノ曲】ロシア五人組のまとめ役が遺した珠玉の名作(1〜10)

マズルカ 第2番 嬰ハ短調Mily Balakirev

Mily Balakirev – Mazurka No. 2 in C-sharp Minor (1860)
マズルカ 第2番 嬰ハ短調Mily Balakirev

ミリイ・バラキレフは、ロシアの民族主義的な音楽を推進した作曲家で、「ロシア五人組」のまとめ役として活躍しました。

バラキレフの『マズルカ 第2番 嬰ハ短調』は、ポーランドの伝統的なダンス「マズルカ」を基にしつつ、ロシアの民族音楽の要素を取り入れた作品です。

本作は演奏者に高度な技術と深い感情表現を求める一方、聴く人にとっては親しみやすく魅力的な体験を提供します。

複雑なハーモニーと表現豊かな旋律、効果的なシンコペーションやルバートが織り成す哀愁と明るさの交錯は、ロシア音楽の真髄といえるでしょう。

ドゥムカMily Balakirev

Mily Balakirev – Dumka (audio + sheet music)
ドゥムカMily Balakirev

19世紀後半のロシア音楽界をけん引したロシア五人組。

そのリーダー的存在であったミリイ・バラキレフが遺したピアノ作品のなかでも、『ドゥムカ』は彼の後期作品の一つとして知られています。

「ドゥムカ」とはウクライナ民謡に由来する言葉で、感傷的なメロディを持つ楽曲を指します。

本作もまた、ロシアの民謡的な旋律を取り入れたメランコリックな曲調が特徴的。

静寂で内省的な部分と、ドラマチックで力強い部分が対比をなし、聴き手の感情を揺さぶります。

祖国の民族性を音楽で表現したいというバラキレフの強い思いが伝わってくる本作で、ロシア音楽独特の美しい響きをお楽しみください。

ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 Op.1Mily Balakirev

ロシアの作曲家ミリイ・バラキレフは、ロシア五人組のまとめ役として活躍し、ロシア民族楽派の推進に尽力しました。

彼の作品には西洋音楽とロシアの民俗音楽の影響が見られ、親しみやすさと独創性を兼ね備えています。

初期の重要作である『ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調』は、ショパンの影響を受けつつ、民族的な要素も取り入れた魅力的な作品です。

特に、中間部の荘厳な雰囲気は印象的!

ピアノとオーケストラのバランスにも注目しながら聴いてみてください。

【バラキレフのピアノ曲】ロシア五人組のまとめ役が遺した珠玉の名作(11〜20)

園にて(牧歌的練習曲)Mily Balakirev

ロシア五人組の中心人物であり、作品の完成に時間をかけることで知られるミリイ・バラキレフ。

『園にて』は、ロシアの美しい自然を思わせる情景を音楽で見事に表現した作品です。

変ニ長調の心地よいメロディは、まるで庭園を散策しているような平和な気分にさせてくれます。

ロマン派の影響を受けつつ、ロシア民謡の要素も感じられる本作は、静かな時間を過ごしたいときにピッタリ。

ピアノを楽しむすべての人にオススメしたい、バラキレフの代表的な1曲です。

ヴォルガ川に沿ってMily Balakirev

19世紀後半のロシア音楽界をけん引した「ロシア五人組」のまとめ役として知られるミリイ・バラキレフ。

彼が収集、編曲した『ヴォルガ川に沿って』は、ヴォルガ川の舟ひき人夫たちの労働歌をもとにした親しみやすい民謡調の作品。

重々しく力強いリズムと繰り返されるコーラスによって、舟曳きたちの過酷な重労働の様子が生き生きと描写されており、当時のロシアの労働者階級の厳しい現実が垣間見えます。

ロシアの歴史や文化、そして民衆の生活に興味のある方にぜひオススメしたい1曲です。

トッカータ 嬰ハ短調Mily Balakirev

Mily Balakirev – Toccata in C-sharp minor (NEW YEAR TRIBUTE)
トッカータ 嬰ハ短調Mily Balakirev

ロシア五人組のまとめ役として活躍したミリイ・バラキレフが残した『トッカータ 嬰ハ短調』。

1902年に発表されたこの曲は、ロマン派音楽の特徴を強く持ち、技術的にも表現的にも高度な演奏が求められる意欲作です。

クロマティシズムやモジュレーションを巧みに用いた複雑な和声が特徴で、冒頭から力強いテーマが提示されます。

ロシア民謡の要素を取り入れつつ、バラキレフの革新的な作曲技法が随所に見られる、挑戦的な1曲。

高い演奏技術と豊かな表現力を備えたピアニストにぜひ取り組んでいただきたい作品です。

ソナティナ「スケッチ」ト長調Mily Balakirev

19世紀後半、ロシアを代表する国民楽派の一人ミリイ・バラキレフ。

「ロシア五人組」のまとめ役として同時代の作曲家たちをリードし、ロシア音楽の発展に大きく貢献しました。

そんな彼の遺作となる『ソナティナ「スケッチ」ト長調』は、3つの楽章で構成された、バラキレフならではの繊細かつ色彩豊かな表現力が光る1曲。

民族的な旋律とヨーロッパの音楽的潮流が融合した独自のスタイルは、聴き手の心をつかんで離しません。

演奏には高度な技術と表現力が求められますが、その音楽性の高さゆえに、今なお多くのピアニストたちを魅了し続けています。

クラシック音楽を愛するすべての人々にぜひ聴いていただきたい名曲です。